I JUST FEEL SO "sweet"
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | un jour | 塚田直幸 | sweet velvet | Instrumental | |
2 | I JUST FEEL SO LOVE AGAIN〜そばにいるだけで〜 | 秋本瑞月 | 大野愛果 | 古井弘人 | 1stシングル 最高25位 売上3.7万枚 12p盤 最高90位 売上0.2万枚 |
3 | Blue | 秋本瑞月 | 大野愛果 | 尾城九龍 | |
4 | Lazy Drive | 秋本瑞月 | 大野愛果 | 古井弘人 | 3rdシングル 最高79位 売上0.3万枚 |
5 | SWEETER BABY | 秋本瑞月 | 大野愛果 | 小西康陽 | 1stシングルC/W |
6 | Fairplay-album mix- | 秋本瑞月 | 大野愛果 | 尾城九龍 | ミニアルバム『SWEET VELVET』収録曲 |
7 | SO GOOD | 秋本瑞月 | 大野愛果 | 鴨宮諒 | 1stシングル12p盤のみC/W |
8 | STAY | 秋本瑞月 | 金子奈未 | 古井弘人 | 2ndシングルC/W |
9 | flame of love | 秋本瑞月 | 大野愛果 | 古井弘人 | 2ndシングル 最高46位 売上0.7万枚 |
10 | Over | 秋本瑞月 | 塚田直幸 | 尾城九龍 |
リリースデータ
2000年2月26日 | 初登場100位 | 売上0.3万枚 | Produced by ROCKAKU | GIZA studio |
メンバー
Vocal | 秋本瑞月 |
Guitar | 井上慎一 |
Drums | 清水亮祐 |
Synthesizer&Chorus | 塚田直幸 |
sweet velvet唯一のアルバム。新規メジャーレーベルGIZA studio最初のリリースとして1999年2月10日にNew Cinema蜥蜴、GRASS ARCADEと共に3組同時デビュー。1stシングル『I JUST FEEL SO LOVE AGAIN〜そばにいるだけで〜』は8センチと12センチで発売され、8センチ盤にはカラオケ、12センチ盤には「SO GOOD」とC/W3曲目が異なっていた。このデビュー作こそアニメ『まもって守護月天!』EDタイアップもあって多少のヒットを記録したが以後出すたびに売上が低下し、今作は100位ギリギリのランクインとなった。今作を最後にリリースが停止し、そのまま自然消滅。メンバー4人全員がその後の消息は不明となった。
GIZA studioからメジャーデビューしたものの直後にGIZAのインディーズレーベルからアナログ盤シングル『SWEETER BABY/SO GOOD』をリリースしたり、1stと2ndシングルの間にインディーズで5曲入りミニアルバム『SWEET VELVET』(5月21日、6月12日と何故かサイトによって発売日登録が異なるほかO社には未登録)をリリースしていた。「SWEETER BABY」「SO GOOD」はミニアルバムにも収録されていた。また今作にはこのミニアルバムから「Fairplay」をalbum mixで収録。残る2曲のうち「After All」は3rdシングルC/Wとなり、「When It Rains」のみが取り残された。よって7曲が既出となり、今作に新たに収録された新曲は2曲+インスト1曲のみとなる。
ベース無しのバンド編成ではあるが、ゲストミュージシャンとして1,5,7,10以外に大賀好修がギターで参加。なんとなくバンドサウンドっぽいもののかなり渇いた軽いリズム音でドラムが打ち込みっぽい曲も多く、塚田直幸は唯一作曲に参加しているものの、あくまでボーカル秋本瑞月を中心として男性メンバー3人は少々お飾りっぽい。またGIZA主砲作家となる大野愛果を独占的に起用しまくっている点は目を引く。まだ所属者が少なく、90年代末期に作曲家デビューさせて以降続いていたZARD、FIELD OF VIEW、WANDS、DEEN等の旧ビーイング勢への提供も一巡。倉木麻衣デビューが99年12月でちょうど今作が出た頃にロングヒットし、以後続々新人がデビューしてあちこちで大野愛果が多用されるようになるが、その直前の時期だったのでこんな独占起用が可能だったのかもしれない。
外部から小西康陽を招いているのも異例だが(99年にZARD坂井泉水とコラボしていたので縁はあったのか)、全体にはバンド名通りにスウィートな感じの比較的ゆったりしたポップスが展開。フレンチポップっぽい部分もあったり、小西康陽を外部から招いただけあってオシャレな感じのポップを志向していたっぽい。ただ渋谷系のような流れまでは行かずに、色々な要素をミックスさせたようなどっちつかずさで何とも形容しがたい。秋本瑞月のボーカルも綺麗な声のお姉さん系なんだけど、曲によって歌い方が安定せず、どこか調子はずれに聞こえてきたり、どうも曲と歌い方が合っていないように聞こえてきたり、高音部で急に不安定になったりするので落ち着かない。曲によってはthe brilliant green川瀬智子っぽく聞こえたりもするんだけど全く違ったりもするし…(陰りのある歌い方になるとけっこう似ているが、普通に歌っているとそうでもない)。前述のようにサウンドは全体に軽めだが、倉木麻衣の大ヒット以降ほどにチッチキタカタカ軽いばかりでもなく、ドラムがある程度存在感あったりもするが全体にはバンドっぽくはない…とバンドっぽさにおいてもどっちつかず。90年代ビーイングとは全く異なるが、02,03年以降のようないかにもGIZAっぽい感じでもないまさにGIZA黎明期か。
そんなわけでなんとなく雰囲気良さそうなんだけど掴みどころがなく、結局何なのかイマイチハッキリしてこない。今作限りで終わってしまったのではどこを目指そうとしていたのかもよく分からないままだった。アルバムにすらたどり着けなかったGRASS ARCADEよりはマシで、アルバム2枚出せたNew Cinema蜥蜴ほどではないという3組同時デビューのちょうど中間な扱いであった。GIZAの名称が知られるようになってレーベル単位でのファンがついてサイト/ブログ文化で一定の盛り上がりを見せるようになったのはやはり倉木麻衣、愛内里菜、GARNET CROWが売れてから+『コナン』タイアップがキーワードになってくるので、その少し前の黎明期は最早ほとんど情報も残されてないし、そもそも当時からほとんど情報が出てないので、何者だったのかを把握する事すら困難になりつつあるなぁ…。
印象度★★★☆☆
2023.1.13更新