THE HIT PARADE

No No タイトル 作詞 作曲 原曲 備考
CD  
1 1 勝手にしやがれ featuring 稲葉浩志 阿久悠 大野克夫 沢田研二(1977)  
2 2 異邦人 featuring ZARD 久保田早紀 久保田早紀 久保田早紀(1979)   第1弾シングル 最高3位 売上15.8万枚 ミックス変更
3   涙の太陽 featuring 愛内里菜 湯川れい子 中島安敏 安西マリア(1973)※1 配信ではカット
4 3 その気にさせないで featuring 三枝夕夏・北原愛子・高岡亜衣 千葉和也 穂口雄右 キャンディーズ(1975)  
5 4 イミテイション・ゴールド featuring 倉木麻衣 阿木燿子 宇崎竜童 山口百恵(1977) 第2弾シングル 最高1位 売上8.1万枚
6 5 渚のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ 阿木燿子 宇崎竜童 ダウン・タウン・ブギウギ・バンド(1975) メインボーカルは松本、参加者全員でコーラス
7 6 雨の街を featuring 松田明子 荒井由実 荒井由実 荒井由実(1973) 第1弾シングル『異邦人』C/W
8 7 Paper Doll featuring Fayray 山下達郎 山下達郎 山下達郎(1978)  
9 8 「いちご白書」をもう一度 featuring 菅崎茜 荒井由実 荒井由実 バンバン(1975)  
10 9 Foggy Night featuring 滴草由実 尾崎亜美 尾崎亜美 尾崎亜美(1981)  
11   少女A featuring 上原あずみ 売野雅勇 芹澤廣明 中森明菜(1982) 配信ではカット
12 10 ビュン・ビュン featuring 川島だりあ 加納秀人/
中野良一/
青木正行
加納秀人 外道(1974)  
13 11 パープルタウン featuring 竹井詩織里 三浦徳子 八神純子/
RAY KENNEDY/
JACK CONRAD/
DAVID FOSTER
八神純子(1980)  
14   時に愛は featuring 宇徳敬子 小田和正 小田和正 オフコース(1980) 配信ではカット
15 12 SPINNING TOE-HOLD   竹田和夫/
樋口昌之
クリエイション(1977) Instrumental ボーカルなし(Blues Harpで稲葉浩志が参加)
16 13 一人〜I Stand Alone〜 featuring Jeffrey Qwest 岸辺修三 井上尭之 ディープ・平尾(1972)、井上尭之(1976)  
17 14 私は風 featuring 中村由利 MAKI ANNIETTE
LOVELACE
春日博文 カルメン・マキ&OZ(1978) 第2弾シングル『イミテイション・ゴールド』C/W

※ 「涙の太陽」は1965年にエミー・ジャクソンが英語詞で発表し、青山ミチが1ヶ月後に日本語詞で発表したのがオリジナルだが今作では何故か1973年にカバーした安西マリアがOriginal Artistとして表記されている。
・松田明子はrumania montevideoのメンバーでもあったがボーカルを担当していたのはRAMJET PULLEYで"from RAMJET PULLEY"表記。
・「パープルタウン」は当初「パープルタウン」で発表され、後に改作引用したレイ・ケネディ「You Oughta Know By Now」の作曲クレジットを加えて「パープルタウン〜You Oughta Know By Now〜」となった経緯がある。
このためメインタイトル表記は「パープルタウン」だが、クレジットの下にはパープルタウン("You Oughta Know By Now"〜"パープルタウン")と表記され、レイ・ケネディ側の権利表記と八神純子側の権利表記が併記されている。

リリースデータ

2003年11月26日
2018年12月31日(関西弁バージョン収録盤)
2024年9月4日(3曲カット配信版)
初登場2位
最高232位
-
売上44.8万枚
売上0.01万枚
Produced by TAK MATSUMOTO VERMILLION RECORDS

松本孝弘6thアルバム。B'zのギタリストである松本孝弘のTAK MATSUMOTO名義での邦楽カバーの企画アルバム。松本のソロ作は通常はギターインスト作品だが今作に関してはビーイングGIZA所属シンガーを各曲でメインボーカルとして招いている。Fayrayのみエイベックス→よしもとへ移籍する過渡期の時期で外部所属者だったが、当時ビーイングGIZAが制作を担当していた縁で起用されている。B'zボーカル稲葉を招いた「勝手にしやがれ」はB'z名義ではなくあくまで松本ソロ名義に稲葉がゲスト参加しているという扱いのため他の曲同様にfeaturing 稲葉浩志と表記された。「渚のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」は松本自ら語り部分を担当してサビ部分にはゲストが全員集結して合唱していて、「SPINNING TOE-HOLD」はゲストボーカリストなしのインスト曲のためこの2曲はfeaturing表記は無い。当時メジャーデビュー前だったGIZA stuidoの新人の高岡亜衣、竹井詩織里もデビューに先駆けて参加している。当時活動が止まっていた上原あずみも参加している。当時GIZAでリリースしていた主要な若手では岸本早未が不参加。先行シングルとして「異邦人」(C/W「雨の街を」、「イミテイション・ゴールド」(C/W「私は風」)が発売され、それぞれZARD(C/Wは松田明子)、倉木麻衣(C/Wは中村由利)とB'z松本のコラボとして話題になった。C/W含めてシングル2作4曲を収録。「異邦人」のみミックス変更されていて主にドラムの音色が異なっている。また「勝手にしやがれ」はB'zが主題歌「アラクレ」を提供していたドラマ『あなたの隣に誰かいる』挿入歌として1話ではノンクレジットで放送されたため話題となった。後に「異邦人」も使用された。このように松本のソロアルバムとしては大きな話題作となった事もあり、ソロ名義では最高売上を記録した。

