55 BLACK

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 イチヌケタ 大黒摩季 大黒摩季 塚崎陽平 2025/4/26配信シングルのフルサイズVer.
2 タッチダウン〜featuring Asami from LOVEBITES〜 大黒摩季 大黒摩季,柴田敏孝 大島こうすけ  
3 別れません私から消えませんあなたから 大黒摩季 大黒摩季 柴田敏孝 4thシングル『別れましょう私から消えましょうあなたから』改作
4 イチャイチャしようよ 大黒摩季 大黒摩季,柴田敏孝 柴田敏孝  
5 通り雨のリグレット 大黒摩季 大黒摩季,柴田敏孝 柴田敏孝  
6 GOLDEN QUEEN 大黒摩季 大黒摩季 塚崎陽平  
7 パーリー パーリー 大黒摩季 大黒摩季,塚崎陽平 塚崎陽平  
8 なつかしい日々 大黒摩季 大黒摩季 徳永暁人 2025/2/22配信シングル
9 oh my sisiter〜featuring Taiji Sato from Theatre Brook, ComplianS〜 大黒摩季 大黒摩季,柴田敏孝 柴田敏孝  
10 STAND UP!!★ 大黒摩季 大黒摩季 徳永暁人 2024/12/5配信シングル
11 イチヌケタ〜Single Edit〜 大黒摩季 大黒摩季 塚崎陽平 2025/4/26配信シングル

Chorus Arrangement:大黒摩季(1,2,3,4,5,6,7,9,10,11)
Additional Arrangement:塚崎陽平(3)

リリースデータ

2025年8月2日 初登場18位 売上0.3万枚 Produced by 大黒摩季
Co-Produced by 柴田敏孝
Sound Produced by 塚崎陽平
B ZONE

大黒摩季17thアルバム。前作から1年8ヶ月ぶり。前作以降の配信シングルのうち最古の2023年唯一の新曲「リアル」は未収録。2024年以降の3配信シングルを収録。「イチヌケタ〜Single Edit〜」は3分半のショートサイズで配信されていたが、今作にはSingle Editとフルサイズの両方が収録されている。2025年1月9日に春と秋に『55 BLACK』『55 RED』の2枚のアルバムをリリースすると告知。この時点で4〜8月に『55 BLACK』のツアースケジュールも同時に公表していたが、アルバム発売情報が出ないままツアー初日に「イチヌケタ〜Single Edit〜」を配信。4月26日になってツアー最終日8月2日発売と告知された。当初"春と秋"と発表したのはツアー開始前のリリースを想定していたからと思われるが、ツアー終了後の発売に変えたために春ではなく完全に夏発売となった。徹底してツアー最終日に発売日を合わせたため土曜発売/金曜入荷となり、3日集計での初登場となった。

BIG盤は「55 BLACK ドキュメント Echoes in Fragment」、「TOUR 2025 -55 BLACK- ダイジェスト」、「TOUR 2025 -55 BLACK- 前半戦「今日のら・ら・ら 」 」、「イチヌケタ」Music Video、「55 BLACK メイキングPHOTO SLIDESHOW」収録DVD『55 BLACK SPECIAL MOVIE』付。ハードカバー・A4サイズスペシャルパッケージ仕様、A4サイズフォトブックレット(世界的写真家Leslie Kee他撮影・全36P)、本人メッセージ&直筆サイン(プリント)入り。13000円。
STANDARD盤はCDのみ。通常より少しだけ厚い12oプラケース仕様でブックレットが厚くなっており、こちらもフォトブックレット(世界的写真家Leslie Kee他撮影・全36P)仕様、本人メッセージ掲載。4000円。
BIG盤の値段は前2作の15000円より値下げとなったがこれは前々作はCD+2DVD、前作は3CD+2DVDでディスク枚数が減ったため。通常盤はCD1枚だった前々作の3300円から大幅値上げとなった。

