2011年4月発売編

Brand New Wing DEEN 2011/04/06 初回盤DVD付 初登場18位 売上0.5万枚
1.Brand New Wing
作編曲はギターの田川。田川のシングルA面は…あれ、もしかして96年の初めてのA面作曲シングル『LOVE FOREVER』以来2作目?元々1stアルバムからダンサブルな曲はあったし、2ndアルバムの『sha・la・la・la〜I wish〜』のPVで池森は踊っているし、00年のライブBreak5でも曲の途中でダンサーと踊ったことがある(この模様はDVD化もされている)。ただ声が出なくなって以降の02年からは落ち着いた曲が増えたこともあり、ダンサブルな曲はほとんどなかった。ただ特定の手振りがある曲は存在していた。それがDEENは08年のアルバム『DEEN NEXT STAGE』収録曲でダンサブルな曲がいくつかあり、これの振り付けを行うようになり、ライブで観客にやってもらうと、この一体感が相当ご満悦だった様子で、以降は振り付け路線にかなりハマっている模様。昨年の『cocontus』では振り付けが複雑化し、ついには全身を使い出して左右移動まで出てくるなど進化。今回は全面的にダンス路線を打ち出しつつ、DEENのさわやかさも押し出した爽快な1曲である。曲自体は04年の『レールのない空へ』の進化形というイメージである。よりスタイリッシュにさわやかに突き詰めた感じで、耳に残る。歌詞に関してはこの時期の旅立ちをテーマにした曲はシングルだけでも何回も出しているので真新しさはあまりないものの、発売前に店とかで2回くらい聞いた程度で、CDを買う前に曲が耳に残っていたというのは本当に久々である。AOR時代のようなギターサウンドも懐かしい。ファン以外へのアピールという意味でも久々の快作だと思う。先日TVでうっかり「このまま君だけを奪い去りたい』の悪夢を目撃してしまいDEENマジもう終わってると思ってしまった人は是非この曲を聞いてくれ!

2.Flower
作曲は山根、編曲はDEEN名義のアコースティックバラード。田川が叩いているパーカッションとアコギが重なっているだけのシンプルな編成。今までにもあったような曲ではあるが安定して良い。キーボードの音があまり聞こえないんだけどリーダーは…というのは置いておいてライブでのアコースティックコーナーそのままの曲である。数年前に3人だけの音でアコースティックアルバムを作りたいとかライブでしきりに言っていたけど、やはりC/Wでやっていくという方向で落ち着いたっぽい。

DVD

1.Brand New Wing<Video Clip>
DVD付のシングルは04年から出ているけど、オリジナルのPVがそのまま収録されたのは実は3回目である(05年の『このまま君だけを奪い去りたい/翼を広げて』、06年の『ダイヤモンド』、08年の『永遠の明日』はゲームバージョンのPVだった)。今回はダンスということでダンサーが登場。ホーン隊が出てくるのにベースとドラムは無いというこれまでにない編成に。ダンサーの方は終始激しく踊っているが、ボーカル池森もかなり踊っている。これをライブでやれと言われても俺には無理である。最後の手伸ばすとことかそのくらいで勘弁。映像自体はかなりスタイリッシュでかっこいいものになっている。そういえば池森以外の2人のメンバーがPVに出てくるのも08年の『永遠の明日』以来になるのか…。

2.Brand New Wing<Live at 中野サンプラザ>
1月までやっていたツアーで既にこの曲は先行披露されていたがその時のライブ映像。先日のTV出演時の「このまま〜」には絶望感さえ味わったが、さすがに現在の曲だけにバッチリと声は出ている。ライブでも完成度は高いが、ホーンや打ち込み要素も強いので、ギターキーボードとサポートにドラムベースしかいないこのライブではほとんど同期で流していると思われる。恐らくホーン隊、ストリングス隊やダンサーが入る武道館ライブでは更なる迫力が出ると思うので期待したい。俺は踊れないけどな!この時はまだ振り付けが無かったらしく、腕を広げるくらいでほとんど直立で歌っており、観客も手拍子のみとなっている。

