GOLDEN ROAD〜BEST〜

リリースデータ

メンバー

ロードオブメジャー1stベストアルバム。デビュー5周年を記念してという触れ込みだったがデビューは8月28日だったので5ヶ月早いタイミングでのリリースとなった。ここまでの全シングル10枚、2枚のアルバムから選曲されている。シングル1曲目は全て収録されたが2nd両A面「足跡」のみ未収録。2ndアルバム以降リリースの3シングルから「さらば碧き面影」「ENERGY」「僕らの夜明け前」「PLAY THE GAME」、アルバム未収録C/Wから「apasionado」「はじまりの場所」がアルバム初収録。1〜10までは時系列、後半はC/Wとアルバムからの選曲に加えて最新シングル「PLAY THE GAME」がラスト手前に配置された構成。今作リリース後、7月になって解散を発表したため本当の5周年を現役で迎えることは出来ず、結果的に今作が事実上のラストベストアルバムとなった。新曲が収録されなかったため最後の新曲は2月発売の10thシングルだった事になる。5万枚限定の初回盤は06年8月のライブダイジェストを収録したDVD付。

最後のライブは2006年秋の学園祭ツアーだった事になり、実質メンバー4人揃って表に出ていたのは2006年が最後だったようだ。年明けの「PLAY THE GAME」リリース時には既にメンバー稼働は無く、ジャケ写やアー写はあったもののMVには演奏メンバー3人の手元しか映っておらず、TVやラジオ出演も無く、今作リリース時も同様でほとんどプロモーション活動が無かった。解散発表後の最後の作品は解散発表と同時に発売されたメンバーが関与していないリミックスアルバム『SILVER ROAD〜REMIX〜』と事実上のベスト映像集となるDVD『GOLDEN ROAD FILMS』となった。

00年代前半に10代を過ごした人はMONGOL800「あなたに」「小さな恋のうた」、175R「空に唄えば」と並んで、「大切なもの」が10代の頃に周囲で流行っていた曲になっているのではないか。そんなにパンクではなくても若者のアップテンポなロックバンドは当時ひとまとめに青春パンクとしてまとめられがちだったが、この時期このようなド直球青春なロックバンドがドカンと流行る傾向があった。その後ラップ系グループの方に移り変わっていって青春パンクと呼ばれたブームは一瞬で過ぎていってしまったが、シングル単位でこの界隈で最大のヒットとなったのが「大切なもの」だった。その後もヒットを継続したもののトップ10落ちまで低迷していき、最後はやや不穏な状態が続いてからの事後報告のような解散となった。

TV番組の企画でバラバラに活動していたアマチュアバンドの若者を寄せ集めて始まり、良く分からないままに想像以上に大当たりしてしまったので、その後の気持ちの持って行き方やバンド内の人間関係に迷ったのは間違いなかったと思われるが、それでも若者たちがガムシャラに駆け抜けた日々は綺麗にまとまった1作にはなっていると思う。オリジナルアルバムは2枚で、3rdアルバムの代わりのように今作がリリースされ、後半3シングルはオリジナルアルバムには未収録のままになった事もあり、オリジナルアルバムから辿るよりもひとまず今作1択、1作完結でもそれでも十分事足りるようなベストアルバムだ。今作で提示しきれなかったようなちょっと変わった曲調なんかは2枚のオリジナルアルバムよりも取り残された未収録C/Wにあるように思うし、ここからオリジナルアルバムに遡ってもまず半数以上が重複しているというのもあるが、そこまで新しい発見は無いかも…。

そこまで幅広い引き出しがあったわけではないので、19曲と数が多いと若干飽きてくるところはある。若さゆえの勢いが魅力であり、長く続くものではないが、少なくともそこから先を見せようとするも兆しまでで終わってしまったと思う。もう少しもがきながら成長していくバンドの姿を見せてほしかったところもある。「さらば碧き面影」や「ENERGY」での進化を模索している感じから全てなぎ倒して突き進もうとするかのような勢い溢れる「PLAY THE GAME」へとまだまだ行けそうな姿勢を見せているだけに余計に惜しかった。

5万枚限定生産DVD付　　　通常盤

印象度★★★★☆

発売当時の感想を2022.11.1修正

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