shiina

リリースデータ

shiina1stアルバム。結果的に唯一のアルバム。女優としても活躍していた椎名法子の歌手名義での作品。99年に椎名法子名義でデビューし、4枚シングルを出していたが、5thシングルからshiina名義へ変更した。4thシングルでは当時勢いがあったつんくプロデュースでもパッとしない結果になっていたが、改名した途端にロングヒットを記録し、最大のヒット作となった。だがその勢いは続かず、何とかアルバムにこぎつけたものの、満足いくセールスではなかったのか契約終了になったようで今作以降音沙汰が無くなった。shiina名義以降のシングルを収録しているため、椎名法子時代の4枚のシングルからはデビュー作をボーカル新録音で収録したのみとなっている。これ以外のアルバム作品が無いためシングル3作は全てアルバム未収録のままとなる。またこの3シングルはいずれもデビュー作よりはヒットしており、特に2nd「椅子」はCMタイアップもあって1万を越える売上を記録していた。本人は歌手活動に思い入れがあったようで09年になって作詞作曲を自身で手掛けたシングルを1作だけリリースしている。

椎名法子自体がアイドルなのか女優なのかよく分からない立ち位置で（位置づけ的にはアイドル女優だったのか）、ドラマにもけっこう出ていたのだがその他大勢的な脇役ばかりだった。認知度もそこまで高い存在ではなかったと記憶している。当時の年齢は19歳。発売から4ヵ月後に20歳を迎える時期でラストの「ハ・タ・チ」はそこへ向けての思いを綴った1曲である。10代のまっすぐで明るいガールポップな作風が中心となっていて聞きやすいが、何と言っても「大きなあなた 小さなわたし」が名曲すぎた。まさにガールポップの教本のような勢いのある奇跡の名曲であり、1度耳にしただけで引き込まれるポップなメロディー、高音まで伸びていくshiinaの歌声も合わせて最強すぎる1曲である。PVでのshiinaも物凄くかわいくて人生最高のオーラを放っていた。ただこの曲が凄すぎるゆえに他の曲もそれなりにいいにも関わらずほとんど印象に残らない。同じ制作陣で挑んだ「恋の風船」でも同じような線を狙おうとしているがまぐれ当たりだったのか、狙って書けるようなものではなかったのか2番煎じにもなっていない。ガールポップなアルバムとしてはまあ普通な作品ではあるが（唯一「smile」がhitomiの曲をインスパイアしすぎなのは気になるところだが…。作家の名前も小室哲哉のインスパイア全開だし…）、「大きなあなた 小さなわたし」この1曲のためだけでも聞く価値があるし、今後も輝き続けると思う。

印象度★★★☆☆

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