2015年2月発売編

華麗なる逆襲/ユーモアしちゃうよ SMAP 2015/2/18 通常盤 初登場1位 売上18.9万枚
1.華麗なる逆襲
草g主演ドラマ『銭の戦争』主題歌。作詞作曲は椎名林檎で編曲は村田陽一。椎名林檎といえば09年にTOKIOの「雨傘」を提供(アレンジは東京事変だった)しており、そちらはかなり異色だったけど今回はJ-POPにおけるブラスアレンジでよく登場する村田陽一がアレンジしていることもあってか、「Mistake!」や「シャレオツ」などのここ数年の作風に寄せてきた感じ。演奏クレジットは無いが生音っぽいバンドサウンドにブラスやストリングスが絡む豪華なアレンジは4曲目のカラオケバージョンだけ聞いてもかなり楽しめるゴージャスな仕上がり。アルバム『Mr.S』で開拓したオッサンアイドル路線で007期以来の第二次楽曲全盛期が来るか?

2.ユーモアしちゃうよ
作詞:権八成裕、作曲:市川喜康・マシコタツロウ、編曲:ha-j。シダックスのキャンペーンタイアップにより、昨年12月に着うた先行配信、シダックス店舗で先行カラオケ配信などを行い、年明けのCDTVではCD発売未定の新曲としてTV初披露もしていた。おちゃらけつつもいつかの夏バカ歌のような寒さは無く、大人の余裕とユーモアが感じられるオッサンアイドル路線の真骨頂。これはこれでいい曲なんだけど、「華麗なる逆襲」の出来が良すぎて影が薄くなってしまっていてちょっともったいない。また歌詞をよく見るとタイトルにもなっているユーモアをしちゃうという字面は登場せず「HEY!,YOU! MORE! しちゃうよ」となっていたり、サビも「苦しみ」ではなく「痛み悩み苦しME」になっているなど言葉遊びになっているのが面白かった。

通常盤のみ
3.華麗なる逆襲(tofubeats remix)
恒例となってきた通常盤のみのリミックスは、ネット系のクリエイターとして昨年はソロアルバムもリリース(東京女子流の新井ひとみをボーカルに招いた楽曲をここでも取り上げた)して、音楽通の間では既に大きな支持を集めているらしいtofubeatsが担当。とにかく生音サウンド(っぽい)原曲に対して、DTM時代のクリエイターらしく打ち込み全開という真逆のアプローチでアレンジしたといった感じでリミックスというより別アレンジとして楽しめる。近年のリミックスの中では格段に良かった。

★★★★☆

初動16.0万枚
サウンドスキャン初動3種合計11.6万枚(1位5.4万(A)、3位3.9万(B)、6位2.3万(通常))

華麗なる逆襲/ユーモアしちゃうよ(初回限定盤A) 華麗なる逆襲/ユーモアしちゃうよ(初回限定盤B) 華麗なる逆襲/ユーモアしちゃうよ(通常盤)  

サヨナラは歩き出す morioni 2015/2/18 初登場14位 売上1.1万枚
1.サヨナラは歩き出す
T-BOLAN森友嵐士ゴールデンボンバー鬼龍院翔によるユニットのデビュー作。TV番組で「離したくはない」を共演したのがきっかけで出会い(ただし番組サイドにお互いがお互いに興味があるらしいから是非と言われてコラボをそそのかされたとも暴露している)、その後14年7月のコブクロのライブをたまたま同日に見に行っていて再会(コブクロもさいらまスーパーアリーナのMCで森友と鬼龍院が先日のライブに来ていたことを語り、T-BOLAN、ゴールデンボンバーのカバーをその場で即興披露していた)、そこから具体的に話が進んだとされている。当初正体を明かさずに有線で話題になるというプロモーションが仕掛けられ、発売前日に正体を明かした。とはいえ2人とも声が特徴的なのでユニット名と声だけでかなりバレバレだった気が…。作詞は森友だが、作編曲はGReeeeNでおなじみのJINなので、楽曲自体はまんまGReeeeN。T-BOLAN×ゴールデンボンバー×GReeeeNの3色コラボみたいな感じ。またカラオケ需要も見込んだデュエット展開をしたいという意向があるのか、やたらボーカルを前に出していて、ハモリ部分もけっこう均等に目立たせて音程が聞き取れるようになっている。これによりさらに演奏が薄く聞こえ、終わってみると歌とメロディーしか印象に残ってないほど。アレンジがそもそもけっこう軽い仕上がりでこれが当初どうも軽すぎる気がしたが、2人のボーカルがかなり熱いのでバックトラックはこれくらい薄めの方がバランスは良かったのかもしれない。

