キラーストリート
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | からっぽのブルース | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
2 | セイシェル〜海の聖者〜 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
3 | 彩〜Aja〜 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ &片山敦夫 |
48thシングル 最高1位 売上27.7万枚 |
4 | JUMP | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
5 | 夢と魔法の国 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
6 | 神の島遥か国 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 51stシングル両A面曲 |
7 | 涙の海で抱かれたい 〜SEA OF LOVE〜 |
桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 47thシングル 最高1位 売上73.6万枚 |
8 | 山はありし日のまま | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 原由子ボーカル曲 |
9 | ロックンロール・スーパーマン 〜Rock'n Roll Superman〜 |
桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
10 | BOHBO No.5 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 51stシングル 最高3位 売上25.8万枚 |
11 | 殺しの接吻〜Kiss Me Good-Bye〜 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
12 | LONELY WOMAN | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 50thシングル両A面曲 |
13 | キラーストリート | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | ||
14 | 夢に消えたジュリア | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 49thシングル両A面曲 |
15 | 限りなき永遠の愛 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ |
管編曲(3,7,10)=山本拓夫、弦編曲(7)=島健&原由子、弦編曲(9)=片山敦夫、弦編曲(11,12,15)=島健、英語補作詞(12)=岩本えり子
弦&管編曲(14)=島健
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | ごめんよ僕が馬鹿だった | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
2 | 八月の詩 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
3 | DOLL | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 49thシングルC/W |
4 | 別離 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
5 | 愛と欲望の日々 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 50thシングル 最高1位 売上36.5万枚 |
6 | Mr.ブラック・ジャック〜裸の王様〜 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
7 | 君こそスターだ | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 49thシングル 最高1位 売上45.0万枚 |
8 | リボンの騎士 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ &斎藤誠&片山敦夫 |
原由子ボーカル曲 |
9 | 愛と死の輪舞 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
10 | 恋人は南風 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | 47thシングルC/W |
11 | 恋するレスポール | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
12 | 雨上がりにもう一度キスをして | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ &斎藤誠 |
47thシングルC/W |
13 | The Track of the Japanese Typical
Foods called “Karaage”&“Soda” 〜キラーストリート(Reprise) |
桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ | |
14 | FRIENDS | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ &片山敦夫 |
48thシングルC/W |
15 | ひき潮〜Ebb Tide〜 | 桑田佳祐 | 桑田佳祐 | サザンオールスターズ |
管編曲(1,5)=山本拓夫、弦編曲(4)=片山敦夫、弦&コーラス編曲(15)=島健
FILM KILLER STREET(38分) |
リリースデータ
2005年10月5日 2008年12月3日(リマスター再発) |
初登場1位 初登場122位 |
売上113.2万枚(300位集計) 売上0.2万枚(300位集計) |
ビクター |
メンバー