3.DEEN LIVE JOY Special 日本武道館2010<Special Preview>
武道館ライブDVDは2年連続その年の12月にリリースだったので、今回は出ないのかと思ったが無事出るようである。4月27日発売予定の昨年の3度目の武道館公演のダイジェスト。ここはファン向けになっており、一般に知られているような有名曲は「夢であるように」くらいしか流れず、アルバム曲を中心にいくつかの曲をサビを繋いでダイジェストしている。先日の「このまま〜」の悪夢を思うと原曲で「夢であるように」をあまり劣化を感じさせずに歌えている(一部裏声には逃げるが今回は一時期と違い余裕をもって裏声にしている感じ)のは感動的だ。ダイジェストだけでも今回のライブではかなり力強くシャウト気味に歌っているのが分かる。声が出なくなって02年〜07年くらいまでは力強さも無かったので、04年の「STRONG SOUL」とかは当時より曲に合った声になっている気がする。1年前のライブなので既にけっこう記憶が曖昧だが、27日発売のDVDは完全版で全曲収録なので期待が高まる

★★★★☆

Brand New Wing(初回生産限定盤)(DVD付) 初回盤DVD付  Brand New Wing 通常盤 

ハルカ SCANDAL 2011/04/20 初回盤A,B 初登場3位 売上3.1万枚
1.ハルカ
CGアニメ映画「豆富小僧」主題歌。以前の「ルー=ガルー」に続いてまた京極夏彦の原作アニメ映画化の主題歌担当。作風としては前作「Pride」とさほど変わらずサビから入り、ミディアム調なところも同じ。今回は曲を引っ張っている間奏のメロが完全にバンド外の音(キーボード)で占められている。最近はキーボード導入曲も増えたとはいえ、シングルでここまで4人以外の音が目立ってしまったのは初めてだと思う。曲としてはそこそこいいし、個人的に好きなタイプの曲ただ不安が残る方向性が続いているのは気がかりである。これではいよいよZONEのサウンドと違いが無くなってきてしまった。SCANDALのロック感に惹かれてファンになった人はただでさえここのところのポップ化にやきもきしていただろうからそろそろトドメになりかねない。この辺り、本当にソニー的でどいつもこいつもみんな画一的な適度にポップな無難路線に落ち着けてしまう。これが一見当たり障りなくヒット性があるように思えて実は中長期的にファンがつきにくいということにいつになったら気づくのか。作詞は今回HARUNAだけど相変わらず作家と共同名義にされているし、本当に分かってないよなぁ…。

2.サティスファクション
TOMOMIと作曲者の共同作詞。ポップで明るいナンバー。前作のC/W「CUTE!」もこんな感じだったが聞きやすいことは聞きやすいし、「ハルカ」よりはバンド感もある。新規のファンは期待通りって感じかもしれないが、インディーズやメジャー直後のファンにはこういうのを連発してしまうと幻滅している人も多いと思われる。古いファンはそろそろボロボロこぼれていく時期に差し掛かっていると思われるが、果たして新規ファンの増加がそれを上回れるか。先行きは安心できないし、本人たちも必死に戦っているところだと思われるが(特にRINAのブログ等読んでいるとその形跡はうかがえる)、いかんせん自力で何でもできるバンドじゃないので、どうにもならない部分も大きいのだろう。今のところ壊滅的に新規ファンも裏切るような微妙な路線にはいってないところだけは安心か(ブッ飛ばせとカバーアルバムの時は相当危なかったけど)。

3.Want you
MAMIの作詞作曲。前作のRINAに続き、完全自作曲第2弾。今回は久々にアレンジにもSCANDALの文字が入っている(作家と共同)。編曲:SCANDALの文字は共同ながら初期からあったのでまさか今になってもこんなレアな状態が続くとは思わなかった。3曲の中では最もロックバンドしている…って印象自体3曲とも前作と同じじゃねーかって感じなんだけど、今作の方がテンポが遅く勢いというよりもズンズン進んでいく感じ。歌詞の内容はギターへのラブソング。まるで異性に対するかのような内容をギターに置き換えるという異色の内容。女性アイドル好き(道重さゆみやスマイレージへの愛をTwitterで語る)で一人称が「僕」という少し変わった雰囲気のMAMIっぽい内容だ。