2.離したくはない
ユニット結成のきっかけになったT-BOLANの曲を2人でカバー。1番は鬼龍院、2番は森友、以降は2人で歌っていて伴奏はギターとチェロのみのシンプルなアコースティックバージョン。TVで共演したこともあるのでその音源化という事で意味はあったのかもしれないけど、今世紀に入ってからいい加減この曲ばかりがピックアップされすぎて若干もういい感じもするので、ここは別れソング繋がりで「Bye For Now」を新たにカバーする方が面白かったのでは。

★★★★☆

初動0.84万枚
サウンドスキャン初動8位0.86万枚

サヨナラは歩き出す  

情熱CONTINUE スフィア 2015/2/11 初登場9位 売上0.9万枚
1.情熱CONTINUE
アニメ「夜ノヤッターマン」ED。ベスト盤と同時発売。新たなスフィアではなく、王道の元気アップテンポナンバー。ただ通常よりやや音が軽めで、あまり強くは鳴っていないもののリズム含めてシンセ回りの音が妙に忙しないのがちょっと気になる。

2.夕立ちの欠片
大人っぽい和風ミディアムナンバーでちょい歌姫系。こちらはちょっと新しいスフィアを提示したイメージ。これまでC/Wも全部オリジナルアルバムに投入していたことを考えると、バランス的に近い系統の楽曲がほかにも登場しそう。

★★★☆☆

初動0.8万枚
サウンドスキャン初動7位0.62万枚

情熱CONTINUE(初回生産限定盤)(DVD付)初回盤DVD付  情熱CONTINUE通常盤 

miss you 家入レオ 2015/2/11 初登場11位 売上0.9万枚
1.miss you
「CDTV」タイアップ。作詞は本人単独だが、作曲は西尾芳彦。3作連続でC/W含めて(ライブ音源の旧作除く)すべて西尾単独作曲で、家入レオが全く作曲に関与しなくなってしまったが、どうやら作曲辞めてしまったらしく、このまま3rdアルバムはシンガーに徹しているという。西尾と組んでいた先輩シンガーというと絢香は西尾との共同作曲から抜け出して単独作曲へ移行していったけど、家入レオは逆を行くようだ。まあ曲が良ければいいかという感じで、今回もBGMとしてかかっているとなんだかすごく気持ちいい感じの「ヒット曲」っぽい雰囲気

以下通常盤のみ
2.I am foolish
3.Driving day

初回盤はライブ音源3曲がC/Wなので新曲C/Wは通常盤のみの収録。どちらもまあ普通にいい曲という以外に特にこれといった印象は無い。音の感じも制作陣もそのままだし3rdアルバムも制作体制にも変化はなさそうだ。この2曲では作詞は家入と西尾の共作名義。そのうち伝えたい事が特になくなってきて修業期間とか言い出して(どこのmisonoだ)作詞まで撤退するつもりじゃないよな…。