今作は他の作品がストリーミング配信解禁された後も全曲未配信のままだったが、続編『THE HIT PARADEU』が2024年8月28日に発売された後、9月4日に3曲カットした全14曲仕様でジャケットを『THE HIT PARADEU』のデザインを踏襲したものに合わせた形に変更して配信開始となった。カットされたのは愛内里菜、上原あずみ、宇徳敬子のボーカル曲となる。上原あずみは契約解除時に自身の作品以外にも曲が収録されたコナン主題歌集やコンピ盤も全て廃盤となり、参加作品を徹底的に抹消する措置が取られ、上原あずみ参加作品の中で今作だけ抹消を免れていたが、配信ではあえなく削除となった。愛内里菜はプロデューサー(=KANONJI=長戸大幸)相手にセクハラ裁判を起こし、名前使用権利を巡っての裁判も起こし、裁判は終結(セクハラは認定されず、名前使用はOKとなった)したもののやはり削除となった。宇徳敬子は普通に独立しただけだったはずが何故か2人と一緒に削除されている。

「渚のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」は関西弁でレコーディングした音源があることは当時も語られていたが、2018年頃にTwitterで最近今作を購入したリスナーが関西弁バージョンが収録されていた!と投稿して「渚のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」が関西弁バージョンに差し替えられたものが一部流通しているらしい事が瞬く間に話題となり拡散された。これを受けてレコード会社側から正式なアナウンスが入り、間違えで流通させてしまっていたが、オリジナル(標準語)と一緒に関西弁バージョンも正式に流通させ、BMCV-8009だった品番を関西弁バージョンはBMCV-8009-Kとしてパッケージにもシールを貼ることで区別すると発表されている。発表があったのは2018年12月19日付だったが、O社では12月31日を関西弁バージョンの発売日と設定して別登録となった。長らく300位圏外のままだったが、続編『THE HIT PARADEU』発売週に初めて232位に初ランクインした。

 

1970年代半ば〜1980年代序盤頃までの昭和歌謡/フォーク/ニューミュージックのカバー中心。発売当時原曲はほぼ知らなかったが、、基本的にTAKのギターとBass&Programmingの徳永暁人の2人オケ制作体制(「Foggy Night」はProgrammingが大賀好修でベース奏者なし)で、ザ・昭和な管弦の生音は一切使用せず、時代の絶え間ない変化によりすっかり古びて年数以上に遠い過去となっていた昭和の楽曲を2003年の現代風に解釈して再構築したようなイメージ。両親世代はオリジナルが馴染みだったようで聞かせたらかなりオリジナルとは違うアレンジに驚きながらも懐かしがっていて大体の曲は知っていたので世代であれば各アーティストのファンでなくても聞き覚えのあるヒット曲だったようだ。序盤に有名ゲスト、有名曲、割と勢いがあってノリで聞ける楽曲が並んでいるが、中盤〜後半にかけては元気だったギターまで抑えた打ち込みサウンドが目立つ曲も増えてくるのでどうにもダレてきてしまう。ビーイングGIZAを深く知らなければ後半ほど知らない人だらけになっていく感じだと思うし…。

ギターサウンドは概ね気持ちよく響いていて昭和楽曲に現代的な新たな風を吹かせていると思うんだけどリズム周りのペタペタドゥタドゥタした軽い響きのアレンジがどうにもしょぼい。最初の2曲と最後の2曲の4曲は山木秀夫がドラムを担当しているんだけど、乾いたパシパシした当時のGIZA特有の打ち込みサウンドと大差がないので大きく印象が変わらない。もう少ししっかりとした生のバンドサウンドになっていれば良かったんだけど、ギターだけ元気でリズム周りがしょぼく聞こえてしまうこの時期特有の徳永アレンジには最後まで馴染めなかった。

それでも当時はちょっとギターを効かせた程度で昭和を昭和のまま原曲に忠実なアレンジでカバーされても若者にとっては古すぎて聞けたものではないという感じはあったので、今作での2003年現代的なアプローチは決して攻めに攻めたものではなく、もっと自然な改変ではあったと思う。

B0000E6YRB  B07LGNZ5T6関西弁バージョン

印象度★★★☆☆

2024.9.18発売当時の情報&感想を2024年仕様にアップデート&修正

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