PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"(初回盤)

※03年以降200位以内データ

リリースデータ

メンバー

ポルノグラフィティ5thベストアルバム。15th Annivesaryとされているが2013年は14周年を迎えて15年目に突入した年となり、「15周年イヤー」を前倒しして本当の15周年を迎える2014年まで掲げ続けるというプロモーションが取られた。前4作とは異なり、オールタイムベストとなっており、ここまでの全シングルA面曲をリリース順に網羅。最後に新曲が収録されている。「カゲボウシ」以降の4シングルはアルバム初収録。リマスタリングとは表記されていないがマスタリングはソニーの酒井秀和が担当しており、リマスターされている模様。初回盤は最新2シングルのPVと39枚のシングルの15秒CMが収録されたDVD付。

Episode �T
04年の1st2ndベスト『RED'S』『BLUE'S』からシングルだけをリリース順に収録。またTamaが在籍していた時期でもある。大ヒット曲が並んでおり、改めて圧巻。特に最初期の「アゲハ蝶」までのヒットチューンっぷりは、本間昭光の作家生活のまさにピークとも重なったようでとにかく冴え渡りまくり。その後は自作で少し自我を出したような「渦」や「音のない森」なども出てくるがこの辺りも近年には無いマニアックさと深みがあると思う。この時期があまり好きではない、という人はそもそもポルノグラフィティを聞かないと思うけど、この時期のパッと聞きで耳に残るキャッチーさだけに捕われ過ぎると、この先の楽曲の良さを感じるのに少し時間がかかるかもしれないとも思う。それくらいこの時期は凄い。

Episode �U
08年の3rd4thベスト『ACE』『JOKER』からシングルだけをリリース順に収録。2人になって自作曲も増えていった時期となる。終盤になると誰が書いてもあまり変わらなくなるが中盤まではak.hommaが書くとヒットするという事態になっている。確かにキャッチーではあるけど、ak.hommaの曲も初期ほどの勢いはなくなってきており、一般的にもこの辺りから知らない曲が増えてくるんじゃないかと思う。ただ自作曲含めて馴染んでくるとかなりいいと思える曲が並んでおり、案外初期の曲よりも何度も聞けて飽きなかったりもする。「黄昏ロマンス」とか当時は別に何でもなかったのに今じゃ1，2を争うほど好きな曲になってたし。どの曲も『ACE』『JOKER』の頃よりもかなり良く思えた。初めてこの楽曲群を聞いた人は最初は段々イマイチになってきたように感じるかもしれないけど、時間が経過してくるとこの時期の良さも分かってくると思う。

Episode �V
ここからがベスト初収録。もう少し売れていれば前と同じパターンでのベスト発売が出来たと思われるが…。共作の「EXIT」を除くとメンバー自作に完全移行し、またak.hommaは途中からアレンジャーからも退き、さらにプロデュースからも外れていった。ほとんど固定ヒットだけでヒットらしいヒットが出ていないものの、全く耳に残らないような楽曲は無く、どの曲も何度か聞けばサビくらいは耳に残る。毎回毎回が初期に劣らない楽曲揃いとまではさすがに思えないが、「2012Spark」を筆頭に「今宵、月が見えずとも」、「ワンモアタイム」など昭仁が作曲したアップテンポな楽曲は初期の一連のヒット曲にも劣らない勢いを見せているように思う。晴一も主にバラードで安定した楽曲を生み出し続けている。またベテランの域に達して他アーティストでの仕事っぷりからしても明らかに90年代末期〜00年代序盤のような新鮮さが無くなってきていた本間昭光を離れ、自分たちよりも若いアレンジャーと組んだことで、サウンド面での勢いは再び増したように思う。どんな名曲を出そうとなかなか新しく聞いてもらえないような状態で、なかなか代表曲を塗り替えるようなヒットが出ないのが寂しいところだけど、いつそれが出てもおかしくないくらいの勢いは今もある。

新曲「ひとひら」は秋冬のシングルとして良く出ているようなタイプのミディアムバラード。ベスト前倒しが無かったら、普通にシングルで出ていたんじゃないかと思うが、けっこうな力作となっていて6分40秒越え。長いがかったるくなくて聞き込める名曲だ。

DVD
最新2シングルのPVのバックにでかでか出ている15th Annivesaryの文字がなんとも…。15年目ではあるので間違いではないが、明らかに15周年のノリで前倒ししてるわけなので複雑。そもそもこの2シングルのPVはまた別の機会にでも取っておいて何かもう少しベスト盤っぽいものを収録してほしかった。せめて「ひとひら」のPV制作するとか。

「ALL TIME SINGLES CM COLLECTION」はベスト盤っぽいこと…ではあるんだけどまさかの15秒CM。39作が10分程度で終わるわけだけど、15秒ではどれもサビも満足に収まっていないので駆け足すぎる。20周年のDEENを見習って細かく編集した40分以上に及ぶPVダイジェストを作れとまでは言わないけどどんだけ制作に時間かけてないのか…。CM並べただけなのに監修者のクレジットを最後に堂々表記するとか何の冗談だこれ。さらにこのCMコレクションには公式サイトにも書いてあるようにメンバーによる副音声コメンタリーが入っているんだけど、これが切替ボタンがメニュー内に存在しない。このため、CMコレクションを選択・再生した直後にDVDプレイヤーのリモコンから素早く「音声切替」をして手動で音声切替を行わないと聞く事ができない。隠し音声かよ！また「素早く」と書いたが、CMコレクションを再生しないと音声変更できない上に再生直後からトークが始まるので、のんびり音声を切り替えていると最初のトークが聞けない。切り替え後に一旦「戻る」を推奨。何でそんなに被り気味にトークが始まるのかといえば、前述の15秒CMなため。1作15秒しかないので矢継ぎ早にトークが進んでいき、メンバー2人ものんびり振り返っている余裕は皆無。かなり忙しない早口トークが展開する。30秒CMにするか、1コーラス程度で繋ぐPVダイジェストにすれば良かったのにどうしてこうなったのだろうか…。DVDは正直かなり残念。

初回盤DVD付　　通常盤　

印象度★★★★★

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