ひみつスタジオ【デラックスエディション】

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 i-O(修理のうた) 草野正宗 草野正宗 スピッツ&亀田誠治  
2 跳べ 草野正宗 草野正宗 スピッツ  
3 大好物 草野正宗 草野正宗 スピッツ&亀田誠治 45thシングル(配信)
4 美しい鰭 草野正宗 草野正宗 スピッツ&亀田誠治 46thシングル 最高4位 売上2.9万枚
5 さびしくなかった 草野正宗 草野正宗 スピッツ&亀田誠治  
6 オバケのロックバンド 草野正宗 草野正宗 スピッツ&亀田誠治 全員ボーカル曲
7 手鞠 草野正宗 草野正宗 スピッツ&亀田誠治  
8 未来未来 草野正宗 草野正宗 スピッツ&亀田誠治  
9 紫の夜を越えて 草野正宗 草野正宗 スピッツ&亀田誠治 44thシングル(配信)
10 Sandie 草野正宗 草野正宗 スピッツ&亀田誠治  
11 ときめきpart1 草野正宗 草野正宗 スピッツ&亀田誠治  
12 讃歌 草野正宗 草野正宗 スピッツ&亀田誠治  
13 めぐりめぐって 草野正宗 草野正宗 スピッツ  

 

デラックスエディションのみDISC 2 SHM-CD
Spitzbergen 30th Anniversary Tour
“GO!GO!スカンジナビア vol.8”
No タイトル 作詞 作曲 収録日 備考
1 ありふれた人生 草野正宗 草野正宗 2022.11.10 11thアルバム『スーベニア』収録曲
2 砂漠の花 草野正宗 草野正宗 2022.11.12 12thアルバム『さざなみCD』収録曲
3 スピカ 草野正宗 草野正宗 2022.11.12 19thシングル両A面曲
4 大好物 草野正宗 草野正宗 2022.11.10 45thシングル(配信)
5 あかさたな 草野正宗 草野正宗 2022.11.12 スタジオ音源未発表曲
14thアルバム『小さな生き物』デラックスエディション、
15thアルバム『見っけ』デラックスエディション(FC限定)にライブ音源で収録

 

デラックスエディション・初回盤のみ
Blu-ray or DVD
No タイトル 備考
1 美しい鰭 Music Video 46thシングル Music Video
2 オバケのロックバンド Music Video 今作収録曲 新規制作Music Video
3 讃歌 Music Video 今作収録曲 新規制作Music Video
4 大好物 Music Video 45thシングル(配信) Music Video
5 紫の夜を越えて Music Video 44thシングル(配信) Music Video
6 烏滸がましい鰭 Short Movie ショートムービー

リリースデータ

2023年5月17日
2023年5月31日(アナログ盤)
初登場2位 売上13.2万枚 Produced by スピッツ&亀田誠治
except 「跳べ」「めぐりめぐって」Produced by スピッツ
ポリドール(ユニバーサル)

メンバー

Vocals,Guitars 草野マサムネ
Guitars 三輪テツヤ
Bass Guitar 田村明浩
Drums 崎山龍男

スピッツ17thアルバム。前作から3年半ぶり。前作以降リリースされたシングルのうち3シングルを収録。最も古い2020年の43rdシングル(配信)「猫ちぐら」のみ未収録、未CD化のままとなった。ユニバーサルに買収された後、2002年頃に名称も消滅していたポリドールが組織改編により2023年に復活した事に伴い、スピッツの所属もそのままPolydor Recordsへと移動した。かつての品番(POCH)までは復活しておらずユニバーサルのUPCH品番のままとなり、発売・販売元もユニバーサルのままだが、制作がPolydor Recordsとなった。ずっと所属していたスピッツへは感謝のメッセージが公開された。

基本的に前3作を踏襲した上位互換3種発売、LP、そして今回はカセット販売が追加されているが、最上位盤となるデラックスエディションは前2作ではファンクラブ限定だったが今作ではUNIVERSAL MUSIC STORE限定盤となり、ファンクラブ会員以外でも購入可能となった。

デラックスエディションUNIVERSAL MUSIC STOREでの4月2日までの予約限定。FCツアー「Spitzbergen 30th Anniversary Tour “GO!GO!スカンジナビア vol.8”」から5曲を収録したライブCD+MV5曲に「美しい鰭」のドラマ部分を拡大したショートムービー「烏滸がましい鰭」を追加収録したBlu-ray or DVD+GOODS(ポストカード10枚セット)。三方背ケース入り紙トレイ仕様。『小さな生き物』以降の前3作の最上位盤とほぼ同デザインの映像作品サイズのBOXケース+紙トレイケースとなっている。
初回限定盤はデラックスエディションのBlu-ray or DVDから「烏滸がましい鰭」をカットしたMV5曲を収録したBlu-ray or DVDのみが付属。三方背ケース入り紙トレイ仕様。こちらは通常のケースよりやや縦長のBOXケース+紙トレイケースとなっていて、前2作の初回盤とほぼ同デザイン。
通常盤はCDのみ、通常のプラケース仕様。
カセット、アナログ盤も発売。アナログ盤のみ5月31日発売。

発売日に「ときめきpart1」のMVがYouTubeで公開されたが今作のDVD/Blu-rayには未収録。逆に今作に収録された「オバケのロックバンド」「讃歌」、ショートムービー「烏滸がましい鰭」はYouTubeでは非公開となっている。

