スキマスイッチ TOUR 2020-2021 Smoothie

リリースデータ

メンバー

スキマスイッチ12thライブアルバム。前作から10ヶ月ぶり。2020年12月〜2021年1月に開催された全12公演の冬ツアー「スキマスイッチ TOUR 2020-2021 “Smoothie”」から2公演目となる2020年12月24日東京中野サンプラザ公演の模様を収録。アンコールまでは全曲収録されているがWアンコールで披露した「Ah Yeah!!」のみ未収録。前作同様に各地の公演でのMCを抜粋したMC集をCD限定のボーナストラックとして収録。MC集がCDのみなのも前作同様で映像作品及び配信にはこのMCは収録されない。マスタリングは柴晃浩。

今回は映像作品の発売も同時に告知され、1ヶ月後の5月26日にBlu-ray,DVD『スキマスイッチ TOUR 2020-2021 Smoothie THE MOVIE』として映像でも発売された。会場も日付も同じ24日公演が収録されていて「Ah Yeah!!」もCD同様未収録。映像版にはCDのMC集は収録されないが、ボーナス映像として別会場での「ハナツ」「晴ときどき曇」「藍」が収録された。

新コロ延期のままとなっていた前ツアーの3公演はこのツアー終了後2月に3公演とも開催されて無事に終了した。本ツアーは新コロ陽性者が急増して年明けには首都圏に2度目の緊急事態宣言が発令させる事態となっていた年末年始に直撃しての開催となった。飲食店のみがスケープゴートにされたため、ライブ開催には問題はなく、自主判断で中止・延期したところも多かったが、ガイドラインに基づいて感染対策を行っているとして全公演開催された。公演のたびに公式サイトニュースには"「スキマスイッチ TOUR2020-2021 Smoothie」について大切なお知らせ"が掲載されまくるという別の意味で緊急事態感漂う中での開催であった。結果的に新コロ理由の中止は1件も起こらなかったものの、新コロには関係なく1月10日の北陸電力会館本多の森ホール公演は大雪の影響で当日緊急中止となり、4月24日に延期された。

バンドメンバーは前ツアーと全員同じ。また会場も同じ中野サンプラザで日程も前作は19年12月25日、今作では20年12月24日とほぼ1年後(今ツアーでは2daysで25日も中野サンプラザ公演を行っている)。前作でシーズンモノなのでレアな選曲だなと思っていた「クリスマスがやってくる」がまさかの2作連続ライブ盤収録となった。

前作と同じ会場のほぼ1年後のライブとなるが、世界が一変している事を感じさせる状況で、歓声一切なし、拍手のみという異様な状況はやはり過去11作のライブ盤との大きな違い。演奏の丁寧さは変わらないがいつもだったらコール&レスポンスを盛り込んで歌い方を大きく変えるような場面もあるのが、今回はそういったこともなくひたすらじっくり聞かせるためライブアルバムというより公開ライブ録音みたいな企画作のようにも聞こえる。またスキマスイッチの場合は、こういった状況下でいつもと同じライブをするというのではなく、声を出せない状況では当然いつも通りなわけがないし、熱くは盛り上がれないという事実から目をそらさずに、唯一出来る拍手を煽って無理に盛り上げようともしない。静かにしか聞けないなら静かにゆったり聞ける曲を増やそうとしたようだ。選曲がいつもとまるで異なりおとなしい曲ばかり。「全力少年」や「ガラナ」といった盛り上がるアップナンバーは一切選曲されずに、じっくり聞き入るバラードが連投される。これに伴い普段だったらどうしても外されてしまうようなあまりライブ映えしない地味な曲が勢揃いする事となった。じっくり聞いて再発見は確かにあるが、かなり全体にしっとり気味。それでも適宜新アレンジを交えているのでただCD通りのままの再現ではない。「あけたら」の祈りが1年経っても何も変わらず終わりが見えない現状、この曲が次に歌われる時も同じ心境のままの可能性が高く、これっきりの形式のライブというわけには行かなさそうだが、しかしこのままでいいはずはない。「あけたら」の次に発表されたライブ時点で未発売の新曲が「吠えろ!」なのはまさに魂の叫びに感じられた。

印象度★★★☆☆

2021.5.22更新

戻る