★★★☆☆

初動0.7万枚
サウンドスキャン初動10位0.53万枚

miss you(初回限定盤)初回盤DVD付  miss you(通常盤)通常盤 

Sakura 2015/2/25 初回盤・通常盤 初登場1位 売上52.1万枚
1.Sakura
メンバーが一切出演していない(ジャニーズの生田斗真主演)ドラマ「ウロボロス〜この愛こそ、正義。」主題歌。メンバーが出演していないドラマ主題歌という史上初の展開となり、最近のパターンだった主演メンバーに目立つパートがあるなどの特徴が無い。楽曲自体はクールサイドの嵐といった感じだが、壮大さを演出するストリングスパートにイマイチメリハリが無く、これまでのクール系のようなアクの強さも無いのでどうにも印象が薄い。例によってPVで踊らずMステなどのTV出演でダンス解禁というパターンはいつも通りだが、今回シングル初回盤で久々に復活したというメイキング映像に適当なナレーション演出を加える小細工を施したところファンからの一斉ブーイングを喰らっているようで、Amazonレビューが悲惨なことに。楽曲自体に関係ないとはいえ、嵐のシングルの中でも屈指の不人気作になりそう。

以下初回盤のみ
2.Rise and Shine
日テレのオリンピックタイアップ曲みたいな応援歌系。去年のソチタイアップ用候補曲のアウトテイクとかじゃないよな…。今作の4曲の中では最も一般受けが良さそうな楽曲。

以下通常盤のみ
2.同じ空の下で
良メロ希望系ミディアム。これもまあ「果てない空」以降なんか定期的に出てくるような…。

3.more and more
オシャレクール系ダンスナンバー。先日過去曲回顧をやって改めて思ったけど楽曲的にかなり停滞期に入ってないだろうか…。ただ先輩たちも15周年前後というのは今にして思えば一通りやりつくしてあまり期待以上の楽曲が出てこないとか、文字通りリリースやライブが停滞するとか迷いの時期だったという感じがするので今はそういう時期なのかも。

DVD

1.Sakura(ビデオ・クリップ)
例によってMステなどでバキバキに踊るのにPVは時間が無いのかダンス無し仕様。今回は枯れた桜の木のセットの前で椅子に座っているか立っているかだけで、これまで以上に手抜きのような…。1番ではソロカットが多いが、2番以降は2人か3人でのカットが増える。アイドルグループではグループ全員や1人1人以外にもグループ内における特定のコンビやトリオに共通の呼称をつけて親しむ、という文化が存在するが、たぶんその辺りの需要を狙ったのだろう。下記のメイキングで少なくともスタッフは完全にファンをなめているっぽいので(今の嵐は何を出しても一定以上は売れる一方で一定以上は売れなくもあるので意欲が沸かないのも分からなくもないが)、この演出もこうしておけば喜ぶだろ?的な感じなんじゃないかと邪推してしまう。

2.Sakura(メイキング)
Amazonレビューが酷いことになっている諸悪の根源がまさにこれ。嵐の初回盤DVDは昔はメイキングもついていたが「マイガール」辺りを最後につかなくなり、ファンにとっては待望だったはず。それが酷評とはいかに?いったいどんなひどい代物なのかと思ったが開始10秒ではい殺意、な仕上がり。メイキングに終始おじさんのナレーションがついているんだけど「〜ですかねぇ?」「〜ですねぇ」などメンバーの言動や行動にイチイチ勝手な解説やツッコミ、俺のようなライトなリスナーでも違うだろと言いたくなるような極めて勝手な解釈、時にはメンバーの発言を小馬鹿にしたかのような否定までもを加えるナレーション。これがまず視聴者の神経を逆なでしまくり

別にメンバー個人のファンでなくともこの語り口調には腹が立ってきたくらいなのでメンバーが好きなファンにしてみればこれだけ勝手な事言われたら邪魔どころか殺意全開だろう。冗談抜きにあまりの怒りにディスクごと叩き割ったとしてもこれに関してはクレイジーだとは思わない。しかもメンバーが喋っているところにまでこのくだらないナレーションが被る始末。

さらに30代の大人の男性に向けるとは思えないような「〜君、〜ですねぇ」などの10代アイドルに向けるような子供扱いしたような目線なのも殺意に拍車をかける仕様。また時々メンバーの頭文字に○と色をつけた発言テロップが登場するんだけど、何でそれテロップにした?というほどどうでもいい発言かつ見てれば誰が喋ったか分かるし何を言ったかも分かるようなチョイスの適当っぷり。さらに俺は良く知らなかったがこのメンバーのテロップ色も決まっているメンバーカラーとは合っておらず、嵐の事を全く知らないスタッフが適当に色づけしたとして批判されている。