『小さな生き物』の2番目(期間限定盤)だけ確かちょっとデザインが異なっているものの、最上位盤は4作連続、初回盤は3作連続でほぼ同じ仕様のパッケージとなったが、これはファンが揃えて並べやすいようにフォーマットを固めたのだろうか。今回は2作連続だったファンクラブ限定商法が緩和され、UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤となって誰でも買えるようになったため、『小さな生き物』以来となるデラックスエディションを入手した。といっても販売場所が変わったとはいえ今回も発売遥か前の3月31日(延期して4月2日)までの予約販売だったので発売の1ヶ月半前には既に入手不可能となった。FC会員である必要は無くなったので前2作ほどではないとは思うがどっちみち後追いでの入手は難しいと思われる(中古は高騰)。デラックスエディションはロゴ入りのレモンイエローの配送ボックスに封入された状態で届けられたが、輸送段ボールなのでヤマトの人も特に気を遣う事も無く、配送伝票をベッタリ(あと発送後に不在を避けるために追加で時間指定を行ったので配達時間指定のシールもベッタリ)と貼られており、どう頑張ってもビリビリズバズバしないと開封できず、取っておいても仕方ないので輸送箱に関してはそのまま翌日のゴミの日に運ばれていく事となった。コアなファンは大事に取っておきたいところなんだろうけど…本気で保存するつもりならシール剥がし的なアイテムは必須だろう。

「あかさたな」は『小さな生き物』デラックスエディションの撮り下ろしライブ映像で初出の楽曲だったが前作『見っけ』のFC限定デラックスエディションでFCライブの映像が収録され、2作連続で今作にも最新のFCライブ映像で収録…とスタジオ音源未発売のままでまさかの3度目のライブバージョン収録という事になった。

なお10年前にロックバンドにストリングスが多すぎると警鐘を鳴らして『小さな生き物』以降ストリングス不使用を貫いてきたが、今作では○○ストリングスとして複数名での起用は引き続きしていないが「ときめきpart1」でバイオリン奏者1名をサポートに迎えている。

前作はサビどこ路線(サビがどこなのかイマイチハッキリしない、もしくは盛り上がり切らないまま淡々と流れ去っていく)がかなり極まってきている印象で、配信の「猫ちぐら」も同様だったが、その後の「紫の夜を越えて」「大好物」ではサビらしいサビが復活、先行シングル「美しい鰭」はコナンタイアップも重なって久々にシングルヒット曲らしい風格の先行シングルとなり、期待値が上昇。今作はその上昇した期待値にしっかり応えてくれる良作。全体に今更大きな変化はなく、いつものスピッツといえばいつものスピッツなんだけどここに来てさらに落ち着いたり、枯れた味わいを見せるのではなく、鮮度が増したというか衰え知らずの実力を見せつけてきたようなファン向けに留まらない外向けの広がりがある。前作よりもサビがハッキリした曲が多いので単純に1曲1曲のインパクトが戻ったというのもあるが、ここ最近よりはポップさも意識したのかなという感じもあり、聞きやすい。1つ大きなトピックとしては初の4人全員ソロボーカルがある「オバケのロックバンド」だろうか。これまで全員で合唱するような曲はあってその際は"sing-along"表記だったが、この曲では全員が初の"Vocal"クレジットで、1番は草野→崎山、2番は田村→三輪の順番にソロ歌唱し、サビは全員で歌っている。3人のボーカルはうまくはないが味わいがあり、これはかなりプレミア感がある。

『三日月ロック』で亀田誠治を起用してスピッツサウンドが完成して以降、それまでのような変化が無くなり安定期が20年以上続いているが、『小さな生き物』以降は一気にこじんまりしてきた印象で以前ほど印象に残らなくなってきていた。『醒めない』はそんな中では好印象ではあったんだけど今回聞き直してみたら意外と覚えてなくて表題曲のインパクトが強かったというのが大きかったようだ。今作は『小さな生き物』以降では最も個々に覚えている曲が多いアルバムになりそう。最高傑作とまでは思わないが、匹敵していくような印象ではあり、そんなアルバムが今になって出てくるとは思わなかった。

デラックスエディションのライブ音源は珍しい曲が久々に聞いた感じで良かった。映像の方は「烏滸がましい鰭 Short Movie」が追加収録となっていて、これは「美しい鰭」では上白石萌歌が家出して廃校の体育館で弾き語りしていたら少年に出逢い、家出したはずなのに家族が合流して少年のために海の音を再現して聞かせてあげる…というざっくりとしか分からなかったストーリーの完全版的な内容。家出する流れや少年との交流、家族と合流する経緯など台詞なしでは良く分からなかった内容がドラマになった事で分かるようになっている。…が、しかし結局少年が何者でどこから来たのかは最後まで判明しない。作中の台詞で家族からもあの子どっから来たの?親は?と上白石萌歌に率直に疑問をぶつけるシーンもあるんだけど上白石萌歌も分かってないのでそのまま少年本人にも聞かずに放置っていう。スピッツ無関係だし(序盤で体育館にやってきたところで上白石萌歌が「美しい鰭」弾き語りするだけ)、結局なんだったんだこのショートムービー…。

B0BVG7BG59初回盤Blu-ray付  B0BVG991NQ初回盤DVD付  B0BVG7T6LK通常盤 B0BVG63RDXアナログ盤   B0C5HSFDZ8デラックスエディション

印象度★★★★☆

2023.6.17更新

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