2010年10月発売編

スキャンダルなんかブッ飛ばせ SCANDAL 2010/10/06 通常盤購入 初登場3位 売上3.4万枚
1.スキャンダルなんかブッ飛ばせ
阿木燿子(作詞)、宇崎竜童(作曲)による超昭和歌謡風ロック。完全に昭和歌謡のメロディーにガンガンのロックサウンドという組み合わせ。あくまで楽器をガンガン鳴らすという辺りにSCANDALのバンドとしてのこだわりを大いに残している。どこがサビなのか分からないが、昭和歌謡的な勢いで3分半一気に駆け抜けていくのであっさりとは聞ける1曲。PVではドラム叩いているRINA以外が楽器を持ちながら過去最高にダンシング。この3人で歌っているのでドラムのみに専念するRINAだけが若干浮いているくらいの勢いだが、RINAは4人の中で最も真面目(ブログを1人ずば抜けて更新しまくり、ファンへの感謝を人一倍意思表示している。なおTOMOMIは意味不明のTwitterを連発し、MAMIはマイワールドを展開し、さらにアニメファン、女性アイドルファン(特にモーニング娘。道重さゆみを絶賛)っぷりをアピールするなど独自路線)で、バンド意識が強いとも聞くのでこれはこれで硬派でかっこいい。企画モノの1発としてならありだし、これはこれでSCANDALくらいしかやらなそうな独自路線ではあるので面白い。ただこれが主流になったらさすがにレンタルに格下げするかもしれない。あくまで軸があってこその振れ幅だと思う。

1曲のみ525円。初回盤3種はTBSでレギュラー放送されていた5分番組「私的音楽事情」内で披露された前3作のシングルの映像を1曲ずつフル収録したDVD付3種。おそらく生演奏ではないTV用の映像だと考えたのと、3つの中からこれといって選びたい曲もなかったので今回初めて通常盤だけ買うという行動に出た。今まで購入するものに関してはこだわって初回盤だったので通常盤だけをあえて購入したのはこれが史上初めてだったと思う。

★★★☆☆

初回DVD付A  初回DVD付B 初回DVD付C    

Dear Snow 2010/10/06 レンタル 初登場1位 売上59.7万枚
1.Dear Snow
二宮主演映画「大奥」主題歌。時代劇映画と関係が無さそうな今年の冬へリスナーを誘うミディアム調の温もり溢れる曲。今年のA面では初のミディアムというか嵐全体のシングルを見渡してもミディアムやバラードはあまりないので、せいぜい昨年くらいまでの流れであればけっこう名曲として認知されていたのではないかと思う。今年はリリースが多すぎて何かもう全部いつもの嵐というマンネリ感が漂っているので勝手に印象が微妙になっていた。ちゃんと聞いてみたらけっこう好きなタイプの曲だ。毎年誰かしらこういう曲を出して冬が始まる印象だけど今年はこの曲かな。あと作曲が元WANDS大島こうすけ(1期中心人物ながら売れる前に脱退。でも『時の扉』を書いた人)。意外!自分でアレンジするとBON-BON BLANCOの時みたいに軽い印象になってしまうが今回は作曲のみで、改めてメロディーメイカーぶりを見せてくれた。

2.タイムカプセル
通常盤のみ収録。07年頃、C/Wにタイアップあっても平気で入れてしまう余裕を見せていた嵐がよくやっていたようなポップソング。なので今回も何かタイアップあるのかと思ったら特にないみたいだ。これもせいぜい昨年の流れであったらC/Wでも名曲連発、嵐マジすげーよ!ってところだったんだろうけど…。今年の流れではもういいよ…とまでは言わないにしてもどうしても印象が薄くなってしまう。もはやサクラップが無いのも当たり前みたいになってるし。

★★★★☆

    

宇宙飛行士への手紙/モーターサイクル BUMP OF CHICKEN 2010/10/13 レンタル 初登場1位 売上12.5万枚
1.宇宙飛行士への手紙
ブレイクした「天体観測」もそうだったし、前作のアルバムも宇宙っぽいジャケだったようにこれまでも宇宙的な雰囲気を漂わせていたが、今回歌詞には全く宇宙が出てこないのに、サウンドとメロディーの空気だけで物凄い銀河の向こう側が見えるというか。ひたすら未知なる雰囲気にワクワクしてくる曲だ。近年リリースされた曲はどれもが素晴らしかったが個人的にこの曲はさらに飛び抜けた名曲

2.モーターサイクル
A面としては少し異色な雰囲気漂う曲。メロディーの良さというよりもサウンドや歌詞など全体的に聞かせる印象。勢いはあるがあまりサビメロも印象に残らず、A面扱いは少々謎というか「宇宙飛行士への手紙」の次ではどんな曲も霞んでしまう。

