SHISHAMO 6

リリースデータ

メンバー

SHISHAMO6thアルバム。ベスト盤から7ヶ月、オリジナルアルバムとしては1年7ヶ月ぶり。前作以降のシングルでベスト盤に収録された「OH!」は未収録となったが、C/W「ハネノバシ」は収録された。また10thシングルからは3曲全てが収録された。通常盤1種のみの発売。「君の隣にいたいから」は2019年のNHK全国学校音楽コンクール中学校の部の課題曲(通称Nコン)となったが、売上が振るわず紅白にも落選し、Nコン担当で紅白落選は産休で出なかった大塚愛を除いて08年のNコンJ-POP化以降初となった。今作も売上を落とし、『3』以降ベスト含めて4作続いていたトップ10入りを逃し、『2』以降の売上を下回って1st『SHISHAMO』以来の1万割れとなった。

『4』をピークにして下がってしまったがライブ規模も含めて集客は安定して(今作のツアーもコロナで中止になったがライブハウスではなくホールツアーを予定していた)明らかに売りに走らなくなった感じだったのでこれじゃもうヒットは出ないなとは思っていたけど、それでもNコンまでコケて紅白にまで呼ばれずとはあんまりすぎた…。まさか『2』以下の水準にまで落としてしまうとは…。

「OH!」が久々のキラーチューンだと思ったんだけど（若者受けも良さそうな青春ソングだったし）、ベスト盤だけ収録で終わってしまう、ベスト盤もバッドタイミングすぎて売れず、Nコンタイアップ「君の隣にいたいから」で紅白出場して年明けにアルバム発売という流れを見越していたのにまさかの落選…など、ここ数年、あまりの間の悪さと運の悪さが際立っていたが…作品的にはなんかもう吹っ切れて次のステージへと向かっているような感じ。とりあえず売れ線目指すのは完全に辞めてストイックに3人のバンドサウンドを追求してバンドとしてのステップアップを図ったかのように3人だけでのシンプルながら凝った演奏、極端に売りに走らない堅実な楽曲が並んでいる。「またね。」のピアノと「君の隣にいたいから」にキーボードとストリングス、「雲り夜空は雨の予報」にキーボードが入っている以外にサポート表記なし(「雲り夜空は雨の予報」は小林武史単独アレンジだが本人がキーボード参加しているだけでストリングスは無い)。

だいぶ大人っぽくなった歌詞からは10代向けの青春・ラブソング中心から20代半ばの等身大へと飾らずにシフトチェンジしてきたように感じる。曲調も落ち着いたものが多いけど、歌詞がだいぶ生々しい恋愛描写に振り切ってきた感じでここが特に大きく変わったと感じられる部分だと思う。全曲ラブソングだし、これは確かに「OH!」の入る余地は無い。歌詞の生々しさに関しては好みが別れそうだし、個人的にもこればっかりでなんだかなぁ…重たいなぁ…というところはあるけど、それを抜きにしても期待する方向性を変えれば(ヒットチューン的なものはもう期待しない)6枚目にしてまだ変化はありそうだなとも思った。

印象度★★★★☆

2020.5.24更新

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