Vocal,Chorus,Electric&Acoustic Guitars,Bass,Synthesizer
Bass, Keyboards,Harmonica,Drum Programming,Percussion,Hand Claps |
桑田佳祐 |
Bass,Acoustic Bass,Ukulele | 関口和之 |
Drums,Drum Programming,Percussion,Chorus | 松田弘 |
Piano,Electric Piano,Hammond Organ,Keyboards,Vocal,Chorus,Hand Claps | 原由子 |
Percussion | 野沢秀行 |
サザンオールスターズ14thアルバム。前作『さくら』から8年。ギターの大森隆志脱退後、桑田のソロ活動を経て復活した03年以降のシングルを収録。これにより『さくら』以降00年までのシングルである「イエローマン〜星の王子様〜」、「TSUNAMI」、「HOTEL PACIFIC」、「この青い空、みどり」が未収録。『バラッド3』に収録された「TSUNAMI」以外の3曲はアルバム未収録のまま。シングルの大半は新たにリミックスされたり一部音が足されたりといった細かい変更が行われている。リミテッドパッケージ(初回盤)はDVDとブックレットに桑田のセルフライナーノーツがついていて4500円。通常盤はCDのみで4200円。通常盤は05年当時の2枚組CDとしてはやや高めな値段設定だった。このDVDにはインタビューも少々あるにはあるが40分間レコーディング風景が延々と収録されている。08年にはオリジナルアルバム14作が一斉にリマスター再発された。現在はこのリマスター盤が現行盤となる。ビクター独自のK2HDマスタリングが施されている。リマスターは袴田剛史が担当。リマスター盤の初回盤はデジパック仕様。
大多数が期待するシングル的作品がアルバム曲にも多数並んでいる。まさにライトリスナーの最大公約数に応えたようなアルバム。それだけに全30曲というボリュームながら半ベスト的な聞きやすさがある。個人的にはある程度満足しつつも『Young Love』や『さくら』で見せたギターの効いたロックバンドっぽさがほとんど感じられなかったので、なんだか物足りない印象も持ってしまった。凝ってはいるのだが基本的にシングルで見せたようなポップサウンドが中心。シングルでも以前のような外した曲はやらなくなり、ひたすら一般イメージに応えたようなヒットチューンを繰り返すようになった。大衆ウケを狙うのは別に悪くないしそういう方向性は好きだし、もっと別の歌手がこういうアルバムを出してきたらこれは文句なしの傑作だろう。それでもサザンのアルバムとしては前2作が好きな俺でも物足りないと思ったのだからそれ以前を愛すファンにはもっと色々思うところがありそうだ。そのため意外とコアなファンほど賛否両論なアルバムにもなってしまった。ただ他のアルバムはマニアックだったり地味なアルバム曲の連発で期待外れに感じてしまうライトリスナーも多いと思うけど、今作はヒットシングル多数収録、それに準じたポップなアルバム曲も多数並んでいるので聞きやすさという面では過去最高ではあると思う。『海のYeah!!』と『バラッド3』と並んで最初に聞くなら今作が1番入りやすいのも確かだ。
もう少し今作におけるサザンのバンドとしてのバランスについて書いておく。サザンにおいて桑田は今までVocal,Guitarという表記しかしていなかった。ところが01年以降のソロ活動では他の楽器(ベース、キーボード、ドラム)もクレジットされるようになり、03年にサザン復活してからはサザンでもメンバーで間に合ってる楽器までクレジットされるようになった。そして結果的に今作のクレジットは上記のように過去最高にすごいことになっている。また初回盤のライナーノーツでも最初の方で「曲によって異なったニュアンスを出すために今作でも数作ほど私がベースを弾いている」と堂々コメント。今作もということは『さくら』以前もそうだったのかそれともシングルに続いてということなのか分からないがベースに関してはライナーノーツで桑田が弾いていると明言している曲が「からっぽのブルース」「彩〜Aja〜」「ロックンロール・スーパーマン」「夢に消えたジュリア」「愛と欲望の日々」「Mr.ブラック・ジャック」。大森が抜けたギターに関しては後輩である斎藤誠がソロ活動含めてほぼ全面的にサポートしている。小倉博和の起用は大森脱退以前と同様にここぞというところで抑えのように登板させている。一方で03年に復活した時から腰痛の悪化でライブを休んだりしていた野沢秀行だが今作制作時も腰痛が厳しく、ほとんどの曲で三沢またろうがパーカッションを担当している。キーボードに関してもほぼ全面的に桑田ソロでもメインメンバーである片山敦夫が担当、原とパートを分け合ったりして弾いているようだ。今作ではメンバーと綿密にコミュニケーションを取りながら制作したとされており、ドキュメント映像からもそれは伺えるとはいえ、桑田がソロで起用しているサポートメンバーを入れまくったり、桑田自らメンバーの楽器を弾いてそれを明記するようになったりと、メンバー外部の参加もかなり多くなってしまっている。90年代前半にも一時そうなりかけたが今作はそれ以上。前2作は6人組バンドに立ち返っており、サザンはバンドとして再生したかに思えた。だが「TSUNAMI」以降でバンドの環境が大きく変わった事でサザンオールスターズ&オールスターズ化が進んでしまった。これがやがて08年の無期限休止宣言に繋がっていくような気はどうしてもしてしまう。
08年のリマスター盤はさすがに3年しか経ってないのでほとんどどこが違うのか分からない。ただ通常盤4200円だったのがリマスター盤は3200円と1000円も割引になったので価格面ではお得になっている。
この後、桑田はソロ活動においてTed Jensenのマスタリングに魅了されたらしく『MUSICMAN』以降Tedを連続起用するようになる。それまではサザンでも桑田でも全てビクター社内の人間が担当していた。Tedが手掛けた2012年の桑田ソロベストのリマスターはかなり音が派手になったので既に02年に1度リマスターされた音源と比較しても違いが分かりやすかったが、この08年の一連のリマスターはそれに比べると新しい作品ほどかなり違いが繊細で分かりにくいという面はあった(もちろん初期ほど音質の向上は感じられたが)。2013年のサザン復活時にも引き続きTedを起用している。もう一通りリマスターしてしまったので改めてやり直すことは新しいベスト盤を出す時以外には無いだろうけど、Ted Jensenによるサザンリマスターは聞いてみたかった気はする。
印象度★★★★☆