ハイド.ランジアが咲いている
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 青春に、その涙が必要だ! | AIMI | AIMI | ステレオポニー&northa+ | |
2 | I do it | AIMI | YUI | ステレオポニー&northa+ | 3rdシングル 最高11位 売上1.1万枚 |
3 | 木漏れ日のジャーニー | AIMI | AIMI | ステレオポニー&Cruz.7th | |
4 | 泪のムコウ | AIMI | AIMI | ステレオポニー&northa+ | 2ndシングル 最高2位 売上6.0万枚 |
5 | 乙女心 Hey Hey Hey | AIMI | AIMI | ステレオポニー&R'dh+ | |
6 | 泣かないで | AIMI | AIMI | ステレオポニー&Tsuyoshi Kinoe | |
7 | effective line | AIMI | AIMI | ステレオポニー&Cruz.7th | |
8 | スウィート・ブルー | AIMI | AIMI,SHIHO | ステレオポニー&R'dh+ | |
9 | 都会ノ森 | AIMI | AIMI | ステレオポニー&R'dh+ | |
10 | 幸せの丘で暮らしたい | AIMI | AIMI | ステレオポニー&R'dh+ | |
11 | マイミステイク | AIMI | AIMI | ステレオポニー&Mikio Sakai | |
12 | ヒトヒラのハナビラ | AIMI | AIMI | ステレオポニー | 1stシングル 最高25位 売上1.5万枚 |
13 | 青春 Very good days!! | AIMI | AIMI | ステレオポニー&Cruz.7th |
リリースデータ
2009年6月17日 | 初登場7位 | 売上3.0万枚 | Sound Produce&Directed by HISASHI KONDO | gr8!records(ソニー) |
メンバー
Vocal,Guitar | AIMI |
Bass | NOHANA |
Drums | SHIHO |
ステレオポニー1stアルバム。08年11月デビュー。3シングルを収録。沖縄で結成された89,90年生まれの当時10代のガールズバンドとしてデビュー。SCANDALとは同世代・ほぼ同期デビューのガールズバンドだったが、ステレオポニーは最初からボーカルギターのAIMIが作詞作曲を手掛けアレンジもバンド名義で行う自作体制だった。サウンドプロデューサーでディレクターの近藤ひさしがYUIに関わっていた縁で「I do it」はYUIが曲提供を行っているほか、YUIのアレンジャーだったnortha+(鈴木"Daichi"秀行のPN)が共同アレンジャーとして参加している。今作タイトルのハイドランジアとはあじさいの事で、ステレオポニーが沖縄県の無料音楽スタジオ「あじさい音楽村」出身であることに由来していると思われるが、ハイドとランジアの間に何故ドット表記があるかは不明。初回盤はシングル3曲と、リード曲『青春に、その涙が必要だ!』のPVとドキュメント収録のDVD付、スリーブケース仕様、フォトブック付属。
「ヒトヒラのハナビラ」がアニメ『BLEACH』ED、「泪のムコウ」はアニメ『機動戦士ガンダム00 -2nd Season-』OPとなったが、特にこのガンダムタイアップが大当たりとなりいきなり2位を記録。最大のヒット曲となった。「I do it」はYUI提供の話題性のみでタイアップは無かった。今作はトップ10入りを果たしたものの、結果的に唯一のアルバムでのトップ10入り、最大ヒット作となった。
「I do it」はシングル及びJASRACの登録では作曲がYUI単独だったが、今作のクレジットは全曲AIMIにmusic(作曲)表記がされており、機械的にコピペしただけの誤植である可能性が高い。「スウィート・ブルー」に関してはJASRACにもAIMIとSHIHOが作曲者として登録されているため、共作で間違いないと思われる。
若さやルックス売り(アイドル売り)をせずに自作での堅実な実力勝負のバンドといった装いのステレオポニーだが、YUIを手掛けていた近藤ひさしの影響がかなり強かったのか非常にYUIのフォロワーっぽい。意外とボーカルのAIMIはキュートな声質とルックスの持ち主だったが、そっち方面で全く売り出そうとせず、初回盤は別冊でフォトブックまでついているのに終始一貫してカッコいいビジュアルイメージで若干睨み付けるかのような写真ばかり。先行3シングルはどれも明るさ皆無、あまり若さとか青春感も出してこないという貫きっぷり。さらにこれは近藤ひさしプロデュースの特徴と思われるが、YUIがそうだったようにサウンドがぎゅっとコンパクトに固めてまとめられたようになっていてどこかこじんまりとした印象。演奏自体はけっこう激しく躍動しているのに何だか聞き終わった時の印象がロックバンドらしいダイナミックさに欠ける。これが率直にかなり地味な印象に繋がってしまった。演奏開始からのキャリアが浅く自作能力も無かった同期のSCANDALよりも明らかにこの時点で演奏力は格段に上だったと思われるが、ガシャガシャした演奏を制服姿でかき鳴らすSCANDALの方が明らかに見せ方に華があって音もダイナミックなので、同時期にデビューしてきて同じようにメディアで曲が流れたとすればどうしても注目はSCANDALに向かってしまうし、その後人気面で大きく差がついてしまったこと自体もガールズバンドとして何を武器にするかという見せ方の差が全てだったと思う。
またリード曲「青春に、その涙が必要だ!」がいきなり今まで見せた事のないノリのいいガヤや笑い声など等身大の10代の青春を押し出したものだったというのも少し混乱する。アルバムではこういった青春の色やかわいらしい感じのラブソング等、若さを感じさせる部分もあるんだけど、全体のトーンは硬派なロックバンド然としているのでなんだか印象がチグハグ。結局もう少し明るい側面を持っているのを戦略的に硬派に行ったのか、明るい曲や等身大の曲が無いのでちょっと頑張ってみただけで元々硬派志向なのか、どっちなのか良く分からない。幅広さを見せたものの結局中途半端になってしまったように思う。とりあえずYUIのフォロワーバンドっぽくプロデュースで導いた感じがあるんだけど、結局これっきりプロデューサー交代になって途端に劇的に改善されただけに、今作はちょっと違っていたんじゃないか…。
印象度★★★☆☆
2018.11.20修正