真ん中の3〜7がドラム打ち込み(ベースやキーボードがいる曲もあるが基本はギター以外打ち込み主体)で最初と最後(1,2,8〜11)はドラマーまで起用したフルバンド編成。ただ全体にはドラムがいてもけっこうバンド以外の音もごちゃごちゃしていたり打ち込みの曲と生ドラムの曲があまり変わらない感じだったりと、ロックアルバムと聞いて想像するようなストレートなロックバンド感のあるロックアルバムではない。「イチヌケタ」みたいなロックな勢いのある曲から始まるものの、全体にけっこうごった煮な感じもあり、これはあくまで"大黒摩季流のROCK"なのかなと。精神性においてはロックっぽいし、『55 RED』の方は"フラメンコを取り入れたアカデミックなサウンド"、"世界的にムーブメントとなっているChill Soundやボサノバ、サルサを取り入れ"と予告されてるので、そっちと比べればロックなのが今作といえる。思いっきりやりたいようにやったみたいな話だが正直いつもずっとそんな感じだったわけで今作がいつも以上にやりたい放題だったり、いつもより明確にロックだという印象は正直無くて通常運転に思える。ブックレット前半がかなり攻めたハイセンスなスタイルの写真とポエムが添えてある謎にグラポエ状態(グラビアポエム)になっているのも、『PHOENIX』がかなりすさまじいアートワークだったのが記憶に新しく今回もLeslie Kee氏を起用したなら割と通常運転だしな…。

ただし今作は別の面でいつも通りではない。アップテンポでも気合入りまくりで5分6分7分の大作連発でフルボリュームなアルバムが続いていた中で今作は11曲52分革命的にスッキリとした長さにまとめているのは衝撃的な大きな変化といえる。1時間を割るフルアルバムは1度B社辞める前の『MOTHER EARTH』以来である。EMI移籍以降(『O』以降)ずっと長いオリジナルアルバムが続いていて、活動休止前のEMI時代後期にはもう5分6分の大作連発が目立ち始め、B社復帰後はマッスル路線が芸風と化しており、もう1曲も入る余地ないようなCD限界のフルボリュームが続くようになっていた。今作も気合入りまくりな予告からして11曲でも1時間越えとか平気でやるんだろうなと思っていたので5分台2曲、6分越え1曲があるものの3〜4分台の曲が多めになっているのは驚いた。「イチヌケタ」にしても先に配信で出したSingle Editが3分半程度だったので、これはフルサイズは5分6分になるやつだ…と思ってたらフルサイズ4分半程度。普通のサイズだ。伝えたい事が溢れすぎて言葉を詰め込んで曲が長くなる症状は完全に慢性的な芸風になっていたので急にこんな曲を短くまとめる事ができるようになったのはかなり意識して曲を短くしようとしたのではないかと思われる。今作では共同プロデューサー、アレンジャーどころか共作曲で新たに柴田敏孝が参加した曲が近年のメインアレンジャー塚崎陽平と並ぶまでになっている。柴田敏孝はB社復帰以降のツアーサポートキーボードとして参加していて2020年からバンドマスターとして関わっていたが、編曲参加もこれまで数曲程度しか無かった。彼が今までよりも深く作編曲に関与した事で長尺化がデフォになっていた大黒摩季の作曲スタイルに大きな影響を与えたのだろうか。

はっちゃけた作風のクセの強さは相変わらずなので好き嫌いは別れそうなところではあるし、90年代のヒットイメージのまま(『MOTHER EARTH』までやベスト盤しか聞いてない状態で)いきなり今作を聞けば120%戸惑うとは思うしそれはマッスル路線以降変わらないんだけど、いずれにせよパワフルマッスルな作風は損なわずに曲が適正サイズになった事で全体が締まってかなり聞きやすくなったのは確かだ。この点はとんでもなく良い改善だと思う。大黒摩季のフルアルバムが52分で終わるなんてマジで信じられない出来事だ。

「別れません私から消えませんあなたから」は4thシングル「別れましょう私から消えましょうあなたから」の32年後を描いたとされている。かつて「夏が来る」の9年後に「夏が来る、そして…」をシングルで出した際は歌詞が続編なだけで全く別の曲だったので今回もそんな感じかと思ったらメロディーはそのまま使用した実質替え歌だったので驚いた。

B0F6NMYPPPBIG盤   B0F6NS463SSTANDARD盤 

印象度★★★★☆

2025.9.6更新

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