オレンジ色に乾杯(通常盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | オレンジ色 | 神野友亜 | 川島だりあ・Chris | 鶴澤夢人・長戸大幸 | |
2 | あの夏の恋は眩しくて | 神野友亜 | 山口篤 | 鶴澤夢人・長戸大幸 | 5/12 先行配信 |
3 | 夏の恋はいつもドラマティック | 坂井泉水 | 徳永暁人 | 徳永暁人・長戸大幸 | 7/22 先行配信 |
4 | これからの君に乾杯 | 坂井泉水 | 川島だりあ・Chris | 鶴澤夢人・長戸大幸 | 2ndシングル 最高6位 売上0.7万枚 |
5 | 少しずつ 少しずつ | 坂井泉水 | 大野愛果 | 鶴澤夢人・長戸大幸 | 1stシングル 最高15位 売上1.0万枚 |
6 | イチゴジャム | 神野友亜 | 大野愛果 | 鶴澤夢人・長戸大幸 | |
7 | 君には敵わない | 神野友亜 | 川島だりあ・Chris | 鶴澤夢人・長戸大幸 | |
8 | ブラックコーヒー | 神野友亜 | 大野愛果 | 鶴澤夢人・長戸大幸 | 3rdシングル 最高11位 売上0.5万枚 |
9 | 黒い薔薇 | 神野友亜 | 大野愛果 | 鶴澤夢人・長戸大幸 | |
10 | 夏の終わりに… | 神野友亜 | 徳永暁人 | 鶴澤夢人・長戸大幸 | |
《Bonus Track》(通常盤のみ) | |||||
11 | Blue tears | 神野友亜 | 花沢耕太 | 鶴澤夢人・長戸大幸 |
リリースデータ
2021年9月1日 | 初登場12位 | 売上0.6万枚 | Produced by 長戸大幸 | GIZA studio |
メンバー
Vocal | 神野友亜 |
Bass,Chorus | 杉岡泉美 |
Keyboard,Chorus | 坂本ひろ美 |
SARD UNDERGROUND1stアルバム。ZARDトリビュートバンドとしてZARDカバーのみのアルバムを2作リリースしていたが、2020年より並行してリリースしていたオリジナル曲のシングル3曲を収録した初のオリジナルアルバム。C/Wで発表していたZARDカバーも未収録で全曲がオリジナルとなる。坂井泉水の未発表詞を使った3曲以外は神野友亜が作詞を担当。当初7月に『夏の終わりに…』のタイトルでの発売を告知し、「あの夏の恋は眩しくて」を早速先行配信していたが5月27日に突如ギター赤坂美羽の体調不良による脱退&契約解除を発表。これを受けて発売が延期され、タイトルも改題された。同時期に運営を開始する予定だったファンクラブも同様に延期された。
初回盤Aは全10曲、「SARD
UNDERGROUND memory of 2019〜2021」収録DVD付。
初回盤Bは全10曲、「少しづつ
少しづつ」「これからの君に乾杯」「あの夏の恋は眩しくて」「夏の恋はいつもドラマティック」のMV収録DVD付。
通常盤はボーナストラック「Blue tears」追加収録、全11曲仕様。
通常盤の初回出荷含めて3種全てに「夏の恋はいつもドラマティック」坂井泉水直筆歌詞封入。
…のはずだったが、発売後に初回盤AとBのDVDの内容が入れ替わっているという重大ミスが発覚し、交換対応となった。これに伴い初回盤は一時回収となったのかAmazonでは初回盤2種のカタログが削除され通常盤のみとなり、10月になってカタログは復活したがAmazon在庫は切れたままでマーケットプレイス出品のみとなっている(他通販サイトでは初回盤も売られている。主要サブスクからAmazon Musicだけ外すなどB社とAmazonはあまり良好な関係ではないのか)。
