ANTI ANTI GENERATION
No | タイトル | 備考 |
1 | Anti Anti overture | Instrumental |
2 | tazuna | |
3 | NEVER EVER ENDER | |
4 | IKIJIBIKI feat.Taka | Taka(ONE OK ROCK)とのコラボ |
5 | カタルシスト | 22ndシングル 最高5位 売上3.9万枚 |
6 | 洗脳[Anti Anti Mix] | 20thシングル両A面曲 |
7 | そっけない | |
8 | <宿題発表-skit-> | 寸劇(小学校で教師が宿題を出す内容で次曲へ繋がる) |
9 | PAPARAZZI〜*この物語はフィクションです〜 | |
10 | HOCUSPOCUS | |
11 | 万歳千唱 | |
12 | I I U | |
13 | 泣き出しそうだよ feat.あいみょん | あいみょんとのコラボ |
14 | TIE TONGUE feat.Miyachi,Tabu Zombie | Miyachi、タブゾンビ(SOIL&"PIMP"SESSIONS)とのコラボ |
15 | Mountain Top | 21stシングル 最高10位 売上1.7万枚 |
16 | サイハテアイニ | 20thシングル 最高2位 売上4.4万枚 |
17 | 正解[18FES ver.] | NHK『18祭』での合唱音源 23rdシングル(スタジオ音源、カット) 最高15位 売上0.3万枚 |
※作詞作曲編曲表記なし
リリースデータ
2018年12月12日 2019年3月27日(アナログ盤) |
初登場1位 | 売上11.7万枚 | EMI Records(ユニバーサル) |
メンバー
Vocal&Guitar&Piano | 野田洋次郎 |
Guitar | 桑原彰 |
Bass | 武田祐介 |
Drums | 山口智史 |
Drums Support | 森瑞希 |
RADWIMPS9thアルバム。前作から2年ぶり。ANTI ANTIはアンティ アンタイと読む。前作以降の3シングルから4曲を収録。21st両A面「Shape Of Miracle」は未収録。「IKIJIBIKI」はONE OK ROCKのTaka、「泣き出しそうだよ」はあいみょん、「TIE TONGUE」はMiyachiとSOIL&"PIMP"SESSIONSのタブゾンビがそれぞれボーカル(ラップ)としてゲスト参加している。「万歳千唱」「正解」は2018年9月に開催され10月に放送されたNHK『18祭』のために書き下ろされていた楽曲で今作にて初音源化となった。オリジナルバージョンが未発表のままとなったが、2024年になってスタジオレコーディングされたオリジナルバージョンがシングルCDとして発売された。
前作同様にドラムの山口は引き続き休養中だがクレジットはされている。実際のドラムはサポート表記の森瑞希が担当しているものと思われるが、「IKIJIBIKI feat.Taka」は山口が休養に入る前に山口のドラム演奏で録音されていたテイクが使用されていると雑誌にて明かされた模様。何故か今作には作詞作曲編曲プロデュース表記が抜け落ちており、表記されていない。
初回盤は「君の名は。」「人間開花」以降から今作にたどり着くまでのRADWIMPSを、メンバーインタビューを軸に過去の膨大な映像を再構築したドキュメント映像を収録したDVD付。ライブBlu-ray/DVD『Road to Catharsis Tour 2018』と同時発売。『君の名は。』『人間開花』に続いて3作連続3度目の1位となったが、30万枚を越えた『人間開花』から売上は激減し、「君の名は。」バブル以前のアルバム『×と○と罪と』も下回った。ブレイク前の1st、2ndは上回っている。19年3月には生産限定アナログ盤でもリリースされた。
最初に売れ出した頃のRADWIMPSはタイアップやどれか1曲が代表曲として当たったわけではなく、じわじわ盛り上がって高い人気を得るようになったので、売れて苦悩するみたいな感じが全くなく、バンドの雰囲気や野田洋次郎の作風にしても常に自由なままやれていたように思う。しかし「君の名は。」バブルによる著しい認知度の向上が良くも悪くもけっこう影響してきたのかなと感じる1作。「前前前世」に近い系統の爽快感のある楽曲からゲストボーカルを招いた曲、クセが強すぎる曲からバンド感の薄いソロみたいな楽曲まで作風はこれまで以上に幅広くなっている印象で、ごった煮感はあるものの、聞きやすさと良く分からなさが程よく混在したような1作だ。収録時間も長いが、いい感じに曲調がばらけているので結果的に印象には残りやすくて個人的には前作よりはいいアルバムだと感じた。やや若者向けのメッセージ性を感じる部分があるのはたぶん『18祭』で18歳と接したのが影響しているのかなと思う。
その『18祭』で若さに接した影響ももしかしたらあるのかもしれないけど、マスコミへの怒りをそのまま吐き出したような「PAPARAZZI〜*この物語はフィクションです〜」は「君の名は。」バブルの悪い影響がそのまま出た感じ。この曲で綴られているマスコミへの怒りは妙に若い感じがするといいか20歳そこそこ、売れてそこそこな頃のミュージシャンが抱きそうなものなので作中で歌っているような"メジャーで10余年"も活動してきて年齢的にも30歳も越えたいい大人が今更何を…?と思ってしまうところもある。実際この点で賛否を呼んでいるようだ。何となく抱いていた野田洋次郎のイメージだともう少し個性的な作風に落とし込んでいたと思うんだけど、この曲はあまりにストレートに怒って批判している。意図的にそうしたという感じもあまりしない。
RADWIMPSはこれまでけっこう歌詞の面でも問題作と呼ばれるような楽曲を度々発表してきていたが、前述のようにガツンと1発当たって脚光を浴びるのではなく、外野があまり入ってこないような絶妙なバンドの注目され具合により、リスナー間で過激さが注目はされても批判されたり叩かれるようなことはほとんどなかった。メディアも基本的に音楽専門誌が取り上げるだけで、ゴシップ的なものや外野からの批判なんかとは割と無縁で今まで活動できていたんじゃないかと思う。ところが「君の名は。」バブルによって注目が集まりすぎた結果、歌詞の内容が突如炎上したり、曲中で綴られているようなマスメディア含めて人間不信になるような出来事がたぶんここに来て我々が思っている以上にたくさんあったんじゃないかと思う。そう考えると物凄く今更感のあるメディア批判に至ったのも分からなくもない。バブルは完全に終わったと思うので、状況は落ち着くとは思うんだけど、この影響が作風にもけっこう長引いて影響してくるとなるとちょっと同世代としては今までのような凄みよりもズレを感じてしまう部分が出てきてしまうかもしれない。
印象度★★★★☆
2019.3.23更新