U-ka saegusa IN dbW〜クリスタルな季節に魅せられて〜
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | クリスタルな季節に魅せられて | 三枝夕夏 | 小澤正澄 | 小澤正澄 | |
2 | もう君をひとりにさせない | 三枝夕夏 | 大野愛果 | 小澤正澄 | 22ndシングル 最高59位 売上0.3万枚 |
3 | 雪どけのあの川の流れのように | 三枝夕夏 | 三枝夕夏 | 葉山たけし | 20thシングル 最高19位 売上1.2万枚 |
4 | 白のファンタジー | 三枝夕夏 | 大野愛果 | 池田大介 | JEWELRYへ歌詞提供 セルフカバー |
5 | 悲しい雨が降り続いても | 三枝夕夏 | 小澤正澄 | 小澤正澄 | |
6 | この世界に君がいるだけで | 三枝夕夏 | 大野愛果 | 小澤正澄 | |
7 | 夏の終りにあなたへの手紙書きとめています | 三枝夕夏 | 大野愛果 | 葉山たけし | 24thシングル 最高71位 売上0.2万枚 |
8 | precious memories | 三枝夕夏 | 小澤正澄 | 葉山たけし | |
9 | 誰もがきっと誰かのサンタクロース | 三枝夕夏 | 大野愛果 | 葉山たけし | 21stシングル 最高39位 売上0.3万枚 |
10 | ごめんね 今もまだ君を愛してるから | 三枝夕夏 | 大野愛果 | 葉山たけし | |
11 | いつも素顔の私でいたい | 三枝夕夏 | 大野愛果 | 葉山たけし | 23rdシングル 最高42位 売上0.3万枚 |
12 | ずっとずっと君の恋人でいたい | 三枝夕夏 | 小澤正澄 | 小澤正澄 |
リリースデータ
2009年11月25日 | 初登場33位 | 売上0.6万枚 | GIZA studio |
メンバー
Vocal&Chorus | 三枝夕夏 |
Guitar&Chorus | 岩井勇一郎 |
Bass&Manipulator | 大藪拓 |
Drums | 車谷啓介 |
三枝夕夏 IN db4thアルバム。ベスト盤から2年5ヶ月、オリジナルアルバムとしては3年2ヶ月ぶり。前作以降のシングルのうちベスト盤に収録された2シングル「太陽」「雲に乗って」は収録されず、ベスト盤以降最初の19th「明日は明日の風の中.....夢の中/新しい自分へ変わるスイッチ」も未収録。その次からの5シングルとJEWELRYへ歌詞提供していた「白のファンタジー」セルフカバーを収録。
10月20日に解散を発表。解散前のラストオリジナルアルバムとして発売されたがベスト盤での初のトップ10ヒット、最高売上から一転して今作はトップ30落ち、初の1万割れで最低位、最低売上を大きく更新してしまい、解散特需は発生しなかった。シングルもコナンタイアップの「雪どけのあの川の流れのように」でなんとか1万枚に乗せたものの、以降は数千枚の売上まで低迷し順位も急速に落とし、一気にトップ50落ちとなったかと思えば最後となった「夏の終りにあなたへの手紙書きとめています」は71位まで暴落した。
初回盤は「夏の終りにあなたへの手紙書きとめています」「いつも素顔の私でいたい」「誰もがきっと誰かのサンタクロース」MVを収録したDVD『THREE SPECIAL MOVIES〜U-ka's Cut〜』付属。スリーブケース仕様だが今回は別冊のフォトブック封入が無いため、1st〜3rdよりもスリーブが薄くなっている。また今作ではProduced byの表記が無くなり、長戸大幸の立場は1番最後にExecutive Producer:Daikoh Nagatoへと変わっている。またメンバーが加入した1stアルバム以降、あっても1,2枚程度と少ないながらも必ず男性メンバー3人の写真も掲載されていたが今作のジャケット、ブックレットには男性メンバー3人の姿が一切なく、全てが三枝夕夏単独写真となっている。
小澤正澄、大野愛果、葉山たけしのほぼ3人の作編曲で(+池田大介が1曲)で三枝夕夏の作曲が急に途絶えた。未収録になった「明日は明日の風の中.....夢の中/新しい自分へ変わるスイッチ」2曲含む「雪どけのあの川の流れのように」までは連続で三枝曲が採用されていたがそこから最後まで4作連続で大野愛果の専属起用に突如変わってしまった。C/Wでも最後の4作での三枝夕夏作曲は半分の2曲で今作に新たな自作が収録されなかったため23rdC/W「熱いシャワー浴びて」が時系列で最後に世に出た自作曲となった。何故ここに来て突如採用されなくなってしまったのか。少なくとも「いつも素顔の私でいたい」は6年前のストックと言われていた曲で大野曲はストックが多い(98年の「明日もし君が壊れても」(WANDS)と04年の「笑顔でいようよ」(三枝夕夏 IN db)と07年の「七つの海を渡る風のように」(愛内里菜&三枝夕夏)とが同時期の作曲)ので、解散が決まってストックしていた大野曲を一挙放出したため新たに自作する必要が無かったのか、引退を前にしてモチベーションが低下してもう自作でやる事が無くなってしまっていたのか。
解散を意識したわけではないという事で格段に最後っぽくはないんだけど、今までとは確実に装いが異なるのも確かで、今作は全体に落ち着いている。ライブを意識してアップテンポを多めにしていた前作までとは打って変わってバラードというほどゆったりはしていないがアップテンポというほどでもない中間くらいの曲が多いし、デシデシした寒いノリもかなり後退し、終始しっとり気味。ラストの「ずっとずっと君の恋人でいたい」では最後の最後でようやく特有のデシりはじけっぷりを見せてくれるもののこれもやはり前作までに比べると随分落ち着いたように思える。29歳という年齢を急に意識したわけではないだろうけどなんか急な引退といい30歳節目説はありそうでもある。葉山たけしの起用により、これまでよりも厚みのあるバンドっぽいサウンドにはなっているんだけど最後にしてブックレットからdbメンバーが排除されてしまっていて文字通りにバンドの顔が見えなくなってしまっているのも気になる。
今作最大の特徴はこれまでも随所で見られていたとはいえ長いタイトルがほぼ全体に渡って繰り広げられているという1点。曲名というよりもフレーズを切り取ったようなものも多く、歌謡曲やバラードのような曲名だと思ったら意外とテンポ感があったりタイトルから連想されるのと曲調が違うものも多い。しかし曲名が長い以外にはそこそこいい曲は並んでいるんだけどなんだかこうも一気に落ち着いてしまうとらしくないというか普通になってしまったというか。デシデシしたアイドルノリ、どうせなら最後まで全力で貫いて超個性的なまま終わってほしかったなと思いつつ、やはりちょっともうしんどいところもあったのかな…。前述のように当時の狭いGIZAコミュニティ界隈で筆頭格に叩かれ続けてネット上でかなり否定的な声が悪目立ちしている状態だったので、本人がうっかり目にして気にしてしまった可能性も無くは無いが、末期は目に見えて順位も売上もガタ落ちしていたのでモチベーションを保つのが厳しい状況ではあったかもしれない。
単にリリース時期がその季節だっただけかもしれないがラストシングルが(主題は失恋ソングながらも)夏の終りで、しばしば夏は青春や若き日に例えられる事も多いわけで、それが終わるという事は20代の若き日々の終わり、青春(の延長)であった音楽活動の区切りとも重なる。
印象度★★★☆☆
2022.10.14更新