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リリースデータ

メンバー

SCANDAL初のEP。フルアルバム『LUMINOUS』から1年ぶり。12月24日に発売が告知されるも詳細は不明で、30日に元旦より3ヶ月連続配信を発表。この時点で既に3曲の曲名が発表されていた。1月25日になって今作の収録内容が発表され、3ヶ月連続配信の3曲がそのまま収録される事ともう1曲がカバー曲である事が正式に判明した。初出の新曲無し、自作曲無しとなった。提供メインの時期でも3rdアルバム以降最低1曲は自作曲があったため、カバーアルバムを除いて提供曲のみなのは2ndアルバム以来となる。

初回盤はライブBlu-ray『SCANDAL TOUR 2024 ”LUMINOUS” ＠Zepp Haneda』付属。
通常盤はCDのみ。

曲ごとのクレジットでは「Terra Boy」のみ全員にVocal表記があり、実際4人全員に単独歌唱パートがある。残り3曲はHARUNAのみVocal表記で、MAMIとTOMOMIはChorus表記、RINAは演奏のみでボーカルコーラス参加なしとなる。

前作でMAMIがスランプに陥ったと語っており、実際これまで圧倒していたMAMIの作曲が激減し、3人がカバーしきれずに一部提供曲が戻っていた。今作では最初期の作家陣である田中秀典、田鹿ゆういちが久々に登場、近年はフルアルバムで1,2曲程度の参加になっていた川口圭太が4曲中3曲も参加。さらにカバー曲「Oh,Pretty Woman」は"SCANDALが結成初期に初めてカバーした楽曲"と紹介されていて初期に回帰したような制作体制となった。割とテンポ良くフルアルバムを出し続けていたのがEPになってしまってそれも全部提供とは自作スランプが長期化してしまったのか心配になるが、今作のインタビューにおいてもスランプは公表しており、ここで原点回帰を狙って初期の作家に改めてお願いしたと語られている。ただ初期でも田中秀典、田鹿ゆういちの曲で作詞まで完全提供になってしまうのは原点回帰どころか初じゃないのか…？(ソロシンガーやバンドメンバーによる作詞作曲セットでの提供はあったが、この2人の作曲では共作詞か自作詞にしていた)。なお「Oh,Pretty Woman」は"当時の私たちにはすごく難しくて、ワンコーラスくらいだけコピーしたら、すぐ別の曲に行っちゃった"と語られており、確かに最初にコピーしようとした曲ではあったようだが、最後まで弾けるようになった曲ではないらしい事が明かされている。

田中秀典と田鹿ゆういちが久々の提供依頼に感激したのか、かなり気合の入った過去を踏まえつつ今のSCANDALを踏まえた力作を用意してきたような印象。なるほどこれはいきなりEPではなく3ヶ月連続で配信して形式上は3曲ともシングルとして扱おうとしたのも分かる。SNS受けも狙ったようなキャッチーな「Terra Boy」、ブラスも入って華やかな「どうかしてるって」、改めてこれまでを振り返るような視点で聞かせる「Soundly」と3曲3様でどれも良い。デジタルな部分もあるが、近年の自作よりはしっかりガツンとロックバンドしていて正直最近の自作曲よりいいし、すっかり聞かなくなってしまったあの頃のリスナーが久々に聞いたらメンバーの言う"原点回帰とアップデート"感も分かるんじゃないだろうか。「Oh,Pretty Woman」ってタイトルだけじゃピンと来なかったけど超有名な絶対どこかで聞いた事あるあの曲か(1990年に同名の映画『プリティ・ウーマン』主題歌でリバイバルヒットしているのでこれの影響で90年代によく流れていて知らない間に知っている曲になっていたのかも)。

ただスランプが続いていてこうなったのに加えて、"ギネス世界記録に向けてやり切った気持ちがあった"とか次は2026年の20周年だとか相変わらず"継続"が最大の目標になっちゃっているっぽいのは気になる。MAMI1強の制作体制で結果としてついてくるものであるはずの活動継続を記録として目指してしまっているところにどうしても無理が生じてしまっている気はする。

初回盤Blu-ray付　　通常盤　

印象度★★★★☆

2025.4.5更新

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