Stones and Eggs

No タイトル 作詞 作曲 備考
1 GO4 佐野元春 佐野元春  
2 C'mon 佐野元春 佐野元春  
3 驚くに値しない No surprise at all 佐野元春 佐野元春 38thシングルC/W(リミックス)
4 君を失いそうさ I'm losing you 佐野元春 佐野元春  
5 メッセージ The Message 佐野元春 佐野元春  
6 だいじょうぶ、と彼女は言った Don't think twice it's over 佐野元春 佐野元春 38thシングル 最高53位 売上0.5万枚
7 エンジェル・フライ Angel fly 佐野元春 佐野元春  
8 石と卵 Stones and Eggs 佐野元春 佐野元春  
9 シーズンズ Seasons 佐野元春 佐野元春 猿岩石へ提供「昨日までの君を抱きしめて」改題セルフカバー
10 GO4 Impact 佐野元春 佐野元春 Kenji Furuya+BOTS for Steady & co.によるリミックス

リリースデータ

1999年8月25日
2016年3月23日(Blue-spec CD 2)
初登場12位
300位圏外
売上4.6万枚
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Produced by Moto'Lion'Sano EPIC
Sony Music Direct

佐野元春12thアルバム。前作から1年8ヶ月ぶり。1ヶ月前の先行シングル「だいじょうぶ、と彼女は言った」を収録。「驚くに値しない」はC/Wで先にリミックスバージョン「No surprise at all -驚くに値しない (Audio Active remixed version)」が収録されていて今作にオリジナルバージョンが収録された。98年に猿岩石へ提供した「昨日までの君を抱きしめて」は「シーズンズ」に改題し、一部フレーズを変更してのセルフカバー("大人に近づいていく"→"子供に近づいていく")。「GO4 Impact」はDragon Ashの降谷建志とBOTSによる「GO4」のリミックスバージョン(2人のプロデュースユニットだったSteady & co.としての参加)。

2009年に公式通販限定BOX『MOTOHARU SANO 1990-1999 Original Album Remastered』では90年代のオリジナルアルバムが初めてリマスターされていたが、2016年のBlu-spec CD2再発でようやく単独再発となった。2021年のBOX『MOTOHARU SANO THE COMPLETE ALBUM COLLECTION 1980-2004』ではTed Jensenによるリマスターが施され、これが最新リマスターとなる。今回聞いたのは2021年BOX盤。

20周年を前にアルバムを1枚作っておきたいという意向でセルフプロデュースで制作された。一応The Hobo King Bandも演奏メンバーとしてクレジットされているものの、ほとんどの演奏を自身で手掛けるかプログラミングしているとされていて、前作のようなバンドの一体感とは異なるソロ色の強い仕上がり。前作がThe Hobo King Bandで非常にまとまったロックアルバムだっただけに今作に関しては今一つまとまってないというか、言葉通りに20周年前に出しておきたいというのが前提にあってちょっと急造した感はある。Dragon Ashの大ブレイクでHIP HOPがチャートミュージックとして本格的に流行るようになったのを受けてか『VISITORS』で挑んで以来のラップも再度導入。この辺りは日本でラップを導入した先駆者としてのプライドもあったのかどうか分からないが、Dragon AshはHIP HOP界隈から出てきた人たちではなく元はロックバンドであり、ロックバンドがHIP HOPに傾倒した(そしてZEEBRAの真似をしすぎてディスられたのをきっかけにHIP HOP界隈と距離を置いた)という流れだったので、ロックミュージシャンがラップを導入したという点で佐野元春はDragon Ashの直系の先駆者とも言える(正直書いておいてあまりしっくり来ないが一応そういう事になるといえばなる)。わざわざそのDragon Ashの降谷建志とBOTSにリミックスを依頼したりもしているが…結局これ以上の接近も交流も特になかったのでやってみたものの継続する方向性では無かった。最初と最後に収録している事もあってHIP HOP的なアプローチにインパクトがあるもののシンプルな歌モノも今作には収録されていてむしろそっちの方がスタンダード感はある。

個人的には98年当時に猿岩石「昨日までの君を抱きしめて」をリアルタイムで購入して聞いていてその時の作詞作曲で見たのが佐野元春を知ったきっかけ。当時は名前を知っただけだが「SOMEDAY」という代表曲があるという知識は両親から聞いて把握したのが後に聞くきっかけになった。タイトルが思いっきり「シーズンズ」に変わっているので佐野元春がセルフカバーしていたのを長年把握していなかったが知ってたらもっと早く聞いていたかもしれない。猿岩石バージョンでは"大人に近づいていく不思議な気持ちさ"と歌っていた箇所を今作では"子供に近づいていく不思議な気持ちさ"と真逆の歌詞で歌っている。文脈的に大人に近づいていく方が自然に感じられ、子供に近づいていくという表現は一瞬どういうことか考えてしまうが童心に近づいていくという事か。猿岩石は98年当時24,5歳の若者だった。佐野は98年当時で42歳。24,5歳の若者が歌うポップソングとしては子供に近づくよりも普通に成長して大人に近づいていく方が自然だが、40歳を越えた佐野が歌う場合は童心に返っていく意味合いでの子供に近づいていくという表現に変わっているのかなと何となく思った。

B00002DDHK  B01B3IKE622016年リマスターBlue-spec CD 2盤 

印象度★★★☆☆

2022.1.11更新

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