502
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 悲しきノンフィクション(502MIX) | 今井千尋 | 今井千尋 | Anything ELse | 1stシングル 100位圏外 新録音 |
2 | days go by(502MIX) | 今井千尋 | 今井千尋 | Anything ELse | 2ndシングル 100位圏外 remix |
3 | 風と行きたかった(502MIX) | 今井千尋 | 今井千尋 | 河合徹三 Something ELse |
3rdシングル 100位圏外 remix |
4 | 反省のうた | 今井千尋 | 今井千尋 | 渡辺善太郎 | 4thシングル 100位圏外 |
5 | レコード | 大久保伸隆、今井千尋 | 今井千尋 | Something ELse | 5thシングル 100位圏外 |
6 | ラストチャンス | Something ELse | Something ELse | 森俊之 Something ELse |
6thシングル 最高1位 売上99.8万枚 |
7 | 考える人 | Something ELse | 今井千尋 | 白井良明 | 新曲 ラストチャンス候補3曲の中の1曲 |
8 | 旅に出れば | 今井千尋 | 今井千尋 | 森俊之 | 新曲 ストリート時代からの未発売曲 |
リリースデータ
1999年3月17日 | 初登場7位 | 売上20.5万枚 | Produced by SHIN HASHIMOTO&Something ELse(1,2,3,4,5)、白井良明(7) | 東芝EMI |
メンバー
Vocal,Guitar,Mandolin | 大久保伸隆 |
A.Guitar,Side Vocal | 伊藤大介 |
Keyboards,Bass,A.Guitar,Tambourine,Side Vocal | 今井千尋 |
Something ELseシングルコレクションミニアルバム。ここまでのシングル6曲と初収録の2曲を収録。ベストアルバムやシングルコレクションの類の作品だが後に『TICKET』を初のベストアルバムと称したため、今作はヒストリーアルバムと称されるなどベストではない曖昧な扱いのミニアルバムとなった。3曲が502MIXとして新たにリミックスされているが、「悲しきノンフィクション」のみキーを半音上げての新録音バージョンとなっている。「レコード」「ラストチャンス」がアルバム初収録。「考える人」はラストチャンス候補3曲の中の1曲。「旅に出れば」はストリート時代から存在した未発売曲を今作のためにレコーディングしたもの。
96年のデビュー以降シングル5枚、アルバム1枚が全て100位圏外となり窮地に陥っていた中で日本テレビ系『雷波少年』の「雷波少年系ラストチャンス」企画への参加を打診されて快諾。これは3ヶ月間マンションの1室で共同生活を送りながら運命の1曲を作ってシングル発売し、これが初登場20位以内に入らなければ解散、音楽業界から足を洗うというものだった。最終的に3曲の候補曲「Give me a chance」「さよならじゃない」「考える人」の中から「Give me a chance」を運命の1曲に選択して「ラストチャンス」として発売。初登場2位を記録して(1位は安室奈美恵だった)、翌週には1位を獲得する大成功となった。残りの候補2曲のうち「考える人」は今作に収録され、「さよならじゃない」は次のシングルとなった。また今作のタイトル『502』は「雷波少年系ラストチャンス」企画で3人が共同生活を送ったマンションの部屋番号とされている。
「ラストチャンス」大ヒット後の発売だったためトップ10入りを果たして20万枚を越えるアルバムでの最高ヒットを記録したものの、ミニアルバムという中途半端な形態とTV企画ヒットだけしかない状態だったため「ラストチャンス」の売上は大幅に下回った。また結果的にアルバムで唯一のトップ10ヒットとなった。
今作ではメンバーに一括の演奏クレジットがあるが、楽曲ごとではサポートミュージシャンのクレジットしかされていないという表記方法になっている。全曲にベースのサポートクレジットがあるため、今井千尋のベース演奏曲は無いものと思われる。同様にギターもサポート参加が多く、1stアルバムのクレジットでメンバーの参加状況が判明している1〜4以外では「レコード」「旅に出れば」のアコースティックギターを伊藤が弾いているのは確実(特に「旅に出れば」は後の『TICKET』収録時のクレジットでは伊藤がAll A.Guitarになっている)だが、「ラストチャンス」「考える人」ではサポートにもアコースティックギター表記もある(同じく『TICKET』では「ラストチャンス」の伊藤がAll A.GuitarになっているがサポートにもA.Guitar表記があるというそれじゃAllじゃないじゃんな謎クレジット)。
結果的には番組企画の1発屋色をより高めてしまったのが今作かもしれない。恐らく「ラストチャンス」に便乗して過去のシングルの再評価狙いで取り急ぎ出したかったが、とにかく企画に全集中していたため曲のストックが無かった(最終候補3曲というやり方をした以上それ以前のボツ曲はあったとはいえボツ曲として放送してしまった曲は収録しにくいし、完成させる時間も無かった)のでこんな中途半端な形態になってしまったと思われる。あと1週ランクインすればO社ミリオンだった「ラストチャンス」も今作が無ければミリオンを達成できていたと思われ、この後も失策を繰り返すEMIスタッフチームのズレた方針はじわじわと…。
当時今作を聞いて「ラストチャンス」だけずば抜けているわけではないことはこの曲に達する前に十分分かる。502 MIXとしてミックスし直された初期3曲は明らかに完成度が上がっていて素晴らしい仕上がりだし、「考える人」もたぶんこれで勝負に出ても大ヒットしただろう。企画以前もいいグループだったんだとは思ったけど、曲数が少ないミニアルバム編成では物足りない感じも強かった。次のシングル出してフルアルバムになる曲数揃ってからでもいいよとは思ったし、最終候補3曲のうち「さよならじゃない」だけこの後シングルで出すのが決まってるから収録しないというのもなんだかまとまりがない。ボツになった曲でもいいから10曲以上に何とか持っていけなかったとは今でも思う。マンションの部屋番号をタイトルにしたのにその部屋で作られた曲は2曲しか入ってないのではタイトルの意味も無いし、これまでのシングルを集めたベストアルバム的な作品だとも分からない。
今作の後は「さよならじゃない」「あいのうた」で2作トップ10ヒットが続いたが98年8月〜99年2月までリリースが少し開いた。結果論ではあるがリリースが開いてしまった98年後半に紅白出演の追い風にも合わせて今作を「さよならじゃない」「あいのうた」とその間に作った新曲も入れてフルアルバムとして発売すればもう少しアルバム単位でのファンがついていたんじゃないかとは思う。
印象度★★★★☆
2021.10.25修正