3.good friends
C/Wだが「モーターサイクル」よりも王道的な雰囲気があって両A面にするならこっちの方が良かったんじゃないかという気がした。「好きになれないものを見つけたら わざわざ嫌いにならなくていい そんなもののために時間割かず そっと離れればいい」という2番冒頭の歌詞はその通り、普遍的ながら名言。A●Bを叩いているプライド高き自称音楽ファンは是非この曲の特にこの部分を噛みしめて好きな音楽を聞いていればいいと思う。またそういった否定的な意見に流されず、自分が好きなものは堂々好きでいいと思うぜよ。

4.油
隠しトラック。アコギ弾き語りでみんなで歌っている。相変わらず歌声がバラバラ、フェイクもバラバラ、最後のサビの出だしを間違えるというド素人ぶり全開の外し具合。計算で外しているなら相当なものだが、この隠しトラックって毎回どこまでが計算なんだろうか。メロディー自体はわりと普通の曲だがやたらと「水はじく」にこだわった歌詞がどことなくシュール。

★★★★★

 

GRAVITY Ø Aqua Timez 2010/10/13 レンタル 初登場5位 売上1.7万枚
1.GRAVITY Ø
アニメ「
STAR DRIVER」OP。バンドを前面に出したアップテンポなナンバー。今回は3曲とも作曲もバンド名義になっていてバンド感を押し出している。ただメロディーに関しては正直ここ3作で一気に印象が薄くなっていて今回バンド感が出た代わりにさらに一歩メロディーが薄くなった印象。A面に関しては他が霞むほど圧倒的なサビメロを聞かせるバンドという印象は先日「クロスレビュー」で改めて感じたことだったのだが、それとは違う展開になってきているのか。何度か聞けば馴染んでくるかと思ったがやはりバンド感が出ていてかっこいいという以上にはどうにも残らない。

2.月のカーテン
3.ポケットの中の宇宙
そんな感じを象徴するようにC/Wでも普通にメロディーがある曲が2曲。どちらもミディアム路線で聞かせる系。「ポケットの中の宇宙」では今回の3曲では唯一ラップ調の平メロとなっており、けっこう違う曲だがあまり大きく印象に差が無い。今までのC/Wで特に記憶に残っているものはほとんどなかったが、今回あまりA面と差が無い印象になっている。単にA面の強烈過ぎた印象が無くなって良く聞こえるだけかもしれないが、トータルで聞かせるような方向性に変わったようなそんな印象だ。どっちがいいかは分からないが、例えば同じくA面が強烈過ぎたポルノグラフィティなんかは、シングルだけが飛び抜けて印象が良くなかったオリジナルアルバムの印象が結果的に上がるけど、世間的には売れなくなるっていう…。

★★★☆☆

 

Sing Forever 平井堅 2010/10/13 レンタル 初登場7位 売上1.5万枚
1.Sing Forever
人生賛歌のようなピースフルな曲。ブレイク前の名曲「Love Love Love」に04年の「キミはともだち」の全編アカペラ要素を足したような曲。コーラスやヒューマンビートボックスを駆使したナンバーだがギターキーボードやパーカッションも多少入っており、完全な人力音声だけではない。ここ2年くらいリリースが滞り気味になっていたが、久々を飾るにふさわしいインパクトもある名曲だ。ただどうもあまり売れずにいよいよ平井堅の人気自体が本格的な下降線に入ってしまっているかのようで。今回は売れると思ったんだけどなぁ…。

2.太陽
ピアノ1本のシンプルバラード。まさに必殺のナンバーという感じだが、やや全盛期のようで全盛期ほどメロディーが印象に残らないような印象も。

3.HOTEL VAMPIRE
一転してラッパーも入った本格的なクールなR&B調のナンバー。こっち路線の平井堅は全く好みではないのだが、平井堅の持ち味を1度に体験できるこのシングル、実はかなり貴重なんじゃないだろうか。

4.CANDY-Suspicious Remix-
前々作のリミックスC/Wベスト「裏 歌バカ」の初回盤はリミックスアルバム付属だが、それの先行シングル的扱いにもなっている。1曲目と2曲目の流れでいきなりリミックスが入ると何故だ?って感じになるがクールな「HOTEL VAMPIRE」の後だと自然な流れに思える。ただ原曲の聞き覚えが全く無かったので、リミックスという気があまりせず、ちょっと変わったアレンジの曲という印象だった。

