まぐれ
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | ツキ | 高井良斉 | 高見沢俊彦 | 松浦晃久 | 2ndシングル 最高4位 売上41.4万枚 |
2 | 少年の羽根 | 高井良斉 | 高橋研 | 亀田誠治 | 6thシングル『Christmas』C/W(カット) |
3 | 君の青空 Album Version | 高井良斉 | 宮崎歩 | CMJK | 4thシングル 最高5位 売上13.0万枚 |
4 | 淋しさに教えられて | 高井良斉 | 住吉中 | 川島裕二バナナ | 森脇ソロ |
5 | 声が聴こえる | 高井良斉 | 後藤次利 | 亀田誠治 | 4thシングルC/W |
6 | オエオエオ! RE-MIX | 高井良斉 | Bro.KORN | CHOKKAKU RE-MIX:SHIGE |
5thシングル(同時発売) リミックス |
7 | コンビニ | 高井良斉 | 兼本一也 | CMJK | 3rdシングル 最高6位 売上19.8万枚 |
8 | もう いない | 高井良斉 | 兼本一也 | 亀田誠治 | |
9 | 夜明けまでもうすぐ・・・ | 高井良斉 | 兼本一也 | 武沢豊 | 有吉ソロ |
10 | 白い雲のように | 藤井フミヤ | 藤井尚之 | 松浦晃久 | 1stシングル 最高3位 売上113.1万枚 |
リリースデータ
1996年9月3日 | 初登場2位 | 売上23.6万枚 | Produced by 秋元康 | 日本コロムビア |
メンバー
有吉弘行 |
森脇和成 |
猿岩石1stアルバム。シングル「オエオエオ!」と同時発売。結果的には唯一のオリジナルアルバムとなった。1996年4月より日テレ系『進め!電波少年』のユーラシア大陸横断ヒッチハイク企画で半年間ヒッチハイク旅を行い番組以上に企画自体が大人気となり、ゴールの時はゴールデンで特番が放送されるほどの大フィーバーとなった。帰国後もアイドル的な人気が過熱する中で何故か秋元康プロデュースで1996年12月に「白い雲のように」で歌手デビュー。これがロングランとなってチャートを駆け上がりミリオンヒットを記録。以後、立て続けにトップ10ヒットを連発して今作が発売された。同発のシングル「オエオエオ!」は今作にはリミックスバージョンで収録された。また「君の青空」はシングルではwith バーサスとして後輩女性芸人コンビのバーサスがコーラス参加していたがAlbum Versionとしてリアレンジ、歌い直されており、バーサスは参加していない。「少年の羽根」はこの次のシングル「Christmas」C/Wとしてシングルカットされた。スリーブケース仕様、フォトブック付属。ここまでの成功をそのまま「まぐれ」としてタイトルがつけられているが、この時点で既に出すたびに売上が激減していくというブームが去っていく状態にあり、初登場2位を記録したものの、「コンビニ」の売上を上回る程度となった。また同時発売とはいえ今作のリミックスとは違うオリジナルアレンジであるシングル「オエオエオ!」に至ってはいきなり27位にまで低迷した。以後シングル含めてトップ10ヒットは無く、今作が最後のトップ10ヒット作となった。
プロデューサーとしてはYASUSHI AKIMOTOと表記されているが、何故か秋元康は猿岩石での作詞においてペンネーム"高井良斉"を一貫して使用し続けた。秋元康の妻である高井麻巳子は良妻をもじってこのペンネームにしたというのが定説になっているが真偽は不明で、何故猿岩石で一貫して使用し続けていたのかも不明(プロデュースでは普通に名前出してるし…)。提供曲も基本的に作曲のみで提供を受けていたが「白い雲のように」のみF-BLOOD(藤井兄弟)の作詞作曲コンビでの提供となっており、今作以降でも作詞込みの提供もあって全作詞を徹底していたわけではない。
J-POP王道、ど真ん中なフォークロック系のヒットチューンが並んでいて素直に歌い上げる2人の歌声もドスレート。お笑いらしいおふざけは一切無しの大マジのポップスアルバム。付属の写真集でもほとんど笑顔すら無く、カッコよくキメていて芸人っぽさは皆無。ボーカル面では引っ張っているのは森脇の方で、おいしい部分のソロパートや2人で歌っている部分でも7,8割は森脇の声が強めで有吉はコーラスに近い存在感になっているが、有吉にもソロパートはあり、特段に下手というほどでもなく、普通に聞ける。森脇ソロの「淋しさに教えられて」が歌唱力を生かすバラードなのはいいとして有吉のソロ「夜明けまでもうすぐ…」も線の細い歌声で森脇とは違う魅力を打ち出しながらもバラードで勝負、その前の「もう いない」もバラードで1番森脇、2番有吉のソロという構成で何故かバラードで2人のボーカルを押し出しまくり、バーサスのコーラスを省いた「君の青空」のリメイクでは代わりに2人でハモるほどで歌唱勝負で真っ当にいい曲の連発である。芸人がマジで歌に挑んでみましたっていうレベルでなく、ほぼ本業の勢い。
ただせっかくいいアルバムなのにアルバムのど真ん中に思いっきりリミックス曲が入っているのは残念。今作は基本的にスタジオミュージシャンによる生バンド中心なので、ど真ん中に打ち込みのリミックスが入っていると浮きまくりで最後にボーナストラックで入っているならまだしも何故こんな中央に入れたのか。その次がR&B風味の打ち込みアレンジによる「コンビニ」なのである程度は中和されていて「コンビニ」へ繋ぐためだったのだろうか。
発売当時はそこまで気にしていなかったが、椎名林檎と出会う前でまだあまり知られていなかった頃の亀田誠治は参加してるわ、安全地帯を脱退していた武沢豊が参加しているわ(編曲は1曲だが是永巧一、今剛と共に多くの曲でギターを担当)、「ツキ」はギター武沢豊、是永巧一のドラム小田原豊、ベースは伊藤広規で作曲はTHE ALFEE高見沢俊彦と無駄に豪華だし(安全地帯とREBECCAとTHE ALFEEって)、F-BLOOD、高見沢俊彦、Bro.KORN、未収録だが『コンビニ』C/W「バイト最後の日」は広瀬香美だわで90年代らしい人件費のかけっぷりで、名作に仕上がって当然だった。
印象度★★★★☆
2022.11.11修正