DVD

初回盤A
ハルカ「豆富小僧」スペシャル・ミュージック・ビデオ
映画「豆富小僧」の映像を使用したPV。というかほとんど「豆富小僧」の映像であり、SCANDALはツアーの移動中やツアーと思われるスロー映像が加工されてたまに放り込まれている程度。恐らく大多数のファンに不評を呼ぶであろう内容である。しかもいまどき16:9画面じゃなくてレターボックスのサイズって…。DVD付どっちかならBの方がいいというか、Bだけ買えばいいと思う。

初回盤B
CUTE!(SCANDAL meets シナモン ver.)
前作C/WのPV。こちらはサンリオのキャラクターであるシナモロールとのコラボということで、キャラの人形がフューチャーされているものの、映像には全面的にメンバーが出演。タイトル通りキュートな内容で、制服風とは違うパジャマ風のスタイルでいつもと違う髪型で部屋で和気あいあいとしている映像と、サビでは演奏シーンという内容。これまで比較的PVはカッコいい系だったので、カワイイ系は新鮮である。これはファンなら入手しておきたい内容だろうし、初回盤Aで壮絶にガッカリしたファンを救う内容である。ただサビの一部では相変わらず振り付けをさせられている(そして特に踊るのに抵抗を示していると伝えられているドラムのRINAだけは毎度のごとく他の3人が踊ってる間も一心不乱にドラミング)のは気になる。マジソニークオリティ。自作がほとんどできないバンドが楽器持って踊ると、やはり演奏できないのかと余計な認識しか生まないのはZONEで学習しただろ…。

通常盤も曲は同じだが、恒例のミニ冊子「超SCANDAL」は通常盤にしか付属していない。

★★★☆☆

ハルカ(初回限定盤A)(DVD付) 初回盤DVD付A  ハルカ(初回限定盤B)(DVD付) 初回盤DVD付B   ハルカ 通常盤 

まじですかスカ! モーニング娘。 2011/04/06 通常盤 初登場5位 売上4.1万枚
1.まじですかスカ!
新メンバー4人が加入しての1発目。その新メンバー4人のソロから始まり、旧5人のソロへつながるなど、今回も高橋田中メインながら全員にソロパートがある。曲自体もほぼずっと同じ路線だったので元気なアップテンポというといつ以来だろうか。07年の『みかん』以来とかになるのか。マジでスカスカとしか聞こえないのはつんくの高度なギャグなのか不明だが、実際には曲調がスカであることにひっかけている。まあ現在のAKBの勢いの前ではマジでスカスカなんだけど、それなりにこだわっているところはこだわっている感じだし、メロディーがちょい弱い以外はそれなりにいい曲だと思う。

2.もっと愛してほしいの
こちらはこれまでと同じ恋愛大人路線のアップナンバー。相変わらずの歌詞に相変わらずの作風が炸裂しているのでいつも通りとしか思えない。だがまあC/Wということを考えればわりかしいい。というかもはやシングルだけ1つ抜けているというのではなく、平凡クオリティ総横並びって感じになっている気も。

初回盤DVD付は史上最多の4種。2種2パターンのPV切り売り+新メンバー4人の各インタビュー収録。5種ともCDの方には一切の違いが無い。

★★★☆☆

まじですかスカ!(初回限定盤A)(DVD付) 初回A まじですかスカ!(初回限定盤B)(DVD付) 初回B まじですかスカ!(初回限定盤C)(DVD付) 初回C  まじですかスカ!(初回限定盤D)(DVD付) 初回D  まじですかスカ! 通常 

PROMISE LUNA SEA 2011/04/09 配信限定(Amazon MP3)  
1.PROMISE
再始動して初めての新曲。要するに00年のラストシングル『LOVE SONG』以来の新曲である。当初「PROMISED NIGHT」というタイトルでライブで披露されていたらしいが改題された。先日のセルフカバー『LUNA SEA』の重厚なサウンドとは一転してかなりさわやかで前向き爽快な曲だ。演奏は紛れも無くLUNA SEAでありカッコいいんだけど少し意外だった。ファルセットまで用いた比較的高音を駆使しているのもLUNA SEAでは珍しい気がする。LUNA SEAは比較的キーが低い曲が多いが(一般男性でも十分にカラオケで出せるレベル)、河村隆一ソロだと存分に高音域を連発している(カラオケで一般男性が歌えないか苦しいレベル)ようなイメージがある。今回そういう意味では楽曲そのものはかなり「河村隆一」的である。ただ印象としては河村隆一がロックバンドやってる的だった『SHINE』の頃とは明らかに違う。RYUICHIと河村隆一が一体となって先へ進化したような感じもある。思ったよりさわやかだったが、あまり重すぎたり濃すぎるのはついていけないので個人的にはこのLUNA SEAは大いにアリだ。アルバムが出るのがいつになるのか分からないが、楽しみである。

