MIRROR(初回盤A)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | MIRROR | RINA | MAMI | MAMI | |
2 | eternal | RINA | MAMI | シライシ紗トリ | 25thシングル 最高17位 売上0.4万枚 |
3 | 愛にならなかったのさ | MAMI | MAMI | 宗本康兵,SCANDAL | 1/12先行配信 |
4 | 彼女はWave | RINA | RINA | RINA | |
5 | 愛の正体 | TOMOMI | TOMOMI | シライシ紗トリ | |
6 | アイボリー | MAMI | MAMI | SCANDAL,宗本康兵 | 26thシングル 最高14位 売上0.3万枚 |
7 | 夕暮れ、溶ける | HARUNA | HARUNA | 西川響 | |
8 | 蒼の鳴る夜の隙間で | RINA | RINA | 西川響 | |
9 | プリズム | RINA | TOMOMI | 宗本康兵,SCANDAL | |
10 | one more time | RINA | MAMI | SCANDAL,橋本雄太 | 27thシングル 最高17位 売上0.3万枚 |
Bonus Track(CDのみ、配信版未収録) | |||||
11 | Living in the city | TOMOMI | TOMOMI | TOMOMI,Shun Maruno | 4th配信シングル 初CD化 |
12 | SPICE | RINA | MAMI | 川口圭太 | 5th配信シングル 初CD化 |
Sound Produce:シライシ紗トリ(2,5)、大平太一(6)
Background Vocal Arrangement:Danny Madden(5)
初回盤DVD
ドキュメンタリームービー『”her” Diary 2021』
リリースデータ
2022年1月26日 | 初登場5位 | 売上1.2万枚 | ビクター(her) |
メンバー
Vocal&Guitar | HARUNA |
Guitar&Vocal | MAMI |
Bass&Vocal | TOMOMI |
Drums&Vocal | RINA |
SCANDAL10thアルバム。前作から1年11ヶ月ぶり。2021年になってからの3シングルは紙ケース仕様でTシャツ付、CDのみに加えてカセット、アナログでもリリースしていたがそれら3曲は本編に収録された。前作以降2020年に配信でリリースした2曲はCD限定のボーナストラックとして収録、配信版には未収録(当時のまま単曲では配信されている)。1月12日に「愛にならなかったのさ」が先行配信。前作から順位は変わらないが初動は1万割れ、累計で1万をなんとか越える程度となり、ベスト盤『SCANDAL』以降出すたびにほぼ1万前後ずつ下がっていく状態に歯止めがかかっていない事態となった。
完全生産限定盤は前作収録曲「月」とシングル5曲と愛にならなかったのさ」のMVを収録したDVD『MUISC
VIDEO CLIPS』、グッズ『MIRRORロングスリーブTシャツ(Lサイズ)』付属の豪華BOX仕様。
初回盤Aは2021年のドキュメンタリームービー『”her”
Diary 2021』を収録したDVD付。
初回盤Bは雑誌『"her"
Magazine Vol.3』付属。
通常盤はCDのみ。4種全て前作を踏襲した内容となっている。
今作ではこれまで1人突き抜けていたMAMI以外の楽曲も増え、特に編曲はMAMI単独名義が1曲にまで激減。バンド名義での編曲参加が4曲に増えたがアレンジャー単独も増えているので今回はアレンジャーに任せた部分も多そうだ。作詞作曲は全員が1曲以上は行っていて、今回は全員がメインボーカルも担当。HARUNA以外のメインボーカル曲は「彼女はWave」はRINA完全単独ボーカル(3人はコーラス参加もなし)、「愛の正体」はTOMOMIメインボーカル&MAMIコーラス、「アイボリー」はMAMIメインボーカル&HARUNA,TOMOMIコーラス。「Living in the city」はTOMOMI単独ボーカル(曲最後に通話の音声コラージュがあり3人はVoice扱い)。この曲に関してはMAMIのエレキギター以外にメンバーの演奏参加が無くShun Marunoによる打ち込みで構成されている。
大きく方向性が変わって今作は非常に落ち着いた作風。SCANDALらしいガツンとしたロックナンバーはまさかの本編皆無で、かろうじてCD限定ボーナストラックである「SPICE」だけが川口圭太をアレンジャーに招いた初期からの王道的なロックナンバーとなっている。今作は「SPICE」も含めて基本的に全曲が新コロ騒動以降の発表作ではあるが、長引くこの状況、特にライブで盛り上げる曲が現状必要とされない事もあって(声出して盛り上がれないので)、これまでライブを意識して作っていたロックナンバーを作るモードではなくなった、必然的に聞かせる曲重視になったという事のようだ。また2021年で全員が30代になり、これからに向けて押せ押せのロックなだけじゃない新たなる方向性というのも見据えてはいたと思われるが、本来ここまでいきなりやるつもりではなかったのをこの状況もあって一気にそっちに振り切った感じでもあるのかなと。
そんなわけでSCANDALではあまり想定していなかったような落ち着いたオシャレな感じの曲とかもあってなかなか新鮮。もう10枚もアルバム出しているのともう30代になったのでこういうSCANDALもありだなと自然に思えた。一方でただでさえバンドサウンド自体が時代遅れのように扱われていて打ち込みの使用頻度が増しているのにますます打ち込みの多用や、一応生ドラムでも機械的な軽い響きに処理する傾向が強くなってバンドっぽさが薄れてしまっているところは気になる。まだかろうじてバンドの体裁は保っているものの、特にRINAとTOMOMIのメインボーカル曲はバンドを前提としている形跡が無く、さらにこの傾向が続くとバンドである必要が無くなってきてしまうところまで行くのではないかという懸念はある。
MAMI一辺倒に傾いた制作体制から今作では3人も積極的に曲作り&メインボーカルも担当しているが案の定各自の作風がバラバラ。RINAは今回初めてDTMで全部作ったと語っているようにMAMIが早くに達してほぼ一手に手掛けていた編曲の段階に他の3人はなかなか達していないという制作能力においてかなりの差が生じていたのもあって、自作以降もある程度MAMIとアレンジャーによって極端に変わる事は無かったんだけど、全員が作曲、そして編曲まで知識をつけてくるとそうもいかない。ソロボーカル曲はイレギュラーなつもりであえて異なる作風で作っているんだろうけど、全員が積極的に曲作りをしてこういう方向性でやりたいとなっていった時に幅を広げるのかまとまらなくなるのかはまだ未知数な感じがする。
『HELLO WORLD』を最後に初回盤購入を辞めてレンタルに回していたが(さらにそれ以前の作品も全て売却)、レンタル追放&レンタル見切りにより、サブスク送りにするか購入かの2択となった中で今回久々に初回盤AでのCD購入となったのでDVDも見た。このドキュメントはメンバーが4人でアルバム制作を振り返るトークをしながらずっと撮影していた制作ドキュメント映像を流すという内容。買っていた頃はスタッフとの内輪受け悪ノリが目立つ特典映像も多かったが随分と落ち着いたものだ…。50分以上かなり淡々と進むので地味な内容ではあるが、今作についてしっかり語られているので今作を深く楽しむにはいい内容だと思う。
完全生産限定盤DVD付 初回盤A(DVD付) 初回盤B(雑誌付) 通常盤
印象度★★★★☆
2022.2.20更新