醒めない(初回盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 醒めない | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ&亀田誠治 | |
2 | みなと | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ&亀田誠治 | 41stシングル 最高6位 売上2.5万枚 |
3 | 子グマ!子グマ! | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ&亀田誠治 | |
4 | コメット | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ&亀田誠治 | |
5 | ナサケモノ | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ&亀田誠治 | |
6 | グリーン | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ&亀田誠治 | |
7 | SJ | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ&亀田誠治 | |
8 | ハチの針 | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ&亀田誠治 | |
9 | モニャモニャ | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ&亀田誠治 | |
10 | ガラクタ | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ&亀田誠治 | 41stシングルC/W |
11 | ヒビスクス | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ&亀田誠治 | |
12 | ブチ | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ&クジヒロコ | |
13 | 雪風 | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ&亀田誠治 | 40th(配信限定)シングル 初CD化 ボーカル再録音 |
14 | こんにちは | 草野正宗 | 草野正宗 | スピッツ |
No | タイトル | 備考 |
1 | 醒めない Music Video | Music Video |
2 | みなと Music Video | Music Video |
3 | ヒビスクス Music Video | Music Video |
4 | オフショットムービー in HAWAII | 「ヒビスクス」MVを撮影したハワイでのオフショット映像 |
リリースデータ
2016年7月27日 2017年7月5日(LP) |
初登場2位 初登場65位 |
売上13.9万枚 売上0.11万枚 |
Produced by スピッツ&亀田誠治 except 「ブチ」「こんにちは」Produced by スピッツ |
ユニバーサル |
メンバー
Vocals,Guitars | 草野マサムネ |
Guitars | 三輪テツヤ |
Bass Guitar | 田村明浩 |
Drums | 崎山龍男 |
スピッツ15thアルバム。2年10ヵ月ぶりのアルバム。前作以降にリリースされた配信限定の「雪風」(初CD化)、先行CDシングルの「みなと」とC/W「ガラクタ」の3曲全てが収録された(公式に配信限定も通常シングルとして通算でカウントされている)。「雪風」はボーカルのみ再録音されている。初回盤はMV3曲とハワイでのオフショット映像を収録したBlu-ray付もしくはDVD付。さらにFC限定ライブから10曲を収録したライブCDが追加で付属するデラックスエディションも存在するがFC会員限定予約販売となり、一般販売はされていないどころか5月半ば以降に新規入会しても購入不可能だった。FC限定盤が最上位盤となるのは初。通常盤のみ普通のCDだが、初回盤及びデラックスエディションはSHM-CD仕様となる。
アナログ盤はCDと同時発売された。2017年にはミニアルバム含めて16作が『CYCLE HIT』と同時発売で完全受注生産限定で重量盤として改めてアナログ盤として発売された。今作に関しては前の発売から1年経過していなかった事もあり、"全作品、音源をニューカッティング ※最新アルバム『醒めない』を除く"と記載されている。この際には16作全てがトップ100入りを果たした。
また『ハヤブサ』でマスタリングにStephen Marcussenを起用して以降、旧作リマスター及び前作まで現存するアルバムでは『花鳥風月』以外の全アルバムのマスタリングをStephen Marcussenが担当していたが、今作では録音ミックスのエンジニアである高山徹がマスタリングまで一貫して手掛けている。
前作リリース時のインタビューではちょろっと語っていた程度だった近年ロックバンドにストリングスが多いので自分たちは使わないことにしたという宣言だが、今作では公式のライナーでも1番最初に掲載するなど大々的に言及を行っている。最近っていうかもうそうなって10年以上経過するし、雑誌のインタビューではレミオロメンを例に挙げていたが休止前最後の作品から既に5年以上が経過していて全然「最近」とか「今」ではない。5年前でも最近とか今の感覚になっているのはさすがに年齢を重ねた事を感じざるを得ないところか。厳密にはここ1,2年のJ-POPはストリングスで盛り上げるのがあまりにパターン化してリスナーに飽きられてきている感もあって、少なくとも大作ストリングスバラードがヒットする時代のピークは過ぎたと思う。ただ今回は前作時より大々的にストリングスについて言及したのでこれで一気に管弦バランス良く、必要なここぞという時に適正に使用する流れが定着するならこれ幸い。
そんなわけでストリングスを使用しない今作だがインタビューでは1曲目からトランペットが思いっきり鳴っている事を問われてラッパに関しては使ってもいいという判断だという事も語っていて1曲目「醒めない」ではトランペットを導入。基本は4人のバンド演奏+適宜キーボード+αといったシンプルなアレンジだが、ストイックに4人だけのサウンドにこだわっているというわけではなく、適宜外部音も入れていてJ-POPのロックバンドとしても聞きやすいというスピッツらしさは特に変わっていない。なので細かいことを気にせずに聞けば安定安心のいつものスピッツだ。
先行シングルがかなり地味だったが、アルバム曲は勢いのあるロックナンバーも多く、「醒めない」で長年のリスナーでもまだまだスピッツ熱は冷めないなと改めて思う人が多いんじゃないかと思うけど、今作はまさにそんな「醒めない」ロックバンドへの衝動と年齢を重ねていい感じに落ち着いてきた部分が混ざり合っている印象。尖った感じはさすがにもうあまりないし、過去の名盤を凌駕するかというと正直そこまでの勢いはもうないんだけど、かといって前作ほど落ち着いた感じもなく、鮮度が落ちない、色あせない部分もまだまだ大きい。2017年にはついにメンバー全員50代に突入する大ベテランとなってきたが、まだ次に安定以上の期待が持てるというのは凄い。
あと何気に亀田誠治より任せていた期間が長かったStephen Marcussenをマスタリングに起用しなかったのが今作最大の驚きだった。高山徹というのは00年前後に望んだロックな音に仕上がらない事に悩んでいたメンバーが試行錯誤の中で複数起用していたエンジニアの1人。同時期に初起用した亀田誠治のサウンドプロデュースに加えて高山徹の仕事に満足したのか『スーベニア』以降はほぼ固定で録音とミックスを担当するようになっていたのでスピッツとはもう10数年の付き合い。なので新たな人材の起用というわけではないんだけど、わざわざ海外発注しなくても高山徹が望む音に仕上げてくれた…という状況になったんだろうか。
Blu-rayに関してはシンプルな演奏MVと「ヒビスクス」を撮影したハワイでのメイキング&オフショット映像。わざわざBDで見なくてもDVDでよかったかなというのが正直なところ。何より前作にはCD未収録の曲も含んだ無観客ライブ映像まで付属していたので余計に物足りなさが…。
初回盤Blu-ray付 初回盤DVD付 通常盤 LP 2017年LP
印象度★★★★☆
2016.9.19更新