EARLY REBECCA
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | ウェラム・ボートクラブ(Wearham Boat Club) | 木暮武彦、有川正沙子 | 木暮武彦 | Rebecca | 1stシングル 100位圏外 |
2 | ハチドリの証言(Women's Holiday) | Nokko | 木暮武彦 | Rebecca | 1stアルバム『VOICE PRINT』収録曲 |
3 | 蒼ざめた時間(The Nightmare) | Nokko | 木暮武彦 | Rebecca | 1stアルバム『VOICE PRINT』収録曲 |
4 | QUEEN OF VENUS | 有川正沙子 | 木暮武彦 | Rebecca | 1stアルバム『VOICE PRINT』収録曲 |
5 | ヴァージニティー(Virginity) | 宮原芽映 | 土橋安騎夫 | Rebecca | 2ndシングル(アルバム同発) 100位圏外 イントロ部分が別バージョン |
6 | 怒りの金曜日(Subway Panic) | Nokko、有川正沙子 | 木暮武彦 | Rebecca | 2ndアルバム『Nothing To Lose』収録曲 |
7 | Precious Star | Nokko | 木暮武彦 | Rebecca | 2ndアルバム『Nothing To Lose』収録曲 |
8 | 結接蘭 破接蘭(Ke・Se・Run Pa・Se・Run) | Nokko | 木暮武彦 | Rebecca | 2ndアルバム『Nothing To Lose』収録曲 |
9 | STEFANIE | Nokko、有川正沙子 | 木暮武彦 | Rebecca | 2ndアルバム『Nothing To Lose』収録曲 |
10 | Nothing To Lose | 宮原芽映 | 木暮武彦 | Rebecca | 2ndアルバム『Nothing To Lose』収録曲 |
リリースデータ
1985年9月5日 | 最高36位 | 売上0.1万枚 | CBSソニー |
メンバー
Vocal | Nokko |
Synthesizers,A.Piano,Sax,Flute,Glocken,Chorus | 土橋安騎夫 |
Bass Guitar,Synthesizer,Chorus | 高橋教之 |
E.Guitar,A.Guitar,Chorus | 木暮武彦 |
Drums,Chorus | 小沼達也 |
レベッカ初期編集アルバム。リリース直後の3rdアルバムからCDでの発売が始まり、レコード/カセットでしか発売されていなかった1stアルバム『VOICE PRINT』と2ndアルバム『Nothing To Lose』をまとめて初CD化したのが今作。しかし全10曲という制約があったのか1stアルバムから「百萬弗コネクション」「瞳を閉じて」の2曲が外されてしまった。「瞳を閉じて」と初期3シングルのB面曲は3rdアルバム『WILD & HONEY』のCD(初期盤)とカセットのみの追加収録曲として収録していたので、結果的にこの時点でのレベッカの全楽曲のうち「百萬弗コネクション」だけがCD化されずに取り残されてしまう事態となった。2ndアルバム『Nothing To Lose』に関しては曲順もそのままに全曲収録されている。しかし「ヴァージニティー」はオリジナルではギターのイントロから他の楽器が同時に入る構成だが、今作ではギターのイントロからドラムが先行して入ってから他の楽器が入る構成に変更されている。解散した91年に1st、2ndアルバムが単独でのCD化を果たしたことで今作は完全に役目を終えて廃盤となった。以降再発はされていない。
レコード→CDへの移行という過渡期の産物。今作発売当時のレベッカはまさかの木暮・小沼脱退という事態を乗り越えて土橋がリーダーとなり新生レベッカとしてリスタートを切り、3rdアルバムでヒットへの手ごたえをつかんでいた頃だった。今作の1ヵ月後にリリースされた「フレンズ」が大ヒットして本格的なブレイクを迎えたが、本格ブレイク以降にCD化の話が出ていれば普通に1st、2ndアルバムを単独でCD化していたかもしれない。ただ脱退した人がメインライターだった頃の曲なので丁寧に2作再発するより1作で初期レベッカとして済ませてしまうというレコード会社の意図もあったのかどうか…。何故か2曲省かれてしまったのが中途半端だが、発売から6年間…というか解散までのレベッカ現役活動中は木暮リーダー時代の初期レベッカの音源をCDで聞ける唯一のアルバムとしてファンに重宝されていたようなので当時のリスナーには今作への思い入れがそれなりに深い人も多いかも。
結果的に今作は木暮リーダー時代の楽曲をまとめた形になっているので、これはこれでそれなりにまとまっている。この時代のレベッカは「ロック色が強い」と形容される事が多い。別にギターが激しく前面に出ているわけではないし、ロック=エレキギターがガンガン鳴るという認識だと全くロックっぽく思えなかったりもするけど、これ以降に比べると確かに硬派で尖った感じはする。唯一土橋が書いた「ヴァージニティー」だけ圧倒的な名曲オーラを放ちまくっている気もするし、レベッカというとやはり一般に認識されるのは「フレンズ」以降だと思うので、この時期は若干軽視されがちではあるが…何度か聞いているとこれはこれでいいと思えてきて馴染んでくる。
一方やはりCDほぼ最初期の作品だけに音もしょぼく(90年代中盤以降と同等のボリュームにするにはけっこう思いっきりボリュームを上げる必要がある)、2作の単独CD化により役目を終えた過渡期の産物と思いきや今作には1つ大きな価値が残っている。「ヴァージニティー」のイントロが何故か改変されていてオリジナルではギター以外の楽器と同時に入るドラムが先行して鳴り始めるというバージョン違いである。このバージョンをNew Mixしたのが後のベスト盤『The Best of Dreams』に収録されているが、オリジナルのミックスなのは今作のみでこれが今作最大の価値として残っていると思う。
印象度★★★☆☆
2015.10.11執筆