急すぎる赤羽の謎脱退は脱退だけでなく契約解除とまでいちいち告知するなど不穏な部分も垣間見えたがあまり触れないのも不自然であるためか直前まで更新していたSNSでの本人コメントは無かったが、メンバー3人のコメント発表、そして今作インタビューにおいても改めて脱退を知らされた時の心境を語るなどしてタブーとはしていない。またSpecial Thanksの筆頭にMiyuu Akabaneとクレジットしており完全に無かったことにはしていない。今作と前後して公開された楽曲のMVでは「あの夏の恋は眩しくて」「夏の恋はいつもドラマティック」では赤羽がいたはずの右側を不自然に映さずギターのサポートを置かずにドラムサポートのみの編成、それ以外はギターのサポートを入れて3人+ドラム&ギターサポートでの5人編成(神野の左にいた坂本を右に移動させ神野を中央にしたメンバー3人を前に、サポート2人をその背後に配置)となっているので、全部作り直したわけではなく既に撮影済みで編集でどうにかしたものと脱退後に撮影したものがあるようだ。またシングル「ブラックコーヒー」は赤羽在籍時最終作品となるが、赤羽在籍時はティザー映像しか公開していなかったので今作と合わせて新たに3人+サポート2人編成で撮影した模様。
シングル「ブラックコーヒー」では初めて演奏ミュージシャンのクレジット表記もされていたが今作では再度コーラス参加者のみの表記となり、楽器演奏のサポートミュージシャンの表記はされていない。恐らくメンバーは演奏しておらず赤羽の参加パートを収録し直したというのもギターのことではなくコーラスのみと思われる。既出シングルのコーラスまで消しているとも思えず、メンバー全員が集合した写真もほとんどないことから赤羽脱退で作り直す部分は音源自体にはほとんどなかったのではないか。写真と既に撮影済みのMVを編集して消す以外にほとんどなかったのではないかとも思えるが…。
全体にZARDを踏襲した爽やかなポップロックを中心にバラードやロック系でもバランスを取って飽きさせずに、イメージ通りな感じの1作。王道のZARDっぽい曲が並んでいてZARDサウンドを現代に継承している感は確かにあるし十分にいいアルバムではあると思う。ただここまで急成長を見せたボーカル以外にもうあまり伸びるところが残っていないような気もする。というのも率直にフレッシュなメンバーに対して作曲者がメンバーとは20歳以上年の離れたZARD現役当時フレッシュだった大ベテランばかりで近い世代どころか一回り上すらいない。アレンジャーに至っては鶴長コンビ一辺倒で1曲だけ徳長コンビになっているだけ。最初期のファミコンアレンジは脱してそれなりの厚みのあるZARD風アレンジは施されているものの全体に軽さは否めず現代版というよりライトZARDって感じ。さほど素晴らしいアレンジャーとも思えず、葉山たけしが参加しようものならリスナーも一斉に葉山支持に回りそうなものだが、長戸Pがここまで鶴澤夢人に一直線に御執心なのはかなり謎だ。そして大野・徳永・川島の曲を聞いて育った作家が彼らの精神を受け継いでとかそういうのが全くなくて、30〜20年以上前からいる大ベテラン作家だけというのはけっこうな異常事態だ。この流れだと花沢耕太(Chicago Poodle)が若手に見えるがなんだかんだメジャーデビューから10年以上経過していて40歳を越えている。ZARDの精神を継承していくのに当時の作家陣は確かに必要ではあるだろうけど、メンバーが作編曲に挑む気配が全く無い以上はZARDに関わった当時の大野・徳永・川島がそうだったように20代30代新世代の作家も発掘してちゃんと継承していかないと、結局40代50代になった彼らが30〜20年前の方向性にもう1度挑むみたいな感じになってて、このままでは全盛期ZARDの劣化コピーみたいな曲しか生まれないし、SARDとして新しいものは生まれにくいと思う。次々と当時のレジェンド作家陣が登場するならそれはそれで熱いんだけど、3人+山口篤だけって。このまま作家固定は現時点での期待通りの曲は生まれ続けはするだろうけど、それだけでいいのか、ただでさえZARDを背負った以上はイメージ変えるの難しいのにちょっと厳しいんじゃないかと思う。そこまで長く続けさせるつもりもないのかもしれないが、ZARDコピーから始まったメンバーが成長してZARDの魂を継承して新たな作品を生み出していく…そういう伸びは見たいよな…。
長戸Pが坂井泉水不在の中であの頃のメンツで今集められる人たちだけでZARDっぽい新しい作品を作りたいという意向が強いのかなぁ…(正直もう今のPは当時の慧眼は無くなってて個人的な感情だけでジャッジしている感じ)。
印象度★★★★☆
2021.9.25更新