l(エル)

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 STARTLINE いしわたり淳治 丸谷マナブ 丸谷マナブ  
2 Carnival! NA.ZU.NA NA.ZU.NA ArmySlick and NA.ZU.NA  
3 Long Disntance Mayu Wakisaka 福田貴史,
Claire Rodrigeus Lee
福田貴史 12thシングルC/W
4 Love Letter AAAMYYY Shin Sakiura,AAAMYYY Shin Sakiura  
5 miss you tonight 角田崇徳 河原レオ Shin Sakiura  
6 #やっぱ もっと-Album Version- 一青窈 丸谷マナブ 丸谷マナブ 12thシングル 最高11位 売上0.8万枚
7 チューリップ 大原櫻子 大原櫻子 中村圭作  
8 同級生 山本加津彦 山本加津彦 徳澤青弦  
9 だってこのままじゃ 長屋晴子(緑黄色社会) 小林壱誓(緑黄色社会) 中村圭作  
10 透ケルトン 長屋晴子(緑黄色社会) 長屋晴子(緑黄色社会) 中村圭作 5th配信シングル
11 抱きしめる日まで 大原櫻子 小倉しんこう 中村圭作  
12 チューリップ-Duo- 大原櫻子 大原櫻子 若菜拓馬 アコースティックギター+ボーカルのみ

Strings Arranged by 徳澤青弦(1)
Additional Strings Arrangement:徳澤青弦(6)

リリースデータ

2021年3月3日 初登場7位 売上0.8万枚 ビクター

大原櫻子5thアルバム。前作から1年1ヵ月ぶり。前作以降にリリースされたシングルCD「#やっぱ もっと」、C/W「Long Disntance」、配信シングル「透ケルトン」を収録。前作以降で最も古い20年3月にリリースした4th配信シングル「花光る」は未収録(未CD化)。これまでは作詞での共作、11thシングル『Shine On Me』C/W「Let Me Go」、前作収録曲「Special Lovers」、12thシングルC/W「Wake Up」では作詞作曲編曲者との共同名義(一括クレジット)で制作に関与していたが、「チューリップ」が初の本人単独作詞・単独作曲となった。「チューリップ-Duo-」はその別バージョンでオリジナルがバンドアレンジなのに対して若菜拓馬によるアコースティックギター伴奏のみとなっている。誰かとデュエット歌唱しているという意味ではなく、Duoとは大原櫻子のボーカルと若菜拓馬のギターによる2人編成を意味する模様。

初回盤Aはリード曲「STARTLINE」MV、初収録の「透ケルトン」MV、「同級生」「チューリップ-Duo-」のスタジオライブ映像を収録したDVD付、スリーブケース仕様。
初回盤Bは八角形ジャケット仕様全36Pブックレット付属。
通常盤はCDのみ。
シングルも下回り、前作をさらに下回り、ついに累計でも初の1万割れとなった。

タイトルは小文字の「l」で、表記上は棒1本になってしまいフォントやサイズ次第では視認できなくなる、「I」と区別がつかなくなるためか「l(エル)」と公式にフリガナが併記されている。またジャケットデザインではフリガナ無しで「/」といったスラッシュに近い斜め線1本で表現されている。…いや…この一文字タイトルは表記的にやっちゃダメだろう…。大文字の「L」ではダメだったのかと思ったが、デザイン表記では何故かスラッシュみたいな横線になっているのでこれをやるには小文字である必要があったのかもしれない。

制作陣は前作のメインプロデューサーだった丸谷マナブの参加が2曲に留まり、中村圭作の参加の方が多くなった。新参加の作家陣が目立つ一方でわずかに残されていた亀田誠治ラインからの小名川高弘はついに消失。完全に打ち込み主体、トラックメイカースタイルだった前作から一転してバンドサウンドが再度増加、前作の打ち込みトラックメイカー路線と往来のバンド&ポップス路線が程よく混在したバランス型のアルバムになっている。正直前作は振り切り過ぎたし、ついていけないリスナーも多かったようでついにアルバムでいきなり初動1万割れというところまで人気も落としていたので慌てて元に戻した感じもあるけど、異色な前作を挟んだことで改めてバンド路線の良さや王道バラードをマンネリに感じないという効果はあったと思う。またベスト盤も前作も童顔コンプレックスをこじらせすぎたような無理やり大人っぽいメイクをしていたが、今作ではビジュアル面でもナチュラル志向に戻っていたのも良かった。なんか作品とも噛み合ってない感じがあったからなぁ…。

また新コロで制作が滞るどころか大原櫻子の場合はむしろペースが速くなり、アルバムは大体2年に1枚程度のペースだったのが今回なんと前作から1年1ヶ月。なんとここに来てまさかの過去最速であり、1st→2ndの1年3ヶ月よりも早い。これまで出ていた舞台・ミュージカルは大体1ヶ月程度の公演だったが、2020年5〜9月に予定していたミュージカル「ミス・サイゴン」はかつてない長期公演で全国ツアーまで行う大規模なものだった。これが全部新コロ中止となり、すっぽりスケジュールが空白になったため、今作の制作に進んだものと思われる。

具体的には2〜5が前作路線に近い洋テイスト系でそれ以外は基本バンド編成(「同級生」はピアノオルガンとストリングスのみ、「チューリップ-Duo-」はアコースティックギターのみでリズムがそもそも無い)。なので実は前作で打ち込み路線をリードしていた丸谷マナブは今作では2曲とも完全生音どころかストリングスまで入れていて2曲とも王道ストバラだったりもする。リード曲とシングル、目玉になっている初の単独自作曲「チューリップ」と全てバンド路線なので、前作のような洋ポップ路線はマンネリ回避と適度な新鮮さをアルバムに補充する役割に徹していて聞き終えた感触はバンド路線が強く、やはりこの路線の方がいいなという印象になるといった寸法。前作で洋ポップ路線に全振りしていなかったら今作の印象もそこそこなところに留まっていたかもしれないし、結果オーライではあったかも。また亀田誠治→小名川高弘を完全に離れてもまだまだ大丈夫という安心感も得られる1作になったと思う。ただ選びすぎベスト、路線変えすぎた前作…と明らかにファン離れ必至の展開だったので代償はそれなりにあったけどな…。

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印象度★★★★☆

2021.4.25更新

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