東日本大震災へ収益を全額寄付するということでAmazon MP3200円、500円、1000円で販売。値段による音質の差は無く、義捐金の金額をリスナーが決めるというシステム。携帯配信は公式モバイルサイトにて。

★★★★☆

By blow bye bye blow UL 2011/04/09 配信限定(無料)  
1.Bye blow bye bye blow
活動休止中のKICK THE CAN CREWのMCUとLITTLEによる新ユニットプロデュースをKREVAが担当しているのでKICKメンバーが3人全員が集合していることになる。先日KREVAソロシングルC/Wのリミックスに2人が参加するなどKICK3人の共演が増えているので再始動も近いのか?KICKは元々KREVAがトラック作りからプロデュースまで手掛けていたので、今作は要するにKREVAの声が入っていないKICK THE CAN CREWといった感じである。シンプルなバックトラックでサビでもラップ寄りの歌になっているので、近年のラップ系ポップミュージックのようなメチャクチャキャッチーなサビがあるわけではないが、暖かみのある曲。KICKとは一味違うが(KICKにはあまり暖かみは無く、どっちかというと「ついてこい!」的なイメージ)、ゆったり聞ける。企画ではなく継続して活動があるようなので今後の展開にも期待だ。

こちらのサイトで無料配信された。

★★★☆☆

さよなら傷だらけの日々よ B'z 2011/04/13 通常盤 初登場1位 売上17.5万枚
1.さよなら傷だらけの日々よ
待ってたぜとばかり、09年以来の新曲は09年に新たに組み始めた寺地秀行のアレンジ体制を引き継いでいる。楽曲自体はいつものB'zという感じだがサビでのドラムが妙なリズムを刻んでいたりするのがインパクトがあって引っかかる。

2.Dawn Runner
過去を見て新たに進もうとするかのような歌詞の内容は「さよなら傷だらけの日々よ」とテーマ的に似ている。印象としてこれもいつものB'zでメロのインパクトもだいたい同じくらいだが、こちらの方がややシリアスな雰囲気が漂っているのが印象的。2曲とも好印象。

★★★★☆

さよなら傷だらけの日々よ(初回限定盤)(DVD付) 初回DVD付  さよなら傷だらけの日々よ(通常盤) 通常 

あの太陽が、この世界を照らし続けるように。 コブクロ 2011/04/27 初登場3位 売上6.9万枚
1.あの太陽が、この世界を照らし続けるように。
映画「岳-ガク-」主題歌。壮大なミディアムバラード。黒田がメインで歌っており、小渕はサビで歌っているがいつもより控えめでコーラスしている程度。黒田のいつも以上にパワフルでがっつき気味の歌い方が曲の力強さを引き立てている。そして最大の驚きはこの曲調なら必ず入れていたはずのストリングスを今回使っていない。A面で使わないのは04年の「Million Films」以来である。デビュー曲から使っていたし、最初からストリングス使用頻度は高かったとはいえ、ここ最近のストリングスの飽和っぷりは小林武史並でストリングス病といえる状況だっただけにこれは革新的な事である。頼らなくても十分に壮大さは演出できるし、むしろ力強さは際立った。最近のコブクロにはあまり期待していなかったが、少しいい方向の兆しが見えた1曲。ただ曲の長大さは変わっておらず、今回は2コーラス終りで3分半程度なのに間奏とアウトロが長いので6分越え。

2.シルエット
ストリングスも用いたいつものコブクロミディアム。ただドバラードではないので比較的聞きやすく、ここ数作のシングルと同じくらいのインパクトもある。久々に当たり的なC/W。

★★★★☆

あの太陽が、この世界を照らし続けるように。

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