TIME OUT!
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 備考 |
1 | ぼくは大人になった A Big Boy Now |
佐野元春 | 佐野元春 | 27thシングル(カット) 最高60位 売上0.7万枚 |
2 | クエスチョンズ Questions |
佐野元春 | 佐野元春 | |
3 | 君を待っている Waiting For You |
佐野元春 | 佐野元春 | |
4 | ジャスミンガール Jasmine Girl |
佐野元春 | 佐野元春 | 26thシングル 最高18位 売上2.9万枚 |
5 | サニーデイ One Sunny Day |
佐野元春 | 佐野元春 | |
6 | 夏の地球 Love Planets |
佐野元春 | 佐野元春 | |
7 | ビッグタイム Big Time |
佐野元春 | 佐野元春 | |
8 | 彼女が自由に踊るとき When She Danced |
佐野元春 | 佐野元春 | |
9 | 恋する男 A Man In Love |
佐野元春 | 佐野元春 | |
10 | ガンボ Happy Gumbo |
佐野元春 | 佐野元春 | |
11 | 空よりも高く Home |
佐野元春 | 佐野元春 | 26thシングルC/W(CD Single Version) |
Strings Arrangement:福井峻(3)
リリースデータ
1990年11月9日 2016年3月23日(Blue-spec CD 2) |
初登場3位 300位圏外 |
売上14.7万枚 - |
Produced by Moto'Lion'Sano&Colin Fairley Except Track 3 Produced by 吉野金次 |
EPIC Sony Music Direct |
メンバー
The Heartland | |
Vocal,Guitars,Organ,Harmonica | 佐野元春 |
Vocals,Drums,Percussions | 古田たかし |
Vocals,Bass | 小野田清文 |
Vocals,Guitars | 長田進 |
Vocals,Keyboards | 阿部吉剛 |
Tokyo Be-Bop | |
Saxphone | ダディ坂野 |
Trombone | ボーン助谷 |
Trumpet | 石垣三十郎 |
佐野元春7thアルバム。前々作に続いて佐野元春 with THE HEARTLAND名義。前作から1年5ヵ月ぶり。先行シングル「ジャスミンガール」とC/W「空よりも高く」を収録。「空よりも高く」はシングル時はCD Single Versionと題されていて今作では別ミックスとなっている。翌年4月に「ぼくは大人になった」がシングルカットされた。前作に続いてColin Fairleyを共同プロデューサーに迎えて制作されたが今回は現地ではなく日本でTHE HEARTLANDバンドメンバーの演奏で制作された。THE HEARTLANDメンバーは新たに長田進が加わった。西本明(11のみ)、里村美和(8のみ)はそれぞれ1曲ずつの参加に留まり、メンバーから外れてThanks to枠でクレジットされた。シングルがトップ20程度に留まるようになり、今作も3位を記録したものの前作は下回った。
今作以降は一気に再発機会が無くなり、長年オリジナル盤のみだった。2009年に公式通販限定BOX『MOTOHARU SANO 1990-1999 Original Album Remastered』では今作以降の90年代のオリジナルアルバムが初めてリマスターされていたが、2016年のBlu-spec CD2再発でようやく単独再発となった。2021年のBOX『MOTOHARU SANO THE COMPLETE ALBUM COLLECTION 1980-2004』ではTed Jensenによるリマスターが施され、これが最新リマスターとなる。今回聞いたのは2021年BOX盤。
再びTHE HEARTLANDとレコーディングをしつつもColin Fairleyを共同プロデューサーに迎えて制作された今作はデジタルサウンドに逆行してアナログ機材を使って行われたらしく、前作とは傾向の異なるまとまりのあるバンドサウンドを聞くことができる。このサウンド面はけっこう好みだ。音だけ聞いているとそんなに暗くはないが、この時期の佐野元春は混迷の時期に差し掛かっていたようでタイトルが『TIME OUT!』なのに加えて1曲目に「ガラスのジェネレーション」へのアンサーのような「ぼくは大人になった」を配置。"つまらない大人にはなりたくない"というフレーズが良くも悪くも代名詞的にもなっていたがデビュー10周年、既に30代半ばに差し掛かる中で初期のイメージとのズレが生じてきていたのかもしれない。続く「クエスチョンズ」ではかなりストレートに救いを求めているし、全てがそうではないが(むしろ何を歌っているのか良く分からない曲も多い)今作では内省的な部分が滲み出ている印象。加えて翌91年は父親の急死も重なって次の新作まではかなり時間がかかっていることからも混迷は思った以上に深かったのかもしれない。割とそういった迷い的な部分には個人的に共鳴することも多いので、評価が分かれそうなアルバムではあるが割と好印象な1作ではある。
印象度★★★★☆
2021.10.26更新