★★★★☆

初回盤   

DOWN TOWN/やさしさに包まれたなら 坂本真綾 2010/10/20 レンタル 初登場5位 売上2.2万枚
1.DOWN TOWN
75年、シュガー・ベイブのカバー。シュガー・ベイブは山下達郎や大貫妙子が所属した伝説のバンドだが、評価されたのは随分後で当時は売れずにシングルアルバム1枚ずつで解散してしまった。実は山下達郎がソロになったのも独立するしかなかったからだと本人も語っている。シュガー・ベイブ自体が後に評価されたように、山下達郎が70年代〜80年代に作った曲は時代を越えて古さを感じない普遍的な曲が多い。今回は服部隆之のアレンジでバンド、ストリングス隊、ホーン隊を導入した豪華ながら柔らかなサウンドメイキング。そこに柔らかな歌声が乗っかることで大きくイメージを損なわず、2010年にこの名曲を再びよみがえらせることに成功している。

2.やさしさに包まれたなら
74年の荒井由実のカバー。89年の映画「魔女の宅急便」EDとして特に有名。「魔女の宅急便」は97年頃に初めて見てジブリの中で最も好きな作品だったが、曲自体は知っている程度で、何故か数年前から凄いハマってよく聞いている曲。なのでカバーすると聞いて視聴してみたところ原曲のイメージを損なってない印象だったので今回レンタルに走った。DEPAPEPEがアレンジしたアコースティックなバンドサウンドで、原曲の雰囲気をイメージを損なわないまま新しくしてみたような印象。そしてまた声が合う。この曲はあまりパワフルすぎる歌い手だとたぶんイメージが壊れると思うので、この歌声が本当にいい。原曲越えた…?。

3.悲しくてやりきれない
68年のザ・フォーク・クルセダーズのカバー。この曲は知らない…と思ったらメロディーをどこかで聞いたことがあった。アレンジのJ.A.MというのはSOIL&"PIMP"SESSIONSというジャズバンドのメンバー3人で構成された別バンドとのことだが、今回ギターなしのピアノとウッドベース、ドラムというシンプルな構成で聞かせる仕上がりに。これまた歌声とアレンジがマッチしていて心地いい。ここまでいいとは思っていなかった

坂本真綾というシンガー自体は大学の同じ学部の先輩だったらしいということで大学時代に同じ先輩有名人のサンボマスターと一緒に友人間で話題になった(5,6歳離れているので入学時には卒業された直後くらいだった計算のはず)ので名前は知っていた。でも曲は聞いたことなくて普段どんな曲をやっているのか知らないが、アニメ系によくある打ち込み系やロック系よりも生音の柔らかいサウンドが似合うシンガーだなと思った。この路線でカバーアルバム出してほしい。

★★★★★

初回盤DVD付   

いつか見た夢を/彼女は買い物の帰り道 エレファントカシマシ 2010/10/20 レンタル 初登場17位 売上0.4万枚
1.いつか見た夢を
いきなりサビから始まる力強く前向きな曲。サビのキャッチーさがたまらない。移籍以降のエレファントカシマシの王道ともいえる曲。この歌詞できれいに歌われたらたぶんあまり響かないどころか、あまりいい印象も持たないと思うんだけど、叫ぶような圧倒的な勢いで歌われるのでそれが凄くいい。

2.彼女は買い物の帰り道
アレンジ自体はかなり派手めでストリングスとかまで入って盛り上がるんだけどメロディー自体は弾き語りでも極上のメロディーが染み渡りそうなフォークっぽい雰囲気。これはアルバムもかなりいい予感がする。

3.いつか見た夢を(エレキ弾き語りver.)
弾き語りなのだが、アコギではなくエレキをギャンギャンギャンギャン鳴らしながら弾き語るという珍しい曲。エレキがギャンギャンうるさすぎてボーカルが奥に引っ込みこもって聞こえるという弾き語りなのにかなりやかましい1曲だ。試み自体はありそうでない感じで面白い。

★★★★☆

 

Beginner(Type-B) AKB48 2010/10/27 レンタル 初登場1位 売上103.2万枚
1.Beginner
前2作から一転してシリアス路線。制作陣多彩なAKB陣営の利点だ。音がけっこうかっこいが、歌自体は全員で歌っていて、特に個々の顔も見えず、その他大勢感が強い。

2.僕だけのvalue/アンダーガールズ
さわやかポップス。4つ打ちで勢いのある曲。毎回あまり知らない人たちが歌っているアンダーガールズだが曲は抜群に毎回耳に残り、明らかに劣る曲を渡されている感は全くないところはさすが。

3.泣ける場所/DIVA
Type-Bのみ収録。「笑っていいとも」レギュラーや、熱愛報道で知名度を上げた元チームBキャプテン秋元才加が今回のシングルで唯一参加している曲。その秋元がメインで、さらに数人がメイン級、あと数人がボーカルで残りはダンスに徹するというダンス&ボーカルユニット。DIVAというほど本格的な洋楽的歌姫志向ではなく純粋なミディアムバラード調だがやはりこの位置にしか入ってないのがもったいないくらい出来はいい。

