三枝夕夏 IN db 1st〜君と約束した優しいあの場所まで〜

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 Shocking Blue 三枝夕夏 大野愛果 小澤正澄  
2 君と約束した優しいあの場所まで 三枝夕夏 小澤正澄 小澤正澄 6thシングル 最高8位 売上3.4万枚
3 CHU☆TRUE LOVE 三枝夕夏 大野愛果 徳永暁人 4thシングル 最高20位 売上1.3万枚
4 ひらり 夢一夜 三枝夕夏 川島だりあ 池田大介  
5 I'm in love 三枝夕夏 大野愛果 小澤正澄  
6 PASSIONATE WAVE 三枝夕夏 徳永暁人 小澤正澄  
7 Because I love you, good-bye street 三枝夕夏 徳永暁人 大賀好修  
8 居心地のいいハニー 三枝夕夏 大野愛果 小澤正澄  
9 It's for you〜Acoustic version〜
featuring Yoshinobu Ohga(guitar) from nothin' but love
三枝夕夏 川島だりあ 池田大介 2ndシングルC/W収録Ver.
10 Destiny Wind Blows〜Album version〜 三枝夕夏 三好誠 小澤正澄 6thシングルC/W
11 君の瞳の中はミステリー 三枝夕夏 徳永暁人 徳永暁人 4thシングルC/W
12 I can't see,I can't feel 三枝夕夏 小澤正澄 小澤正澄 5thシングル 最高36位 売上0.8万枚
13 I wish 三枝夕夏 間島和伸 小林哲  

リリースデータ

2003年10月29日 初登場19位 売上2.6万枚 Produced by KANONJI GIZA studio

db are:

Guitar 岩井勇一郎
Bass 大藪拓
Drums 車谷啓介

三枝夕夏 IN db1stアルバム。ミニアルバム『Secret & Lies』から9ヵ月ぶり。90年代前半のビーイングは10曲未満のミニアルバム形式のアルバムを通常アルバムとしてカウントしていたが、今作の場合は明確に1stとタイトルで銘打たれており、前作はミニアルバム、今作が1stアルバムとして扱われた。前作以降の3シングルとC/Wから2曲を収録。前作に収録済みの2ndシングル「It's for you」は同シングルC/Wに収録されていたAcoustic versionで収録された。シングル『君と約束した優しいあの場所まで』よりdbとして男性バンドメンバー3名が加入し、三枝夕夏 IN dbはソロプロジェクトから三枝夕夏と3人のdbメンバーによる4人組バンド編成へと変わった。今作においては「君と約束した優しいあの場所まで」「Destiny Wind Blows」以外の既出シングルは3人加入前のソロプロジェクト時の制作という事になるが特に区別はされていない。最初からスリーブケース仕様、フォトブック 「the place where I can be way I am〜私に帰れる場所〜」封入。このフォトブックには随所に三枝夕夏本人の直筆メッセージが掲載されている。

アニメ『名探偵コナン』OPに起用された「君と約束した優しいあの場所まで」がトップ10ヒットを記録。大きく売上を伸ばした中での発売となったが今作は順位こそ前作より1つ上げたもののトップ10は遥か遠く、売上は「君と約束した優しいあの場所まで」を下回るどころか前作すら下回るなど伸び悩んだ。

メンバー3人が加入したものの、3人のメンバーはブックレット最後のクレジットのバックに4人で演奏しているようなイメージ写真が1枚あるのみで顔はハッキリ写っていない。それ以外のジャケット、ブックレット、フォトブックの写真は全て三枝夕夏の単独の写真のみである。また形式上3人の演奏メンバーが正式メンバーとして表記された事でサポートメンバーはコーラスの表記のみとなった。「It's for you〜Acoustic version〜」は大賀好修のギターをフューチャーしているサブタイトルがあったためかそのままになっている。実際にはメンバー加入決定前のシングル曲もあり、小澤正澄や徳永暁人、大賀好修らアレンジャーがギターベースキーボード辺りの演奏をしている可能性が高いが不明である。

ライブ要員としてのバンド編成というのが実際のところで明らかにドラムの音が打ち込みの機械音っぽいものばかりで生のバンドサウンドには全く聞こえない。元PAMELAHの小澤正澄が過半数の編曲を担当した事もあって全体にアップテンポのデジロックっぽい勢いの曲が多くなり、『Secret & Lies』の作風とはだいぶ異なっている。アップテンポ多めで勢いがあるので、ライブで生演奏でやれば確かにバンドっぽくなりそうではある。小澤正澄の起用は正式にメンバー加入する1つ前のシングル「I can't see,I can't feel」から始まっているので、バンド形態にするから小澤正澄の起用が多くなったのではなく、小澤正澄のアレンジを気に入ってこの方向性を中心に進めていく流れでライブを想定してdbを固定のバンド編成にしようかという話になったかのような…。

デジロック系で勢いのある曲が増えたのと字余り詰め込みの歌詞の個性も徐々に出てきたので、それまでの軽めのサウンドに軽めのボーカルが乗っかる量産型GIZA的な作風から三枝夕夏独特の作風の香りは漂い始めた。アップテンポなデジロックで歌詞を詰め込んで歌うとボーカルに全く余裕がなくなり、機械のような棒歌唱っぽくなってしまい前作『Secret & Lies』に比べると魅力に欠けるというか『Secret & Lies』が妙に人気が高かったのはそういう部分なのかもしれないと思った。全くバンドっぽくないがオリエンタルな雰囲気漂う「ひらり 夢一夜」みたいな曲の方が明らかにボーカルが活きているように聞こえるし、進みたい(進ませたい?)方向と適性が少しズレていたようにも感じる。KANONJIのプロデュースワークとしてはここから新たな21世紀のZARDにしようという方針だったと思うんだけど…売り出し方にはかなり無理があったなと改めて思う。

B0000DJWSK

印象度★★★☆☆

2022.9.2更新

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