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No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 遥かなすぐ近くに | 松本一起 | 今井千尋 | 西平彰 | |
2 | 夏のラジオ(Album Version) | 売野雅勇 | 今井千尋 | 西平彰 | 12thシングル 最高49位 売上0.7万枚 |
3 | 一枚の葉 | 松井五郎 | 伊藤大介 | 山川恵津子 | |
4 | 誓い〜God bless our love | 湯川れい子 | 伊藤大介 | 山川恵津子 | |
5 | ハリネズミ | 康珍化 | 今井千尋 | 西平彰 | |
6 | 君にしかできないこと | 今井千尋 | 今井千尋 | 西平彰 | |
7 | ここにいる理由 | 川村真澄 | 今井千尋 | 西平彰 | |
8 | Hello Odyssey | 森雪之丞 | 今井千尋 | 山川恵津子 |
リリースデータ
2002年2月27日 | 初登場42位 | 売上0.7万枚 | Produced by Something ELse | 東芝EMI |
メンバー
Lead Vocal,A.Guitar | 大久保伸隆 |
Vocal,A Guitar | 伊藤大介 |
Vocal,Bass,Hand Clap | 今井千尋 |
Something ELse4thアルバム。前作から1年ぶり。収録曲がやや少なく8曲となっているがミニアルバムではなくフルアルバムに準ずる扱いで4thアルバムとされている(価格は2800円とやや抑えられていた)。前作以降11ヶ月シングルリリースも途絶えていたが2月6日に1年ぶりのシングル「夏のラジオ」が発売されて先行シングルとなった。「夏のラジオ」はAlbum Versionでシングルとはエレキギターの演奏者が変更され(シングルはMasumi Furukawa、今作はBrent Mason)、全体のエレキギターの演奏やギターソロが派手になっている。シングル、アルバム共にほぼ同じ売上となり、1万を割り込んだ。
今作では「君にしかできないこと」以外の歌詞がプロの作詞家に委託されている。今井千尋の歌詞は秀逸なものが多かったと思っていたので今作で歌詞がほとんど書かれていないのは率直に残念だった。これは後にサムエルは歌詞が弱いと言われていた事がきっかけになっているとスタッフに暴露(ドキュメントDVD『夏華』)されている。今井千尋の歌詞が弱いなんて周辺のスタッフしか言ってなかったんじゃないかとも思うんだけど…。プロの作詞家なんでまあ"巧い"といえばそうなんだけどどうにもらしさが無いというか、歌詞がプロになったところでサムエルが再評価されたりするのかといえば全くそんな効果などあるはずもなく、むしろ残っていたファンが残念がるくらいのマイナス効果しか生まなかったようにも思う。
ただ今作の真髄はSomething ELse独特のアコースティックを生かしたサウンド面がより磨かれてきた部分にあると思う。1曲目の「遥かなすぐ近くに」から今までにない開放感があって何かが変わったように感じられるんだけど、この曲では3人がきちんと演奏+ドラムとプログラミングという最小編成で3人の演奏を生かしている。「夏のラジオ」もこの編成にエレキギターを足したものだし、特に今井千尋のベース演奏は1,2,5,6,8と半数を越えた(今回はそれ以外は打ち込みになっているだけでサポートのベースが演奏している曲は無い)。逆に「ハリネズミ」は唯一伊藤がギターを弾いてなくてメンバー演奏が今井のベースのみとなっている珍しい編成だったりもする(ギターを演奏しているのは増崎孝司)。
そんなわけで今作は弱点の歌詞を補強したはずが、歌詞よりも磨かれたサウンド面に注目が行く。3〜7までけっこう地味なところはあるが、「遥かなすぐ近くに」「Hello Odyssey」の開放感は自分たちの演奏をより中心に置いたサウンドへ向かってく次回作以降の空気が感じられる。またジャケットやブックレットで示唆されているNature、Cityという分岐点の要素はこの後のベスト盤『TICKET』に通じている…など何かと次へ繋がっていく可能性の1作になったと思う。
印象度★★★★☆
2021.11.4修正