Tree

No タイトル 作詞 作曲 備考
1 the bell     インスト(鐘の音)
2 炎と森のカーニバル Fukase Fukase 6thシングル 最高2位 売上11.5万枚
3 スノーマジックファンタジー Fukase Nakajin 5thシングル 最高1位 売上14.0万枚
4 ムーンライトステーション Fukase Fukase  
5 アースチャイルド Saori Nakajin 4thシングルC/W
6 マーメイドラプソディー Saori Nakajin  
7 ピエロ Fukase Nakajin,Fukase 6thシングルC/W
8 銀河街の悪夢 Fukase Nakajin 5thシングルC/W
9 Death Disco Fukase Nakajin,Fukase 配信限定シングル 初CD化
10 broken bone Fukase Fukase 配信限定(4thシングルにDLコード封入) 初CD化
11 PLAY Saori Saori  
12 RPG Saori,Fukase Fukase 4thシングル 最高2位 売上15.5万枚
13 Dragon Night Fukase Fukase 7thシングル 最高4位 売上13.5万枚

編曲:SEKAI NO OWARI,CHRYSANTHEMUM BRIDGE(1〜12)、SEKAI NO OWARI,Nicky Romeo(13)
Brassband Arranged:福田洋介(2,7)

リリースデータ

2015年1月14日 初登場1位 売上50.1万枚 TOY'S FACTORY

メンバー

Leader,SoundProduce,Gt Nakajin
Conceptor,Vocal Fukase
ShowProduce,Pf Saori
SoundSelector,DJ DJ LOVE

SEKAI NO OWARI2ndアルバム。前作から2年半ぶり。リミックス、リアレンジ、カバー以外の前作以降にリリースされたオリジナル楽曲は全て収録されている。「Death Disco」「broken bone」は初CD化。「the bell」は導入インスト作品のため、新曲は3曲となる。このうち「PLAY」はSaoriが初めて単独で作詞作曲を行っていてBメロ部分ではボーカルも担当している。シングルでは「スノーマジックファンタジー」で、アルバムでは今作で初の1位を獲得。前作の累計売上を初動だけで突破した。初回盤は2014年4月29日にさいたまスーパーアリーナで行われたライブの模様を19曲収録したライブDVD付。

ブレずに貫いたファンタジックな世界観がオンリーワンな域に達したポップな作品集。90年代の若者にとって『Tree』はCHAGE&ASKAだったが、2010年代の若者にとって『Tree』はSEKAI NO OWARIになったんじゃないだろうか。「RPG」がクレヨンしんちゃんタイアップだった事もあって子供たち向けの毒を押さえたポップソング路線を基本的には推し進めた感じで、ダークな楽曲は「銀河街の悪夢」や「Death Disco」など一部に出てくるのみとなった。また前作ではバンドサウンドを打ち込みで行っていたが、今作ではバンドっぽさは皆無。当初から彼らはライブでもドラムやベースをサポートでも入れる気が無いらしく、そのまま音源を流していたようなので、そんな事ならバンドっぽいサウンドに留まる必要もないわけで前作で最も感じた違和感がそれだったんだけど、最早バンドサウンドでは無い打ち込み全開の作風になった事で違和感が無くなった。むしろ打ち込みでしか出来ないようなサウンドにしたことでファンタジックさが増したし、曲によっては高校の吹奏楽部を入れたり、日本の伝統楽器を入れたりとスパイス的に生の音を入れることでサウンドの幅を拡大。決してマニアックにはならずにあくまでポップである点も意図的なのかあまり他所からの影響を受けずに自分たちの箱の中ででやっているからなのかは分からないが、ヒットアルバムとして申し分なし。2010年代のヒット作として記憶されるべきドラゲナイ1作だと思う(使い方が分からない)。ただ気になったのは声加工しすぎ。なんかポップなメロディー書いてるのに肝心のボーカルが機械通した感じが延々続くので抜けが悪く聞こえてしまう。照れ隠しなのか何なのか分からないけど、ポップなメロディーに非常に合ったポップな歌声をしていると思うのでもっと普通に前に出せばいいのに。

なお実際に聞けば分かるがCD音源においては決してドラゲナイとは歌っていナイ。どう聞いても「ドラゴナイ」、せいぜい「ダーゴナイ」がいいところで、いずれにせよかなりハッキリと「ゴ」と言っているので、「ゲ」には空耳不可能。あの独特のパフォーマンスを見て馬鹿にする意味合いで「ドラゲナイ」は広まったものと思われる。だがFukaseは無視も怒りもせず、使い方が分からないといいながらドラゲナイ!とTwitterでコメントし、歌番組でわざわざ「ドラゲナイ」に聞こえるように歌うなど馬鹿にしていた奴らを黙らせるのに最も有効な手段を用いた。いきなり自分たちでライブハウスを作り、共同生活を送るといった特異な活動起点もあって自分たちは他とは違うという発売当時29歳にはあまり思えない一見思春期特有の症状にも思える自信過剰にも取れそうな発言も目立つ彼らだけに、糞真面目に不快感を示したり、反論したりすれば思う壺だし、かといって無視を貫くのも我慢ならない…だったらどうすればいいかということを経験上分かっていたのかもしれない。以降連発していない事からも本心ではどうだったのか分からないけどFukaseがドラゲナイした事で、小馬鹿にするネタから公式なお遊びネタになり、言葉の意味合いが確実に変わった。ひたすらブレずに独自の世界観を構築し続けるのは相当な強さであり、それが1つの魅力なのかもしれない。

B00PA28PUA初回盤DVD付  B00PA2C9OI通常盤 

印象度★★★★☆

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