葡萄(完全生産限定盤B)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | アロエ | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ&曽我淳一 | |
2 | 青春番外地 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
3 | はっぴいえんど | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
4 | Missing Persons | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
5 | ピースとハイライト | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 54thシングル 最高1位 売上37.4万枚 |
6 | イヤな事だらけの世の中で | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
7 | 天井棧敷の怪人 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
8 | 彼氏になりたくて | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
9 | 東京VICTORY | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 55thシングル 最高1位 売上13.9万枚 |
10 | ワイングラスに消えた恋 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 原由子ボーカル曲 |
11 | 栄光の男 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 54thシングルC/W |
12 | 平和の鐘が鳴る | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
13 | 天国オン・ザ・ビーチ | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 55thシングルC/W |
14 | 道 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
15 | バラ色の人生 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
16 | 蛍 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 54thシングルC/W |
弦編曲:島健(1,3,8,12)
管編曲:曽我淳一&山本拓夫(2)、原由子&山本拓夫(5)、島健(7)
弦・管編曲:島健(10,16)、曽我淳一(13)
No | タイトル | 備考 |
1 | Making Movie〜ピースとハイライト | 会場入りから開演前のメイキング映像〜54thシングル |
2 | 東京VICTORY | 55thシングル |
3 | 天国オン・ザ・ビーチ | 55thシングルC/W |
4 | 栄光の男 | 54thシングルC/W |
リリースデータ
2015年3月31日 | 初登場1位 | 売上53.8万枚 | ビクター |
メンバー
Vocal,Acoustic Guitar,Electric Guitar,12 Strings
Guitar,Bass,Synthesizer Bass, Blues Harp,Bicycle Horn,Cowbell,Cymbal,Tambourine,Wind Chime&Hand Claps |
桑田佳祐 |
Bass | 関口和之 |
Drums,Tambourine,Backing Vocal&Voice | 松田弘 |
Piano,Electric Piano,Hammond Organ,Rhodes,Celesta,Synthesizer&Vocals | 原由子 |
Conga,Cowbell,Tambourine,Quijada&Voice | 野沢秀行 |
サザンオールスターズ15thアルバム。9年半ぶりのアルバム。前作以降08年に無期限活動休止を宣言。13年に活動を再開した。休止前のシングル「DIRTY OLD MAN」「I AM YOUR SINGER」は未収録。活動再開以降の2シングルからC/W含めて5曲が収録された。未収録になったC/Wは2シングルから1曲ずつ「人生の散歩道」と「パリの痴話喧嘩」の2曲。「蛍」の編曲表記はシングルでは桑田佳祐&片山敦夫となっていたが今作ではバンド名義に表記変更されている(表記のみで音源は変わっていない模様)。シンセサイザーやプログラミング担当として2011年から桑田ソロに参加していた曽我淳一がサザンのアルバムには初参加し、ほぼ全面的に参加している。このためか前作にはあったメンバーのプログラミング表記が無くなり、以前のシンセ&プログラミング担当だった角谷仁宣の出番は大幅に激減している。マスタリングはビクターの内田孝弘と近年の桑田ソロから参加しているTED JENSENの2人が担当。
完全生産限定盤AはTシャツ、桑田への単独インタビューと桑田による全曲解説、スタッフによる全曲のレコーディングレポートや活動再開以降のフォトダイジェストなどを掲載した本「葡萄白書」、年越しライブから4曲を収録したDVDが付属する特製BOX入り仕様。
完全生産限定盤BはAからTシャツを省いた内容。今回入手したのはこれ。
通常盤はCDのみ。
アナログ盤は4月8日に発売された。
ソロもサザンもサポートメンバーがほぼずっと一緒の状態が続いていたが2011年以降に桑田ソロに新たに参加するようになった曽我淳一がそのままサザンにも参加した事が前作までと大きく異なる部分。今作が今までと違う、ちょっとサザンとしては新しく聞こえるとすれば曽我淳一の功績によるところが大きいと思う。ソロも含めて考えれば10年前の前作『キラーストリート』よりはソロの『MUSICMAN』の延長にあるような作風になっている。前作は世間が求めるサザン像にひたすら答えるという消耗戦のような大作という側面もあったけど、1度休止したりいろいろあったことでアラ還(Around 還暦)に差し掛かった今のサザンが強く反映されているようだ。
全体に和のテイストというか、昭和の歌謡曲のエッセンスが散りばめられていたり、随所に老いの視点が見られるところが今作の最大の特徴だと思う。このため夏だ!海だ!お祭りだ!的な休止前のサザンが疲弊する要因にもなったようなお祭りナンバーはおふざけ路線の「天国オン・ザ・ビーチ」程度。ただ老いて落ち着いてしまったわけではなく、今のサザンにしか出来ない境地を見せてくれた感じで、逆に新しい。もう少し前だったら歌謡臭に対して苦手意識があったので古い感じで力作だけど好みに合わない、微妙、★3とかいう印象のアルバムになっていたかもしれないが、自分も年を取ったせいか、今はこれが良いと思えた。今作も大作だが1曲1曲の個性が強く、これまでのように名曲がある一方で何だか良く分からない曲も多いみたいな感じでは無く全体のアベレージが高いので総じて満足度が高い。最高傑作とまでは行かないけどほぼそれに近く、サザンとしては『Young Love』『さくら』に続く3番目に好きなアルバムになりそうだ。
「葡萄白書」には前作より長い桑田の解説や、今回はスタッフによるレコーディングレポートも記載されている。かなり読みごたえがあるので、今作を聞くなら入手した方がより楽しめる。前作に続いてベースを桑田が弾いたり、曽我による打ち込みで済ませた曲も多いようで、前作ほど厳密に言及されていないものの、桑田、曽我、斎藤誠(ギター)、原、松田に比べると関口と野沢の名前が解説に登場する頻度は少ない(ただし前作同様に桑田の全曲解説ではメンバー各々の演奏を称賛している箇所が必ずある)。最早サポートメンバーの方が重要な立ち位置を占めている状況が覆るとは思わないけど、そんな中でもメンバーだけで演奏したシンプルなロックナンバーとか、桑田以外のメンバーの作詞作曲、また桑田・原以外のボーカル曲とかも聞いてみたい…。
DVDの方は特製BOXや本までついている今作においては収録内容も発売直前まで不明のままで、文字通りにボーナス的な扱いになっていて外付けの紙ジャケ封入という形になっている。紅白歌合戦で中継もされた年越しライブの模様を収録しており、少しながら開演前のメイキングも見ることができるほか、ライブも充実した内容。
印象度★★★★★