SHISHAMO 4
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 好き好き! | 宮崎朝子 | 宮崎朝子 | SHISHAMO | |
2 | すれちがいのデート | 宮崎朝子 | 宮崎朝子 | SHISHAMO | |
3 | 恋に落ちる音が聞こえたら | 宮崎朝子 | 宮崎朝子 | SHISHAMO | 5thシングルC/W |
4 | 終わり | 宮崎朝子 | 宮崎朝子 | SHISHAMO | |
5 | 恋 | 宮崎朝子 | 宮崎朝子 | SHISHAMO | |
6 | 音楽室は秘密基地 | 宮崎朝子 | 宮崎朝子 | SHISHAMO | |
7 | きっとあの漫画のせい | 宮崎朝子 | 宮崎朝子 | SHISHAMO | |
8 | メトロ | 宮崎朝子 | 宮崎朝子 | SHISHAMO | |
9 | 夏の恋人 | 宮崎朝子 | 宮崎朝子 | SHISHAMO | 5thシングル 最高23位 売上0.5万枚 |
10 | 魔法のように | 宮崎朝子 | 宮崎朝子 | SHISHAMO | |
11 | 明日も | 宮崎朝子 | 宮崎朝子 | SHISHAMO |
Horn Arranged by 高野勲/宮崎朝子(8,11)
Strings Arranged by 高野勲/宮崎朝子(9)
リリースデータ
2017年2月22日 2023年8月23日(LP) |
初登場8位 初登場117位 |
売上3.4万枚 売上0.03万枚 |
ユニバーサル(GOOD GREATORS RECORDS) |
メンバー
Gt.,Vo. | 宮崎朝子 |
Ba. | 松岡彩 |
Dr. | 吉川美冴貴 |
SHISHAMO4thアルバム。前作以降リリースされたシングル「夏の恋人」から2曲とも収録。これまではGOOD GREATORS RECORDS制作で事務所フェイスミュージックからリリースしている形だったが、シングル「夏の恋人」からGOOD GREATORS RECORDS制作はそのままに販売元がユニバーサルへと変わった。しかしあくまで流通に利用しているだけという扱いなのか、特に"メジャーデビュー"とはされず、ユニバーサルの所属アーティストとしても掲載されていない。「魔法のように」はタウンワークのCMソング、「明日も」はNTTドコモのCMソングとして起用され、共にリード曲としてMVも制作された。この2曲は先行配信もされた。初登場8位は前作の7位を下回ったものの初動売上だけで前作累計と同じ売上を記録し、最高売上を突破した。
より幅広く受け入れられようと売れ線へと飛躍したポップでキャッチーなアルバム。昨今売れ線を意識したところで全く売れる状況ではないためどうしても、分かる人にだけ分かる、届く人にだけ届く、フェスやライブが盛り上がって動員が伸びれば良し、というお茶の間やライトなリスナーという見えない客層にアプローチするより固定ファンとフェスに来るくらいの音楽好きな人の方だけ向いたような効率的な姿勢でキャリアを重ねていくバンドが多く、結果的に外からは代表曲がなんなのかも分からないままなんとなくライブで盛り上がってるらしい、人気があるらしい…というパターンが多い。ライトリスナーの間で90年代懐古思考が強まっているのもこれが大きな理由になっていると思う。
SHISHAMOは宮崎朝子のインタビューからしてリスナー層を広げていきたい意向が強いようで、今作は全曲シングル曲という意気込みで制作に臨んだと語っている。このためか今作はこれまで以上にポップな印象の楽曲が増えた。適宜ピアノを導入したり、終盤ではブラスやストリングスなど外部音も積極導入(ピアノのサポートクレジットは無く、メンバークレジットにも表記されていないが、インタビューでは宮崎本人が弾いていると語っている)したことで曲の幅も広がった。その分だけ初期の尖ったロックサウンドが鳴りを潜めたので、賛否はありそうだけど個人的には今作でグッと良くなったように感じられた。
前半でも今作はちょっと変わったなという感触だが、中盤は一旦おとなしめな曲が続き、終盤にかけてはシングル曲とリード曲が固まって一挙投入される。「夏の恋人」の派手なストリングス導入はaikoバラードに接近しすぎた感はあって個人的にイマイチだったけど、「魔法のように」はキラキラのポップチューンでこれまでからするとかなり振り切った印象。これだけでもリード曲として1曲あれば十分なところでさらに全世代へ向けた応援歌「明日も」で締めるというのはかなり圧倒的だ。「魔法のように」も「明日も」も普通リード曲として最初に配置しそうな楽曲だが、最後に配置する事で駆け上がっていくように最高潮に達して終わる最高のアルバムになったと思う。
全体にはまだ学生向けのラブソング主流、恋する女の子の共感を得そうな曲が多い中で「明日も」の1番は若い社会人男性目線、2番で女子学生目線になっているところにも成長を感じる。宮崎朝子は応援歌はあまり好きじゃないそうだけど、地元川崎フロンターレの試合を見た際にサポーターを見てサポーターの人たちの1週間を考えた時にこの曲が生まれたという発想も面白いと思う。この曲では1番の若い社会人も2番の女子学生も週末に"ヒーロー"に会いに行く事を目標に、また"ヒーロー"の奮闘する姿に自身も勇気をもらって1週間を頑張ろうとしている思いが描かれており、"ヒーロー"とは恐らく当初の着想からしてサッカー選手の事だろう。しかしこの曲での"ヒーロー"はリスナー次第で何にでも置き換える事が可能で、それは恋人だったり、好きなアイドルだったり、好きなミュージシャンだったり、仕事以外の趣味だったり、広く適用できる。サビが長いため6分オーバーという長尺の楽曲だが長さを感じさせずに聞きとおすことができる。素晴らしい1曲だ。
印象度★★★★☆
2017.6.1更新