PICORINPIN

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 Fire Ball HitomiHitomitti/Chara Chara Chara/田渕ひさ子  
2 MUSIC HitomiHitomitti Koji Nakamura Koji Nakamura 12thシングル 最高200位 売上0.03万枚
3 walkin' HitomiHitomitti/Chara HitomiHitomitti Chara/橋本竜樹/野崎貴朗  
4 Le Theatre du Grand-Guignol HitomiHitomitti/ROLLY ROLLY ROLLY/長谷川智樹  
5 恋するピエロッティ(修学旅行Ver.) HitomiHitomitti ROLLY ROLLY/長谷川智樹 11thシングル 最高128位 売上0.05万枚
6 プールサイド HitomiHitomitti/
H ZETT M&micci
H ZETT M H ZETT M 13thシングル 最高200位 売上0.03万枚
「高橋 "Hello"H ZETT M」名義
7 ウォーアイニー 高橋瞳 BEAT CRUSADERS BEAT CRUSADERS 10thシングル 最高14位 売上1.0万枚
「高橋瞳×BEAT CRUSADERS」名義
8 ジレンマ HitomiHitomitti ヒダカトオル ヒダカトオル  
9 neon sign HitomiHitomitti Koji Nakamura Koji Nakamura  
10 お天気雨 HitomiHitomitti H ZETT M H ZETT M  

※シングル200位以内データ

リリースデータ

2011年9月28日 初登場226位 売上0.05万枚 Produced by Chara,Koji Nakamura,ROLLY,H ZETT M,BEAT CRUSADERS,ヒダカトオル gr8!records(Sony Muic Records)

高橋瞳3rdアルバム。前作からほぼ4年ぶり。前作以降2008年のシングル「あたしの街、明日の街」は未収録。2009年の「ウォーアイニー」以降の4シングルを収録。2008、2009、2010年と3年連続シングル年1リリースのみという状態が続いたが、2011年はシングル2作、今作を立て続けにリリースした。本人の作詞名義は「恋するピエロッティ」からHitomiHitomittiに変わり、単独作詞が増加、初の作曲にも挑戦している。初回盤は「Fire Ball」のMVを収録したDVD付。前2作のようにシングルのMVは収録されなかったが、「ウォーアイニー」以外はシングル初回盤DVDにMVを収録していた。

「ウォーアイニー」こそ「キャンディ・ライン」に続いてアニメ『銀魂』タイアップによって1万枚の売上を記録して持ち直していたが、それ以降3作のシングルはアニメタイアップも無くなり、さらにコアな方向性へ進んだことも重なって数百枚の売上にまで低迷。「MUSIC」「プールサイド」と集計範囲ギリギリとなる2作連続200位となり、圏外待ったなしの状態となっていた。今作も226位となり、これを持ってソニーとの契約終了、最終作品となった。今作リリース後に3年ぶりのワンマンライブとして10月20日に行ったShibuya WWWでのライブが最後の表立った活動となり、ブログ更新も滞りがちになっていき、やがて12年3月31日をもって事務所スターダストとの契約が終了したことが明かされ、そのままメジャーの舞台からは姿を消した。既にソニーのサイトは更新がとっくに停止していたためそのまま放置されていて、事務所との契約終了に伴いファンクラブも閉鎖するため、契約終了発表は閉鎖が決定したFCサイトのみで告知された。ブログには意味深な"戻ってくる"事を示唆する旨の記事が最後に上がっていた。その後Twitterの更新や「ウォーアイニー」でコラボしたBEAT CRUSADERSメンバーだったケイタイモが立ち上げたWUJA BIN BINのボーカルとして音楽活動を継続しているが、インディーズにおいても継続的な作品リリース等は行っていない模様。

またベスト盤も一切リリースされていないため、「あたしの街、明日の街」はアルバム未収録のままとなり、「コ・モ・レ・ビ」「恋するピエロッティ」のシングルバージョンもアルバム未収録のままとなる。

