トーキョー・シック
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 名義 | 備考 |
1 | トーキョー・シック | 佐野元春 | 佐野元春 | 前田憲男 | 佐野元春&雪村いづみ | 12/5/9配信シングル |
2 | もう憎しみはない | 佐野元春 | 佐野元春 | 前田憲男 | 佐野元春&雪村いづみ | |
3 | こんな素敵な日には | 佐野元春 | 佐野元春 | 前田憲男 | 佐野元春 | 6thシングル『彼女はデリケート』C/W リメイク |
4 | Bye Bye Handy Love | 佐野元春 | 佐野元春 | 前田憲男 | 佐野元春 | 4thシングル『SOMEDAY』C/W リメイク |
5 | トーキョー・シック(MONO) | 佐野元春 | 佐野元春 | 前田憲男 | 佐野元春&雪村いづみ | 12/5/9配信シングルC/W モノラル音源 |
6 | トーキョー・シック(LIVE) | 佐野元春 | 佐野元春 | 前田憲男 | 佐野元春&雪村いづみ | ライブ音源 |
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 備考 |
レコーディングセッション at アバコクリエイティブスタジオ 2012.4.18 | ||||
1 | 「もう憎しみはない」レコーディングドキュメント | 佐野元春 | 佐野元春 | |
2 | 「もう憎しみはない」ミュージッククリップ | 佐野元春 | 佐野元春 | |
3 | 「こんな素敵な日には」レコーディングドキュメント | 佐野元春 | 佐野元春 | |
4 | 「こんな素敵な日には」ミュージッククリップ | 佐野元春 | 佐野元春 | |
5 | 「Bye Bye Handy Love」ミュージッククリップ | 佐野元春 | 佐野元春 | |
6 | 「トーキョー・シック」レコーディングドキュメント | 佐野元春 | 佐野元春 | |
7 | 「トーキョー・シック」ミュージッククリップ | 佐野元春 | 佐野元春 | |
Live at Billboard Live TOKYO 2012.5.10 | ||||
8 | 「LOVE」 | Mikt Gabler 訳詞:漣健児 |
Bert Kaempfert | スタンダードカバー |
9 | 「トーキョー・シック」 | 佐野元春 | 佐野元春 | |
10 | 「恋人になって」 | Jon Hendricks 訳詞:井田誠一 |
Jon Hendricks | スタンダードカバー |
11 | 「ケ・セラ・セラ」 | Raymond B.Evans-Jay Livingston | スタンダードカバー |
リリースデータ
2014年2月12日 | 初登場44位 | 売上0.1万枚 | Produced by Moto'Lion'Sano | ビクター |
佐野元春&雪村いづみミニアルバム。2012年に活動60周年となる雪村いづみ(デビューは1953年なので厳密には59周年60年目)を迎えて配信シングル「トーキョー・シック」を2012年5月9日に発表。2012年3〜5月に東京・大阪のビルボードライブで開催していたマンスリー・ライブ「Smoke & Blue」の5月10日公演に雪村いづみがゲスト参加していた。当時はそれだけだったが実はもう1曲「もう憎しみはない」がレコーディングされており、さらに前田憲男のリアレンジで佐野元春単独での「こんな素敵な日には」「Bye Bye Handy Love」のリメイクもレコーディングされていた。今作は約2年ほど経過してから当時の未発売音源とドキュメント&ライブ映像をまとめたミニアルバムCD+DVDとして発売された。CDのみの発売は無い。佐野元春プロデュース作品でどちらかといえば雪村いづみをゲストで迎えたような形になっているが、佐野元春監修による『スーパー・シック 〜雪村いづみ オールタイム・ベストアルバム』がビクターから同時発売ということもあってか、佐野元春サイドではなく雪村いづみが作品をリリースした事があるビクターからの発売となっている。初登場44位を記録したが2週目300位圏外となり、ほぼ固定ファンの一部のみが発売週に購入するだけという普段よりも厳しい売上となった。
公式にも掲載されているように佐野元春の両親(90年代前半に相次いで2人とも亡くなっている)が恋人同士だった頃に新橋のダンスホールで踊っていてそこで10代の雪村いづみが専属歌手として唄っていた事もあって両親に捧げるアルバムともされており、ブックレットには佐野元春の両親の若き日の写真も掲載されている。
何故2年近くも遅れて商品化に至ったのかは分からないがレコード会社が違うので権利関係で時間がかかったのだろうか。レコーディング時点では雪村いづみは75歳、前田憲男は77歳(2018年没)、エンジニアの行方洋一は69歳(2022年没)、そして演奏を担当したビッグバンド前田憲男 with The Old Playboy All-starsも大ベテランばかり。当時の佐野元春は56歳だったがライナーノーツによればプロジェクトの取りまとめ役だったのにレコーディング現場では1番年下だったと書いている。レジェンド級の高齢者が揃って制作された今作だが昭和レトロを感じさせるジャズ歌謡のようなサウンドは豪勢で新鮮に聞こえる。また75歳の雪村いづみの歌唱にも圧倒される。
一方で佐野元春単独でのセルフカバー2曲はアレンジも歌唱もいいが、2人で歌っている2曲は曲自体はいいんだけどそもそも男女でキーが合わないところを雪村いづみに合わせているので佐野元春の低音地声歌唱がかなり微妙でどうにも2人の声が溶け合っていないように聞こえてしまい、デュエット歌唱としてはあまり合ってなかったのかもしれないとは思った。
DVDにはレコーディングドキュメント&ミュージッククリップが収録されているが全てレコーディング現場の映像で、ミュージッククリップ部分も単にレコーディング現場の映像に曲をダイジェストのように被せただけなのでフルサイズのミュージッククリップは「トーキョー・シック」のみ。前述のように映像は全部同じなので、レコーディング現場の雰囲気やメンバーの様子(歌う2人だけでなく前田憲男、行方洋一、The Old Playboy All-starsの面々も名前が表示されて映し出される。高齢者が多くこれを書いている時点で前田憲男は2018年、行方洋一は2022年に亡くなっているので貴重な映像になってきそうではある。
残り4曲のライブは佐野元春のビルボードライブに雪村いづみがゲスト出演した部分のみ収録。このツアー自体は映像化されておらず、この部分だけの貴重な映像となる。こちらは演奏はThe Hobo King Bandとクレジットされているが、Dr.kyOn、井上富雄、山本拓夫、古田たかしといった固定メンバーに加えてチェロの笠原あやのもメンバーに加わっていて、ギタリストは不在(佐橋佳幸がいない)という布陣。本編未収録のジャズスタンダードカバーと「トーキョー・シック」のライブ映像を堪能できるがやはり雪村いづみに合わせているので雪村いづみのボーカルが映える印象。
佐野元春としては自身でアレンジしていない上に演奏メンバーもエンジニアも異なるかなりイレギュラーな作品ではあるが、ベテランのビッグバンド編成による昭和レトロな世界観はきちんとは接した事が無いのでなかなか新鮮で良さも感じられた。
印象度★★★☆☆
2022.7.21更新