Clip! Smap! コンプリートシングルス

リリースデータ

メンバー

SMAP2ndPV集映像作品。DVD、Blu-rayでの発売。DVDは3枚組、Blu-rayは2枚組。02年の『Clip! Smap!』以来となる2作目のPV集で実質的な拡大版となる。全シングル55作、全A面曲63曲を収録。PVが無い作品はライブ映像に差し替えられている。『Clip! Smap!』収録の10曲のうち「Fly」は当時のライブVHS初回盤のみ(DVD化の際に削除)に収録されていたショートムービーで収録された。「This is love」以降の楽曲はシングル初回盤DVDに収録されていたもの。「Let It Be」は発売当時『SMAP×SMAP』内でPVを制作したが番組での1度限りのOAとなっていたためか12月26日の『SMAP×SMAP』最終回では放送されたものの今作には未収録でライブ映像に差し替えとなっている。森且行在籍時の映像もそのまま使用されているが、「負けるなBaby〜Never give up〜」「笑顔のゲンキ」「君は君だよ」は2014年のライブ映像に差し替えられ、音源もライブ音源のため参加していない。

45thシングルSB Versionのみ収録の「Love & Peace Inside?」、50thシングルライムグリーン盤のみ収録の「掌の世界」はC/W扱いされているため未収録。加えて20thアルバム『GIFT of SMAP』初回盤収録の「gift」、21stアルバム『Mr.S』初回盤収録の「Mr.S -SAITEI DE SAIKOU NO OTOKO-」もアルバム曲のため未収録。商品化されていて未収録になったPVはこの4曲となる。

DVD/Blu-rayチャート共に総合部門で2週連続1位を記録。初回生産分はSMAPOのシリアルコードが封入されている。パッケージや中身は初回も通常も同じもの。

森且行の存在が長らく消されていた中で、当時の映像が見れるのはうれしいところ。デビューイベントの模様は長めに収録されているが音声トラブルでグダッているところが長く収録されているだけで肝心の歌のパフォーマンスはショートサイズな上にカメラで拾っただけで音声は激悪。映像自体はめっちゃプレミア感あるけど。2作目の「正義の味方はあてにならない」は安っぽくてショートサイズながらちゃんとPVを作っているが、「心の鏡」はオリジナルドラマを作ってその主題歌というセルフタイアップみたいな映像のダイジェストなので、歌っているカットは無い。4作目以降はそもそもPVを作る気がほとんどなかったようで、ライブ映像への差し替えばかりに…。しかも4曲目でいきなり20年以上すっ飛んで2015年になってしまうので映像も見た目も落差が激しすぎる。

以降はPVとされている「ずっと忘れない」はこの時点で行われた歴代の握手会などのイベント映像をデビューへ遡る形でダイジェストしているだけだし(しかし握手会でアグレッシブにメンバーの顔面に向かって接触していくファンの姿は現代の感覚ではありえないくらいユルいルールや警備体制になってて一見の価値あり)、「はじめての夏」はPV扱いされているがイベントライブ映像どころか音源までイベント音源になっている。そこから先もPVとされている曲も歌っているカットがほとんどないようなイメージ映像程度のものが続き6人時代が終わってしまう。『JOHNNYS WORLD VISUAL RECORD 第5巻』という映像はCD音源にスタジオでのライブパフォーマンス映像をもう少し加工したような作りだけどこれが1番PVっぽい始末。これはまともなPV制作というものを森君は体験していないんじゃ…。

5人になってからは現在までチャート番組等で見る機会も多く、見覚えのある映像が出てくる。5人になってからは少しはPVっぽくなってくるが、6人時代に引き続いてショートサイズのまま。1番だけで終わるような分かりやすいショートサイズもあれば、1番と2番の間奏を2番の後の間奏とミックスさせてから2番に入りそのまま間奏を挟まずにラストサビに飛ばすとか、そこまでしてフルサイズ作りたくないのかというような凝った削り方をしている曲も…。

「Fly」はプロデューサーが変わってから最初の1作で「BIRDMAN」をコンセプトに展開するなど気合が入っていていたようでショートムービーになっているが逆にちょっと曲がBGM状態(実質2回フルでかかるけど)、「夜空ノムコウ」「らいおんハート」でようやくフルサイズが制作され、映像もPVとして制作したっぽい(ちゃんと歌っているシーンがある)ものになる。DISC-1は懐かし映像を楽しむものであり、曲を聴こうというのにはあまり向かないかも…。PVはほぼショート、ライブ映像は全部ショートだし、曲を聴きたいなら『Smap Vest』を聞いた方がいい。

対してDISC-2になるとフルサイズでのPV制作がされるようになる。それでも前半は変にアートに走ったような意味不明なものが多いが、シングル初回盤DVDにPVを収録するようになってから…ただしその初期に当たる「This is love」「僕の半分」は当時は"スペシャル映像"という扱いでそれぞれスマスマ収録の合間にフジテレビ局内で撮影、20周年イベントでのライブ映像(音声はCD)だが、「さかさまの空」以降はSMAPがちゃんと映って歌って踊っている映像が中心となる。PVを商品として毎回売るようになったためだと思うんだけど、いきなり方針変わりまくり。そういえばここまではほとんど踊っている映像が無かった…。DISC-2はアルバム未収録シングルも含む実質的な『Smap Vest2』の役割を果たしていて、ほとんどの曲をCD音源フルサイズで聞くことができるので『Smap Vest』の続編を聞きたかったリスナー向けにもいい内容だと思う。

初期どころか割とPVが一般的になり、PV集を商品として売るようになっていた00年代に至る頃でもPVを軽視していたのが惜しく、もうちょっとちゃんとしたPVを残しておいてほしかったと改めて思った。それでも25年の歴史を一気に映像で追う事が出来る上に、貴重な映像が商品化されたのは嬉しいし十分に楽しめた。

Blu-ray 　

印象度★★★★★

2017.1.20更新

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