稲村ジェーン

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 稲村ジェーン LUIS SARTOR 桑田佳祐 小林武史&桑田佳祐 スペイン語詞
2 希望の轍 桑田佳祐 桑田佳祐 小林武史&桑田佳祐  
3 忘れられたBIG WAVE 桑田佳祐 桑田佳祐 SOUTHERN ALL STARS&門倉聡 9thアルバム『Southern All Stars』収録曲
4 美しい砂のテーマ   桑田佳祐 小林武史&桑田佳祐 インスト曲
5 LOVE POTION NO.9 MIKE STOLLER&
JERRY LEIBER
小林武史&桑田佳祐 シングル『愛して愛して愛しちゃったのよ』C/W
ザ・クローヴァーズ、ザ・サーチャーズのカバー 全英語詞
6 真夏の果実 桑田佳祐 桑田佳祐 SOUTHERN ALL STARS&小林武史 28thシングル 最高4位 売上54.9万枚
7 マンボ LUIS SARTOR 桑田佳祐 SOUTHERN ALL STARS,
小林武史&門倉聡
スペイン語詞
8 東京サリーちゃん 桑田佳祐 桑田佳祐 小林武史&桑田佳祐  
9 マリエル LUIS SARTOR 桑田佳祐 小林武史&桑田佳祐 スペイン語詞
10 愛は花のように(Olé!) LUIS SARTOR 桑田佳祐 SOUTHERN ALL STARS&小林武史 スペイン語詞 9thアルバム『Southern All Stars』収録曲
11 愛して愛して愛しちゃったのよ 浜口庫之助 浜口庫之助 小林武史&桑田佳祐 原由子&稲村オーケストラ シングル(カット) 最高49位 売上1.3万枚
マヒナスターズのカバー

Horn Arranged by 松本治(7)

※シングル200位以内データ(05年再発加算)

リリースデータ

1990年9月1日
1998年5月21日(再発)
2008年12月3日(リマスター再発)
初登場1位
初登場92位
初登場117位
売上131.1万枚
売上0.3万枚
売上0.2万枚(300位集計)
Produced by 桑田佳祐、小林武史 ビクター

サザンオールスターズメンバー

Lead Vocals,Guitar 桑田佳祐
Guitars,Back Vocals 大森隆志
Keyboards,Vocals 原由子
Bass,Back Vocals 関口和之
Drums,Back Vocals 松田弘
Purcussions,Back Vocals 野沢"毛ガニ"秀行

サザンオールスターズ&オールスターズ名義で発売された桑田佳祐が監督した映画『稲村ジェーン』のサウンドトラック。当時はその作品内容からサザンの公式オリジナルアルバムとは別枠扱いされていたが98年の再発で普通に10thアルバムと定義されて以降、現在はサザンオールスターズの10thアルバムとしてカウントされている。前作収録の2曲とサザンとしてリリースした映画主題歌でもあるシングル「真夏の果実」以外に新たにサザン名義として収録されたのは「マンボ」のみ。合計4曲しかサザンオールスターズ名義での曲は収録されていない。それ以外の曲は基本的に桑田のソロ作品となっていて小林武史やギタリストの小倉博和らサポートメンバーによる演奏。これは稲村オーケストラとも言われているが実際のジャケットやパッケージ、歌詞カードにその名称の記載はない。インスト曲である「美しい砂のテーマ」は桑田も演奏には参加していない。サザン名義の4曲を除く7曲で桑田以外のメンバーは松田弘が「稲村ジェーン」「マリエル」でドラムを、「愛して愛して愛しちゃったのよ」でシンバルを叩いているのと原由子が「愛して愛して愛しちゃったのよ」でボーカルを担当しているのみ。「愛して愛して愛しちゃったのよ」は9月21日に"原由子&稲村オーケストラ"名義でシングルカットしている。C/Wには「LOVE POTION NO.9」が収録された。稲村オーケストラの名称が使用され始めたのはこのシングルカット以降ではないかと思われる。98年に1st〜11thアルバム、バラッド2作が一気に再発され、08年にはオリジナルアルバム14作が一斉にリマスター再発された。現在はこのリマスター盤が現行盤となる。ビクター独自のK2HDマスタリングが施されている。リマスターは袴田剛史が担当。リマスター盤の初回盤はデジパック仕様。また映画『稲村ジェーン』は翌1991年にVHS/LDで発売されたっきりで長年DVD化されずに半ば封印作のようになっていたが2021年6月25日にBlu-ray/DVD化された。

映画のサントラということで少々異色の仕上がりになっている。スペイン語の曲が4曲も入っているなどラテン色も強い。しかしこれだけサザンや桑田ソロ関連作がリマスター再発、映像もDVD化が進んだ中で肝心の映画そのものが2021年までDVD化されなかったというのは謎だ。VHS再生環境が貴重になっていった00年代半ば以降15年以上もVHS/LDのみのままというのは最早封印作と化したと言ってもいいような状態。現在は映画との親和性などを確認する環境が整っているとは言い難く、音楽作品だけが残っている感じ。桑田佳祐の監督業もこれっきりだった。当時は自信作だったらしいけど…。

各楽曲の合間では映画『稲村ジェーン』を見に来たという設定でのカップルの会話が収録されている。「希望の轍」のように曲だけで独立している曲もあるが、名曲「真夏の果実」は曲の終わりに会話が収録されている。会話は正直1,2回聞けばもう十分なので、アルバムとして繰り返して聞くには少々邪魔になってくる。「希望の轍」と「真夏の果実」は現在はサザンの中でも人気が特に高い外せない大名曲なんだけど、サザンの作品としては何とも微妙な1作だ。メンバーがほとんど参加してないっていうのはやはりサザンの10thアルバムとするにはどうにもこうにも…。というのもサザン名義の曲でも「忘れられたBIG WAVE」は桑田の多重コーラスだけのメンバー不参加曲だし、「真夏の果実」もほとんど桑田と小林だけで作ったっぽいサウンドだし、「愛は花のように(Olé!)」も小倉博和がギター担当しちゃってるし。ギタリスト小倉博和が全面的に起用されているのは94年の桑田ソロ2nd『孤独の太陽』に通じていく部分であり、サザンでもそうだけど桑田ソロ作品を辿っていく上で重要な1作かも。

B001JTMMJ82008リマスター盤  B00005GXM598年盤   B00005I7JX90年盤

印象度★★★☆☆

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