BACK TO THE STREET
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 夜のスウィンガー | 佐野元春 | 佐野元春 | 伊藤銀次 | |
2 | ビートでジャンプ | 佐野元春 | 佐野元春 | 伊藤銀次 | |
3 | 情けない週末 | 佐野元春 | 佐野元春 | 大村雅朗 | |
4 | Please Don't Tell Me A Lie | 佐野元春 | 佐野元春 | 伊藤銀次 | |
5 | グッドタイムス&バッドタイムス | 佐野元春 | 佐野元春 | 大村雅朗 | |
6 | アンジェリーナ | 佐野元春 | 佐野元春 | 大村雅朗 | 1stシングル 100位圏外 |
7 | さよならベイブ | 佐野元春 | 佐野元春 | 大村雅朗 | 1stシングルC/W |
8 | バッド・ガール | 佐野元春 | 佐野元春 | 大村雅朗 | |
9 | Back To The Street | 佐野元春 | 佐野元春 | 伊藤銀次 | |
10 | Do What You Like(勝手にしなよ) | 佐野元春 | 佐野元春 | 佐野元春 |
リリースデータ
1980年4月21日(LP) 1984年6月21日(CD) 1989年6月1日(CD) 1992年9月1日(リマスターCD) 2005年12月21日(紙ジャケリマスター) 2013年2月20日(Blue-spec CD 2) 2016年12月21日(限定LP) |
100位圏外 100位圏外 100位圏外 100位圏外 初登場242位 初登場245位 - |
- - - - 売上0.1万枚 売上0.04万枚 - |
PRODUCER:小坂洋二、佐藤文彦 | EPIC EPIC EPIC EPIC Sony Music Direct Sony Music Direct GREAT TRACKS |
佐野元春1stアルバム。80年3月21日にシングル「アンジェリーナ」でデビューして1ヶ月でのリリース。「アンジェリーナ」とB面「さよならベイブ」をそのまま収録。今作では自身で編曲までしたのは「Do What You Like(勝手にしなよ)」で伊藤銀次が4曲、大村雅朗が5曲の編曲を担当。当時はシングル、アルバム共に100位圏外で記録が残っていない。92年の再発盤にはRE-MASTERED:MISTUKAZU TANAKAの記載があり、帯にも"Re-Masterded"と記載してリマスターがアピールされていた。長らく92年盤が現行盤だったが、05年に紙ジャケリマスター仕様で発売され、2013年には05年リマスター音源を使用したBlu-spec CD2で再発され、単独発売では2013年Blue-spec CD 2盤が現行盤。2016年にはアナログ盤として復刻され、カッティングをバーニー・グランドマン、マスタリングを前田康二が手掛けた。
2021年のBOX『MOTOHARU SANO THE COMPLETE ALBUM COLLECTION 1980-2004』ではTed Jensenによるリマスターが施され、これが最新リマスターとなる。今回聞いたのは2021年BOX盤だが、2009年には1992年盤を聞いて当時あった「レビュー予備軍」コーナーに感想を掲載していた事がある。
フォークからニューミュージックが流行っている時代にサックスを生かしたポップなサウンドでもって都会に暮らす若者の姿を描いた世界観で日本語ロックの新たな可能性を切り開いた革新作…みたいなのが初期3作における佐野元春の一般的な評価のされ方となっているが、当時はO社記録が残っていないように知る人ぞ知る存在、一部関係者が盛り上がっている程度で大多数のリスナーが後追いだったと思われる。姿勢としてはロックなんだけど、楽曲自体は派手にエレキギターが鳴ったりはしないし、サックスやピアノがメインなのでポップで聞きやすい。ボーカルスタイルも歌唱力で押すタイプというわけではなく、むしろいきなりガラガラとした潰れ気味の声質でパッション溢れまくるがっつき気味のスタイルなので聞きやすいタイプのボーカリストではないが、溢れる熱量は確かで心に響くものがある。当時生まれてすらいなくて、佐野元春自体が4歳差の両親のちょうど真ん中くらいの年齢でこの時代の若者というのも親と同世代かやや下くらいなので(なお両親揃って佐野元春は名前知っているだけで全く聞いてなかったらしい)、どんなものだったのかの体感は当然無いが、何となく当時の都会の若者の姿が垣間見えるような、"都会的"という部分においてなんとなくそれっぽい感触は今でも感じられる。
シングル「アンジェリーナ」がやはり今作をリードする存在であり、サックスを生かしたポップなロックナンバーとして初期の佐野元春の代表的な方向性での1曲だが、今作で見せているもう1つの側面であるピアノバラードという軸においても「情けない週末」という代表的な1曲が既に生まれているのも特筆すべき点だろうか。
92年盤 2005年紙ジャケ盤 2013年Blu-spec CD2盤 2021年BOX盤
印象度★★★★☆
2021.7.27更新