A museMentally
No | No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
C | 配 | C=CD、配=配信 | ||||
1 | Intro〜for Compact Disc〜 | スキマスイッチ | スキマスイッチ | Instrumental CDのみ収録 | ||
2 | 1 | ゼログラ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | |
3 | 2 | Lovin' Song | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 27thシングル 最高10位 売上0.4万枚 |
4 | 3 | 逆転トリガー | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | |
5 | 4 | ごめんねベイビー | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | |
6 | 5 | 遠くでサイレンが泣く | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | |
7 | 6 | Lonelyの事情 | スキマスイッチ | スキマスイッチ | The PLAYLISTERS | |
8 | 7 | コトバリズム | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 2023/9/6配信シングル 初CD化 |
9 | 8 | 魔法がかかった日 | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | |
10 | 9 | クライマル | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 6/19先行配信 |
11 | 10 | 君と願いを | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ |
リリースデータ
2024年7月10日 | 初登場5位 | 売上0.9万枚 | Produced by スキマスイッチ | Augusta Records(ユニバーサル) |
メンバー
Vocal,Guitar | 大橋卓弥 |
Piano,Keyboards,Chorus | 常田真太郎 |
スキマスイッチ10thアルバム。ライブアルバム2作、ベストアルバムを経て2年8ヶ月ぶりのオリジナルアルバム。前作以降のシングルのうちベスト盤に収録された「up!!!!!!」は未収録、ベスト以降に発表されていた「コトバリズム」と「Lovin' Song」を収録。6月19日に「クライマル」が先行配信された。1曲目の「Intro〜for Compact Disc〜」はタイトル通りCDのみの収録で配信版ではカットされている。
一般発売は通常盤のみ。一般発売の初回盤が廃止されFC限定盤へと移行した。
ファンクラブ限定DELUXE盤は5月17日〜6月2日までの受注生産。「RISING
SUN ROCK FESTIVAL 2023」出演時の2曲、「MINAMI WHEEL 2023」出演時の5曲のライブ映像とレコーディングドキュメントを収録したBlu-ray付+ミニ色紙付属。
配信版は「Intro〜for
Compact Disc〜」がカットされた全10曲仕様。
FC限定商法は率直に心底ガッカリした。スキマスイッチの場合は年額会員制度しかないので、DELUXE盤入手のために新規加入すると商品代金5940円の2倍以上の6300円が入会+年会費として必要な上、商品発送料まで取られてしまうわけで、今更そこまでして加入するリスナーが大量発生するとも思えない。そして重要なのはこの手のFC限定盤はFC会員でも購入するとも限らない。コアなファンと言っても音源は配信で済ませてツアーコンプリートに全力少年するタイプのファンもいるだろう。実際想定外の予約不調だったのか締切前日にBlu-ray収録のレコーディングドキュメントダイジェストをYouTubeで公開、わずか1日で未来永劫入手不能になる映像のダイジェストを一般公開するという奇行に走ってかなり焦っている様子だったが、正直失策だったんじゃないか。受注生産にしたいならせめて先のスピッツ同様にUNIVERSAL MUSIC STORE限定販売にすべきでどうしてもFCで囲い込みたいならグッズやFC限定ライブ映像Blu-rayでも付属させた真のDELUXE版を用意すればいいだけの話だった。オーガスタはかねてからFC限定商法をやっていたし、スキマスイッチでも「up!!!!!!」のシングルCDをFC限定でしか発売しないなど予兆はあっただけに悪化の一途をたどっての末路がこれか。
売り方の残念さに反してアルバムの完成度は高い。失われて久しいこれぞオリジナルアルバムな理想形を地で行く、ザ・オリジナルアルバム。シングルに匹敵するようなオープニングナンバー「ゼログラ」、強いシングル曲「Lovin' Song」、終盤の「クライマル」も先行配信されたもう1つのリード曲と言える存在感の強さがあり、いずれもこれまでにありそうでなかった新しさを感じさせる新たな名曲の仲間入りとして過去に負けていない。新しいばかりではなく「逆転トリガー」では初期を思わせるポップ感を醸し出し、中盤では淡々と演奏が長く8分に達する「遠くでサイレンが泣く」を筆頭に地味ながらも味わい深いオリジナルアルバムならでは落ち着いたゾーンが続き、そこからのシングル「コトバリズム」、直接名前を出して言及していないがKANへのリスペクトと追悼を込めたとされている「魔法がかかった日」と続いて「クライマル」に至り、バラード「君と願いを」で締める構成が完璧。
スキマスイッチの中でダントツで名盤かというと上位ではあってもそこまで突き抜けてはいない。今作はただ強いシングル曲、シングルに匹敵するリード曲、アルバムならではの挑戦や実験、地味曲…というオリジナルアルバムらしいド王道の構成であり、こういった構成のアルバムが当たり前だった時代ならそこまで際立つアルバムではなかっただろう。問答無用の名盤というよりは20周年を越えた貫禄溢れる確かなる名盤くらいな感じだろうか。しかしこんなオリジナルアルバムらしいオリジナルアルバムは近年ほぼ聞けた記憶がない。最早配信でシングルを切り過ぎた楽曲集か、強いシングルやリードが無くてアルバムならではの実験も無いひたすら横一線な"アルバム曲"が並んでいて1曲1曲で馴染むには長期で聞きこむ必要があるような印象の薄い作品ばかりになってきていた。かねてからCDとしてアルバムを作る事にこだわりを持ちたい旨は語っていたので、オリジナルアルバムらしいオリジナルアルバムを作ろうとしてそこまで意識したのかは分からないが、今作こそが理想のオリジナルアルバムだ。2024年ダントツのNo.1オリジナルアルバム。
この名盤のレコーディングドキュメントという興味深い映像が前作まではドキュメントやインタビュー映像が一般発売初回盤収録で入手できたのにいきなりFC限定になってしまった事だけが痛恨の極み。
印象度★★★★★
2024.12.30更新