これは確かにこの演出にした担当者、マジおかしい。ファンを怒らせたかったとしか思えない。まさに何を出しても売れるからというスタッフの怠慢が生んだ他のアーティストでは恐らく見ることができないし作ろうとはしない奇跡の珍映像。あまりの酷評っぷりに投げ売り全開で恐らく今後どんどん安く入手可能なので珍映像を見たい人は入手すべし!

★★★☆☆

初動46.5万枚
サウンドスキャン初動2種合計50.4万枚(初回盤1位39.2万、通常盤2位11.1万)

Sakura
        【初回限定盤】(DVD付)  Sakura 【通常盤】

360° miwa 2015/3/25 初登場5位 売上3.1万枚
1.360°
映画『ドラえもん のび太の宇宙英雄記』主題歌。子供向けタイアップということもあって明るいポップチューン。サビ終わりの「手と手と手と手」とかフックになる部分も子供向けアニメタイアップとしてグッドな仕様。作曲はまたしてもNAOKI-Tが共作になっているので、次のアルバムもべったりな状態になりそうだけど、制作環境は3rdアルバムが底だったようで今回もちゃんと演奏メンバーを呼んでの人力サウンドが展開。

以下初回盤・通常盤のみ
2.LOVE LOVE LOVE
DREAMS COME TRUE95年の最大ヒット作カバー。2014年のトリビュート盤『私とドリカム』に収録していた音源をそのままシングルカット。かなり原曲のイメージを崩さないように丁寧にカバーしたという印象。とりあえずタイアップあるので連続でシングル切ったけどアルバム先行のシングルだしC/Wまで制作している余裕が無いからなのか、『私とドリカム』からそのまま引っ張ってくるというのがいきものがかりと全く同じ

3.Delight〜ライブバージョン〜(miwa-39 live ARENA tour- “miwanissimo 2014” 横浜アリーナより)
3rdアルバム表題曲のライブ音源。全面打ち込みによる電子サウンドが炸裂した原曲とは全く異なる、アコースティックギター弾き語りのバラードっぽいバージョン。ていうかたぶんNAOKI-Tにデモを渡した時点ではこんな感じだったんじゃないかとも思える。終盤ではテンポアップするけどスローなのがちょっとかったるい。

アニメ盤は全曲が「360°」となっており、「ドラえもん」主要キャラ4名と1体がコーラス参加したバージョン、TVエンディングバージョンなどのバージョン違いのみで構成されている。

★★★☆☆

初動1.9万枚
サウンドスキャン初動4位1.6万枚(初回盤)

360°(初回生産限定盤)(DVD付)初回盤DVD付   360°通常盤   360°(期間生産限定アニメ盤)(DVD付)期間生産限定アニメ盤 

君がいなくちゃだめなんだ 花澤香菜 2015/3/25 初登場13位 売上0.9万枚
1.君がいなくちゃだめなんだ
声優ではなく女優として主演している同名映画主題歌(元々声優スタートではなく子役スタート)。ここのところ新機軸な楽曲が続いていたが初期の北川勝利の作編曲に戻った。普通のミディアムポップナンバー。映画のエンディング辺りでかかっていたらそれなりにスッキリとした気分になりそうだけど、いかんせん普通すぎてあまり印象に残らなかった。

2.Blessing Bell
同じく北川勝利の作編曲。アップテンポなナンバーになっている。

3.運命の女神
Sound Aroudというのが作編曲。生音サウンドだった前2曲とは一転して打ち込み主体。

★★★☆☆

初動0.8万枚
サウンドスキャン初動11位0.64万枚(初回盤)

君がいなくちゃだめなんだ(初回生産限定盤)(DVD付)初回盤DVD付   君がいなくちゃだめなんだ通常盤 

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