ロマンチスト・エゴイスト

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 Jazz up ハルイチ シラタマ ak.homma  
2 Century Lovers ハルイチ ak.homma ak.homma  
3 ヒトリノ夜 ハルイチ ak.homma ak.homma 2ndシングル 最高12位 売上24.3万枚
06年マキシ化再発盤 最高30位 売上0.6万枚
4 ライオン ハルイチ シラタマ ak.homma インディーズ時代のスプリット作『ポルノグラフィティVSリンカーン』収録曲「LION」のリメイク
5 憂色〜Love is you〜 ハルイチ ak.homma ak.homma  
6 Heart Beat ak.homma ak.homma ak.homma  
7 マシンガントーク ak.homma ak.homma ak.homma  
8 デッサン#1 ハルイチ シラタマ ak.homma  
9 アポロ(New Apollo Project Version) ハルイチ ak.homma ak.homma 1stシングル 最高5位 売上41.7万枚
06年マキシ化再発盤 最高29位 売上0.6万枚
10 ラビュー・ラビュー ハルイチ シラタマ ak.homma  
11 ジレンマ(How To Play "didgeridoo" Version ハルイチ シラタマ ak.homma 2ndシングルC/W
12 リビドー アキヒト ak.homma ak.homma  
13 ロマンチスト・エゴイスト ハルイチ Ryo ak.homma 1stシングルC/W

リリースデータ

2000年3月8日 初登場5位、最高4位 売上40.5万枚 Producer:田村充義、本間昭光 SME Records

メンバー

Vocal,Chorus,Acoustic Guitar,Didgeridoo アキヒト
Electric & Acoustic Guitar,Chorus,Didgeridoo ハルイチ
Basses,Chorus,Rap シラタマ

ポルノグラフィティ1stアルバム。99年9月に「アポロ」でデビュー。初登場76位だったが5週目にトップ10入りしてロングヒットとなった。年明け1月の「ヒトリノ夜」は歴史に残る激戦週(「TSUNAMI」の1週目の週)にぶつかり唯一トップ10入りを逃したもののこれもロングヒット。続けてリリースされた今作は初登場5位から2週目に4位に上昇、3週目以降はトップ10落ちしたものの、やはりロングヒットとなった。当時は100位集計だったが2003年度より300位集計になった後、2004年に2週再浮上している。最終的に「アポロ」にわずかに及ばない売上となり、「アポロ」の1発屋になる懸念は残る事となった。直前まで広瀬香美を手がけた田村充義&本間昭光によるプロデュースで、本間はak.hommaを名乗り、作編曲に大きく関与した。「ロマンチスト・エゴイスト」の作曲者Ryoは吉俣良。ポルノグラフィティはデビュー前の準備期間がかなり長かったようで本間昭光と組む前は吉俣良と組んでいた時期があったようだ。

なんといってもak.hommaの手腕が大きい。アレンジャーとしては知っていたが作曲家としてここまでキャッチーな曲を次々に生み出していくとは思わなかった。メンバー3人もハルイチが作詞、シラタマが作曲、アキヒトがその圧倒的なボーカルでそれぞれ才能を発揮しているんだけど、恐らくソニーからも自作では売れないという判断があったのか、1997年にはソニーと契約していたのに2年近く準備期間に費やし、吉俣良から本間昭光にプロデューサーを交代させて実質的なメイン作家として起用。当時の本間昭光はバンド系よりも打ち込みテイストの方が得意だったせいか、ドラムは全部打ち込みデジポップ/ロックっぽい質感のサウンドになっている。

当時リアルタイムでもこのアルバムを聴いているんだけど(カセット録音の末期でそれっきりになっていたのでサイト開設当初は感想を載せていない)、シングル2曲が強すぎてそれ以外は印象がかなり薄かった。特にメンバー作になると極端に路線が違うわけではなく基本的にはポップな売れ線志向ではあるんだけどどうにもパッとせず、これ以降もシングルは1発で耳に残るほどドキャッチーなのにC/Wやアルバムだとどうもパッとしないシングルアーティストという印象が固まってしまった。後にベスト盤が2枚同時リリースされた際もアルバム曲は邪魔扱いまでは行かなくても選びすぎとか全部通して聞くにはヘビーみたいな感想をオリジナルアルバムまでは聞いてないリスナーの間で多く目にしたので、そこにファンとライトリスナーの境がけっこう明確にあるのかなと思う。

メンバー作やアルバム曲も馴染んでくれば耳に残ってくる曲はちゃんと並んでいる。しかしこの当時の本間昭光は逮捕前の槇原敬之のツアーメンバーとしても知られていたが、広瀬香美でのアレンジャー仕事で何かを掴んだのかキレッキレの仕事ぶりを見せ(最初は広瀬香美と共同名義だったが後半は単独編曲を任されるようになっていた)、このポルノグラフィティで作編曲家として間違いなく大覚醒、全盛期に突入していて特にシングル曲のインパクトがずば抜けていたためどうしてもシングルに印象が持っていかれてしまうのは否めない。シングル抜きにすればこのアルバムも全力投球感はある。いきなりどエロな歌詞で始まる辺りもシングル2曲からするといきなりアレ?って感じだが、そもそもバンド名を見れば納得。元々のメインライターであったシラタマも「ライオン」辺りに見られるようにロック的なアプローチでak.hommaには無い色を出しつつもキャッチーさも意識して、やりたいことと売れる曲を作る事の狭間で腐心しているような印象。

シングルが強すぎるアルバムというのはどうしてもそれ以外の印象が薄くなりがちだし、あえてシングル飛ばして聞いてみたり、時間を置いてみたり、何度も聞いてみたりすればもう少し見えてくるかもしれない1作。ドキャッチーなシングルに対する聞き方や期待をそのまま持ち込むと特にak.hommaがメインでヒットを飛ばしまくっていた時期のオリジナルアルバムの良さは見えてこないと思う。

B00005G7LX 

印象度★★★★☆

2022.8.12修正

戻る