Secret Garden

英訳詞：Deron Reynolds(3以外)、Ryoko Otani&Tony Grund(3)
Vocal Arranged by 大野愛果

リリースデータ

大野愛果2ndセルフカバーアルバム。前作に続いて提供曲を全英語詞でセルフカバーしている。11曲が新たな新録音曲で、ボーナストラックとして3曲がリミックスされている。今回はUSAレーベルではなく通常のGIZA studioからのリリースとなりアメリカ展開は行っていない。そのためかクレジットは通常表記に戻っている。1,6には愛内里菜、4には倉木麻衣がゲストボーカル参加している。これはコーラス参加ではなく、左チャンネルに大野愛果、右チャンネルにゲストとなっており、ボーカルも完全にセパレートされての対等なデュエットとなっている。今作の1年後の03年末には第3弾の発売も予定されており品番が決まっていたが発売中止となった。そして年月が流れて11年後に第3弾がリリースされている。

前作に続いて倉木麻衣ばかりになっているが、USAレーベルでは無くなった影響なのか前作ほど洋楽っぽくなくなっていて当時のGIZA studioっぽい空気になっている。半数以上を占める倉木作品ではウィスパースタイルの倉木そっくりボーカルになっており、倉木麻衣とデュエットした「The Frozen Sea」はボーカルがセパレートされていなければどこが大野でどこが倉木なのかさっぱり分からなかった勢いである。ただ「Easy Game」のようなアッパーな曲ではバンド風のアレンジになったり、愛内とデュエットしている「Love is a thrill,shock,suspence」「Close to your heart」ではボーカルスタイルも変更しており、倉木麻衣とは全く違う歌声になっている。前作のような一辺倒な雰囲気ではないのでかなり幅が広くなっている印象。別の歌い方もできるならさらにバラエティ豊かな作風になっても面白いんじゃないかと思うが、歌手活動がこれで終わってしまっているのは残念だ。前作と今作では圧倒的に今作の方がお勧めだが、アメリカ展開をしないのであれば今回も英語詞にこだわる必要は無かったんじゃないかと思う。前作の流れで制作したと思われるのでそのままの名残だとは思うけど、英語の発音があまりよろしくないという声もあるようだし、英語で歌う利点はあまり見えないが、歌詞ではなく作曲家なのでメロディーを前面に出したいというのはあったのかもしれない。そういう意味では歌詞が無い「Can't forget your love」はストリングスを生かしたアレンジとメロだけで聞かせるインストになっているが（正確にはha〜系のコーラスはある）、むしろ原曲であまり感じていなかった良さに改めて触れられたような気がした。

印象度★★★☆☆

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