SOUL
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | DEPRESSION COLOR | 反町隆史 | 東野純直 | 中山弘 | |
2 | BLACK AND WHITE | 反町隆史 | 柴崎浩 | 中山弘 | 5thシングルC/W |
3 | PIECE OF LOVE(22 JAN.2000) | 反町隆史 | 篠原美也子 | 中山弘 | |
4 | TOWARD THE WIND | 反町隆史 | 柴崎浩 | 中山弘 | |
5 | WIND IS GONE | 反町隆史 | 篠原美也子 | 中山弘 | |
6 | BREAK DOWN THE WALL | 反町隆史 | 森田浩司 | 中山弘 | |
7 | DELIGHT | 反町隆史 | 近藤昭雄 | 中山弘 | |
8 | FREE | 反町隆史 | 反町隆史 | 中山弘 | 5thシングル 最高35位 売上1.1万枚 |
9 | PROMISED LAND | 反町隆史 | 柴崎浩 | 中山弘 | |
10 | EVER AND EVER | 反町隆史 | 中山弘 | 中山弘 | Instrumental(詞の記載はあるが歌っていない) |
リリースデータ
2000年12月6日 | 初登場100位 | 売上0.3万枚 | Produced by 中山弘 | キティMME |
反町隆史3rdアルバム。2年3ヵ月ぶりのオリジナルアルバム。前作以降は99年3月にベスト盤『BEST OF MY TIME』、99年12月には映画『GTO』主題歌として再録音したシングル『POISON movie mix』、00年3月には「POISON movie mix」を追加収録した『BEST OF MY TIME〜1999』がリリースされていたが新曲は長く途絶えていた。00年11月に自身主演ドラマ『ラブコンプレックス』主題歌となったシングル「Free」が久々の新作となり、そこから1ヶ月で今作が収録された。シングル時点で今作の制作は完了していてC/Wには今作のダイジェストリミックス「Piece of ”SOUL”」も収録されていた。シングル「Free」からはC/W含めて2曲とも収録。今作では曲タイトルが全て英語の大文字表記となっているためシングル時は「Free」「Black and White」だったが今作では「FREE」「BLACK AND WHITE」で大文字統一となっている。CD-EXTRA仕様で「FREE」のExtra Versionビデオクリップ、スクリーンセイバーを収録。初回盤は12ページ未公開ブックレットとされているが、別冊で付属するわけではなくブックレットの後半12Pが歌手デビュー以降の歴史を辿ったヒストリーフォトで構成されているというもの。
97年『ビーチボーイズ』、98年『GTO』の連続ヒットで一躍トップ若手俳優となって人気は絶頂に達した。翌99年1月の月9主演ドラマ「Over Time」こそ20%前後でまずまずのヒット作となったが、99年秋クールの「チープ・ラブ」では早くも平均15%を下回ってしまい、直後99年12月の映画『GTO』も大コケしてブーム的なトップ人気は一気に収束。以後主演作は続いたもののこれといって目立ったヒット作は出ていない。ドラマ『ラブコンプレックス』はかろうじて平均15%は越えたものの主題歌シングル「Free」はヒットには至らなかった。それでも1万枚を越えていてタイアップ効果はそれなりにあったようで、今作に至っては100位ギリギリのランクイン(当時O社集計は100位まで)となり、今作とその後のツアーを持って歌手活動はフェードアウトして終了した。その後03年に読売新聞夕刊のインタビューでは音楽はもうやらないのか?と聞かれ当面音楽活動をする気はないことを明言。以後ほとんど歌手活動について語る事も無く、俳優1本で現在に至っている。
前作から期間が開いたことに関しては、前作の時点で伝えたいことは出し切ったのでまた伝えたいことが溜まるまでこれだけ時間がかかったみたいなことをコメントしていた。「Free」で初作曲に挑んだものの、結局作曲は1曲ポッキリで、作曲には東野純直、篠原美也子、森田浩司といったシンガーソングライターや元WANDSで当時活動が止まっていたal.ni.coの柴崎浩といった初参加の面々が参加。柴崎浩はキャリア通じて初の外部への曲提供が今作だった。
作曲陣が新顔な一方でアレンジプロデュースを手掛けた中山弘は「POISON movie mix」から復帰して今作も全面プロデュース。これに伴い演奏ミュージシャンは1st以来の参加+初参加のメンバーで構成されている。ギターは中山弘、ベースは美久月千晴(6は打ち込み、7は中山弘がベースも兼任)、凄いのがドラムで山木秀夫、佐野康夫、松永俊弥、村石雅行、河村"カースケ"智康、湊雅史がズラリ勢ぞろいというちょっとした日本のドラマーオールスター状態。なんでドラムだけそんなとっかえひっかえで6人も呼んだのだろうか…。しかも前2作でそうる透、青山純なんかも参加していたからな…。
1stを手掛けた中山弘のアレンジだが作風は大きく異なり、かなり激しい爆音ロック系でさらに世紀末的な混沌とした複雑さも絡んだディープな作風となっている。後半は楽曲がほぼシームレスに繋がって進行していくが、最後の「EVER AND EVER」にいたってはブックレットに詞が書いてあるのにただ添えてあるポエムで実質は打ち込みのインスト。混沌としまくった挙句に謎なまま終結してしまう。音圧もバリバリに高くなっていて普段のボリュームで聞くとちょっと下げようかなと思うくらい爆音が凄い。負けじと反町のボーカルも激しめに叫ぶように歌っているので前2作とは一線を画す激しいアルバムだ。ただロックサウンドの聞き応えが凄い一方で反町のボーカルはかなり埋もれてしまっていて、しかも無理に叫び気味に歌うもんだからこもっていて聞き取りにくいボーカルがさらに聞き取りにくくなってしまい、終始ボエ〜ボエ〜と吼えているような感じに。ボエ〜と字面にするとジャイアンのリサイタルと同じになってしまうが、音痴なわけではない。ただ今作の反町ボーカルを言葉で表現するならボエ〜以外になくボエ〜が最適といえるだろう。
al.cni.coでは作曲での出番がほぼ無かったが、WANDS後期やアルバム曲で見せていたメロディーメイカーぶりを久々に見せてくれた柴崎浩始め、シンガーソングライター系の提供なのでメロディーだけ取り出すとけっこうシンプルにいいメロディーの曲が多く、自身作曲の「Free」も先行シングルとしては申し分ない。当時今作ほとんど聞かずに終わっていたんだけど久々に聞いてみたら意外なほどにけっこうメロディーを覚えていて改めて曲の良さを感じられた。そんな風に良くできたサウンドプロダクションに対して主役であるボーカルがボエ〜状態という噛み合ってなさ、激しいサウンドに乗せた重めのロックをやるには無理に潰したような声で激しい発声をしてもやはり根本的に無理があったようには思う。
初回盤ブックレットに掲載された12Pの歴代写真は結果的に音楽活動全ての時系列ヒストリーフォト集となった。無敵のカッコよさを誇った若き日の反町隆史の音楽活動時の写真全てが詰まっていてこの部分だけベスト盤よりベスト盤している。
印象度★★★☆☆
2021.1.21修正