DVD
1.Beginner MUSIC CLIP<DVD VER.>
DVD VER.となっているが、かなりやっつけな内容で踊っているシーンとメイキングみたいな映像が入ってくるというもの。これまでの気合入ったPVに比べるとあまりにしょぼい内容だが、当初予定されていたゲーム画面仕様のPVでは腕が飛んだり、真っ二つになったりと残虐と判断されてお蔵入りになってしまったとのこと。歌詞カードのこの曲のPVクレジットではCGなどの項目もあり、元のクレジットのままになっている。

2.僕だけのvalue MUSIC CLIP
相変わらずC/Wという扱いではなく、恐ろしく気合入ったメイン曲のようなPV。今回は女子高を舞台にしたドラマパートから始まって曲が始まるまでも長い。

3.泣ける場所 MUSIC CLIP
Type-Bのみ収録。ドキュメントのような内容だが、客がDIVAファンばかりという辺りから作った展開と思われる。

4.Beginner フォーメーション映像<前田敦子センターver.>
5.Beginner フォーメーション映像<板野友美センターver.>
6.Beginner フォーメーション映像<高橋みなみセンターver.>

Type-Bのみ収録。Type-Aには大島優子、篠田麻里子、松井珠理奈・渡辺麻友のセンターVer.収録。今回の曲ではセンターが状況によって変わるらしく(冒頭に高橋みなみが「In your position set!」と叫んだ際に背中に回した手でサインをしていて決まっているとか)、6パターンセンターが変わるらしい。前々作の全員ポニーテールに続いて、今回は全員がいつもと違うキツいメイクをしているのでまたしても誰が誰だか分からないというのが唯一難点か。

★★★★☆

イベント参加券付Type-A  イベント参加券付Type-B   Type-A  Type-B

君は100% ポルノグラフィティ 2010/10/27 レンタル 初登場3位 売上4.8万枚
1.君は100%
昭仁曲。応援歌的な楽曲。ポップな曲で王道っぽいんだけど、印象自体はかなり普通。最近の楽曲はどれもパッと聞きは地味だが何度か聞いているとよくなってくる曲が多かったが、今回はそうはならなかった。特に変化球というわけでもなく、本当にごく普通といった印象だ。

2.煙
晴一曲。ここ最近は完全自作曲で、ついにアルバムでも全曲メンバー自作となっていたが、この曲ではついにak.hommaが編曲にすら参加してない。徐々にak.hommaから離れていく予兆となるのか、ちょっとした気まぐれなのか。代わりにtasukuが参加している。けっこう打ち込みを生かしたロックアレンジをする人という印象だったが、今回もベースもドラムも生ではあるが、やや打ち込みっぽい音も駆使したハイテンポナンバー。ただ相変わらずあまり印象は強くない。

3.GET IT ON
T・レックスのカバーで本人出演時のペプシネックスのCMソング。ポルノグラフィティがカバー曲をやるっていうのはこれが初めてではないだろうか。原曲を知らないので何とも言えないがいつものポルノグラフィティ調になっている。

★★★☆☆

 

あっぱれ回転ずし! むてん娘。(モーニング娘。) 2010/10/27 レンタル 初登場12位 売上0.8万枚
1.あっぱれ回転ずし!
「むてん くら寿司」キャンペーンソング。ということで寿司がテーマだが曲自体は制作陣がここでまでいつも通りというもはやこだわりというか意地にしか思えない感じなので基本的にいつも通り。ただ最近のモーニング娘。が恋愛ベタベタソングばかり歌っているので明るい曲というだけで少し珍しかったりもする。とはいえ印象は普通である。

2.くら寿司ビッくらポン!
こちらは直接「くら寿司」が登場しまくるもっと露骨なくら寿司賛歌。だが例によって普通な曲。最大に不幸だったのはキャンペーン期間中に、「くら寿司」が行った非道なる研修内容と内定辞退強要の実態TV放映されたことである。研修内容に関しては少し前の餃子の王将の時も騒がれたがあれはあくまで新人研修特集として普通に放送しただけだった(ただ洗脳教育すぎて結果的に話題になった)。今回のは内定辞退強要という社会派なニュースとして報道されたのでどう頑張ってもマイナス印象。見事に印象が「ブラッくら寿司」になってしまい、こんな呑気な曲を歌われても「くらくら来ちゃうくら寿司は」とか「ビックリ仰天ビッくらボン!」とか冗談抜きにその暗黒な社風にリアルにクラクラ&ビックラボンしてしまい白々しく響くのみ…。他にもすしチェーンはあるのに何故この時期に…。この辺りについてなさが漂う。

★★★☆☆

初回盤   

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