TAKUYAプロデュースが前作で終了し、08年のシングル「あたしの街、明日の街」は新たに平出悟がC/Wまで3曲すべて作編曲を担当していたが未収録となったのは方向性が異なるためと思われる。といってもこれまでの路線に沿っていたのは「あたしの街、明日の街」の方で今作の曲はこれまでの路線からすると全曲異色である。今作にはシングル4作でプロデュースを担当したBEAT CRUSADERS、ROLLY、Koji Nakamura、H ZETT Mが新たにもう1曲ずつ(BEAT CRUSADERSはシングル時から今作までの間に解散していたためヒダカトオルのソロ名義での提供に変わった)、そして新たにCharaプロデュースで2曲、5組2曲ずつ全10曲36分で構成されている。10曲36分ということで5組ともコンパクトな楽曲を提供しているのも特徴だがそれぞれ非常に個性が強く、さらにどれもが前作まででは見せていない新たな高橋瞳のロックを提示。Charaプロデュースでは初の作曲にも挑んでいる。Charaにあまりロックなイメージは無かったがサウンド面はともかく詞や曲の雰囲気はヒット期のなんとなくなCharaのイメージに沿っている。元SUPERCARのKoji Nakamuraはひたすら淡々とした起伏の無いコア系のロックを、ROLLYは相当クセの強いグラムロック系を、H ZETT Mは跳ね回るような激しいピアノロックを、BEAT CRUSADERS(ヒダカトオル)はまさにビークルって感じのロックを…と全員が個性的でコアなロックファン向けのコアな楽曲を提供。本人かなり楽しそうでもあったし、その後もメジャーシーンに復帰しようとはせずにアングラシーンで歌手活動を続けていた事からしても、今作時点ではもうアニメタイアップも無くなっていたので純粋に本人がやりたいロックがJ-POP的なのではなくこういうコア系だったんだろうなと思う。今までと違いすぎるので提供相手が相手を考えずに自分の音楽性を遠慮なくぶつけたようにも見えるが、これまで共作か提供ばかりだった歌詞をほぼ単独で手掛けたり、シングルリリース時は2作をコラボ名義にしたりしていたので、今作が最も本人の意向が強く出ているのではないかなと。

ただこの提供陣にピンと来るロックファンは高橋瞳に興味ないだろうし、前作まで高橋瞳を聞いていたファンはこの提供陣にピンと来ないだろう。ビークルは直近でヒットしていた人気バンドだったのでさすがに知名度も高かったが、Charaが大ヒットしていたのは10年以上前だったし、SUPERCARやH ZETT M、ローリー寺西(すかんち)辺りも普通に知らなくても何ら不思議ではない。それくらい双方畑違いというか地味にけっこう断絶した状態(それぞれの村内では知ってて当然の基礎知識レベルだが村外では全く知られていない)で、ファン層が全くかみ合っていなかった。あまりにも売れなくなったのはこの噛み合わなさが原因だったと思う。

実際今作の楽曲はどれも決定的にキャッチーさに欠けていて一聴してメロディーが耳に残るような曲はない。個性的でインパクトはあるんだけど少なくともヒットチャートミュージックでは完全に無くなってしまっていて何で売れないんだというよりはまあ好みは抜きにして売れはしないよねぇ…っていう。最初に聞いた時は個性の強さはあるものの正直戸惑いが大きかった。ただ意外と繰り返し聞いて飽きない面白さはあり、メロディーがパッとしないのは確かながら聞き応えはかなりあるようにも感じられた。1人2人の作風だけだったら厳しかったかもしれないが5組2曲ずつ10曲が絶妙だった。当時もそんな新たな可能性も感じたアルバムではあったが、久々に3作聞き返した時に前2作はまとまってはいたがシングルが圧倒的に強く、アルバムトータルで1番面白いなと思ったのは何気に今作だったりもする。改めてアニメタイアップシンガーではないロックシンガー高橋瞳の可能性を色々提示した1作だったなと思う。

B005E35LUM初回盤DVD付  B005E35LWU通常盤 

印象度★★★★☆

2021.4.22修正

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