∠TRIGGER

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 ∠RECEIVER 新藤晴一 岡野昭仁 ak.homma,Porno Graffitti  
2 アニマロッサ 岡野昭仁 岡野昭仁 ak.homma,Porno Graffitti 29thシングル 最高3位 売上7.5万枚
3 瞳の奥をのぞかせて 新藤晴一 岡野昭仁 ak.homma,Porno Graffitti 30thシングル 最高4位 売上5.6万枚
4 ネガポジ 新藤晴一 新藤晴一 Porno Graffitti,篤志  
5 クリシェ 新藤晴一 新藤晴一 ak.homma,Porno Graffitti  
6 IN THE DARK 新藤晴一 新藤晴一 ak.homma,Porno Graffitti  
7 Introduction〜迫リ来ルMONSTER〜       21秒のラジオドラマ 次の曲へのイントロダクション
8 MONSTER 岡野昭仁 新藤晴一 ak.homma,Porno Graffitti  
9 この胸を、愛を射よ 新藤晴一 新藤晴一 ak.homma,Porno Graffitti 28thシングル 最高2位 売上6.5万枚
10 曖昧なひとたち 岡野昭仁 岡野昭仁 ak.homma,Porno Graffitti  
11 光の矢 新藤晴一 新藤晴一 ak.homma,Porno Graffitti  
12 今宵、月が見えずとも 新藤晴一 岡野昭仁 ak.homma,Porno Graffitti 27thシングル 最高2位 売上14.8万枚
13 ロスト 岡野昭仁 岡野昭仁 ak.homma,Porno Graffitti  

リリースデータ

2010年3月24日 初登場1位 売上12.6万枚 Produced by 田村充義、本間昭光 SME Records

メンバー

Vocal,Chorus 岡野昭仁
Guitar 新藤晴一

ポルノグラフィティ8thアルバム。ベスト盤『ACE』『JOKER』から1年5ヶ月、オリジナルアルバムとしては2年7ヶ月ぶり。前回同様にベスト盤に収録されたシングルはオリジナルアルバムには未収録となり、ベスト以降にリリースされたシングル4曲を収録。「Introduction〜迫リ来ルMONSTER〜」は21秒のラジオドラマ仕立てになっており、声優の水樹奈々、ゆかながメインキャストとして参加している(メンバーもエキストラ的な形で声の出演はしているのでメンバーも参加している)。初回盤はシングル4曲のビデオクリップ、メイキング、TV-SPOTと2009年11月28日に東京ドームで行われたライブ『東京ロマンスポルノ'09〜愛と青春の日々〜』から「うたかた」のライブ映像を収録。初の東京ドーム公演となったこのライブは当初より映像化しないと宣言して行われていたが、強い要望によりこの1曲のみ映像化された。以後もこれ以外には映像化されていない。「今宵、月が見えずとも」こそその前のシングルの2倍の売上を記録して10万枚を突破するなどヒットしたが、以後は10万割れで7万前後の売上となった。今作ではオリジナルアルバムで2度目の1位獲得となったが売上はジリ貧で「今宵、月が見えずとも」を下回った。

今作ではデビュー以来のプロデューサーで、アレンジャー兼作家でもあるak.homma(本間昭光)が初めて作曲に参加していない。そのため初の全曲メンバー作曲のアルバムとなった。プロデュースとアレンジには引き続き参加しているものの「ネガポジ」は篤志との共同編曲でak.hommaは参加していない。一方で前作とベスト盤ではプロデュース名義にもPorno Graffittiが加わっていたが今作では元通りに田村充義、本間昭光の2人のみに戻されている。

サポートバンドの面々はほぼ同様のメンツとなっているが前作のようにガッチリと固定バンドでバンド感を追求するのではなく幅広さは戻っていて、打ち込みを駆使してバンドメンバー不参加になっていたりする曲もある。ak.hommaの作曲が無くなった上に、ヒット曲らしいヒット曲も出せなくなり以前のような突き抜けたシングルヒットチューンは出せなくなった…やはりak.hommaの作曲じゃないと…と思ってしまいそうなところではあるが、既にak.hommaもピークを越えていたのは「Love,too Death,too」始め末期の作曲シングルで明らかであり、メンバーの成長もあって正直もうメンバー曲とak.homma曲に差は無くなってきていた。実際今作でのシングル曲は確かに以前ほど突き抜けて1発で掴まれるようなところはないものの、じわじわと馴染んできて飽きない良曲揃いだ。

やや暗めな印象なのは「∠RECEIVER」がスマトラ沖地震と津波をモチーフにしているのとラストの「ロスト」が亡き母を歌った長尺バラード、と最初と最後がシリアスなためか。ただ911の影響を受けた3rdアルバムや「渦」「音のない森」等のやや重い曲を出していた頃とは違って年齢を重ねて深みを増したといったところで、暗いというよりかは相応に落ち着いたと言った方が正しいかもしれない。また今作は東日本大震災の1年前なので日本で津波被害という実感はなく、津波被害、街を飲み込む映像も遠い海外の出来事という一般認識だった点が大きく異なり、そういった"以前"の世界で書かれた曲というところで興味深いものがある。1年後だったら冒頭から直接歌詞に出来る精神状態ではなかったと思うし、歌詞が津波を思い起こさせるから不謹慎だとか判断されて発売中止に追い込まれていたかもしれない。

これまでどうしてもシングルが強すぎたが、今作以降はアルバムトータルでのバランスが抜群に良くなった。前作も前々作もコンセプト重視なところがあったが今作はこれといったコンセプトを設定していないメンバー2人の自作のみで挑んだこの時点でのメンバーの総力を結集したアルバムであり、ak.homma離れの本格的な第一歩として手応えを感じられる。ここからのポルノグラフィティの深化が楽しみになる1作。

B0035Z95JY初回盤DVD付  B0035Z95K8通常盤 

印象度★★★★☆

2022.11.28修正

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