今、そこにある明滅と群生(初回盤)

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 BE RIGHT 高橋優 高橋優 池窪浩一、高橋優  
2 太陽と花 高橋優 高橋優 池窪浩一、高橋優 11thシングル 最高12位 売上1.6万枚
3 裸の王国 高橋優 高橋優 池窪浩一、高橋優  
4 明日への星 高橋優 高橋優 池窪浩一、高橋優  
5 WC 高橋優 高橋優 池窪浩一、高橋優  
6 同じ日々の繰り返し 高橋優 高橋優 池窪浩一、高橋優  
7 ヤキモチ 高橋優 高橋優 池窪浩一、高橋優  
8 旅人 高橋優 高橋優 會田茂一 10thシングル両A面曲
9 高橋優 高橋優 池窪浩一、高橋優  
10 パイオニア 高橋優 高橋優 池窪浩一、高橋優 10thシングル 最高12位 売上0.8万枚
11 おやすみ 高橋優 高橋優 平畑徹也、高橋優  

Strings Arranged by 今野均(4,9,11)

初回盤DVD
SPECIAL STUDIO LIVE&INTERVIEW
at ONKIO HAUS
No タイトル 備考
1   演奏準備中の様子&インタビュー
2 BE RIGHT 今作収録曲 スタジオライブ
3 太陽と花 11thシングル、今作収録曲 スタジオライブ
4   インタビュー
5 ヤキモチ 今作収録曲 スタジオライブ
6   インタビュー
7 明日への星 今作収録曲 スタジオライブ
8   インタビュー
9 8月6日 1stシングル『素晴らしき日常』C/W スタジオライブ
10   演奏終了後の様子&インタビュー

リリースデータ

2014年8月6日 初登場6位 売上2.1万枚 Produced by 箭内道彦 ワーナー

高橋優4thアルバム。前作から1年1ヵ月ぶり。前作以降、ツアーと初の武道館ライブを経て、14年3月の10thシングルまで新作リリースは無かった。2作のシングルのA面3曲を収録。デビュー以来サウンドプロデュースを担当していた浅田信一が離れ、今作では高橋優とギター演奏を担当している池窪浩一との共同アレンジになっている。「旅人」のみ會田茂一がサウンドプロデュースを担当。またピアノとストリングスのみの「おやすみ」では全曲でピアノを担当している平畑徹也との共同アレンジになっている。「旅人」以外はギターは池窪浩一、アコースティックギターは高橋優、ピアノは平畑徹也で固定、ベースは小島剛広(カムロバウンス)と高間有一、ドラムは吉田佳史(TRICERATOPS)と河村吉宏(坊ちゃん)が担当している。初回盤はインタビューとスタジオライブ5曲を収録した30分程度のDVD付。スタジオライブのサポートメンバーは池窪、平畑、小島、吉田の4名。4曲は今作収録曲だが、最後の1曲「8月6日」は1stシングルC/W。リリース日がたまたま8月6日とドンピシャだった事からこの曲が採用された。また初回盤はスリーブケース入りとなっており、ブックレット表紙は通常盤と同じジャケット写真が使用されているが、通常盤の初回生産分はクリアケース仕様となっており、クリアケースを外すとメガネも外れてメガネなしの高橋優が拝めるというメガネ着脱式仕様になっている。

今作のプロモーション活動においては最高傑作とする発言を繰り返し、パッケージにも「平成の大名盤なり!」という文字が躍っていた。随分大きく出たなと思いつつ、大体自分から最高傑作とか言っちゃう時ってあんまり最高傑作じゃないというのが世の常。実際最初のインパクトは冒頭の「BE RIGHT」こそらしい曲だなと思ったものの、印象は前作を大きく下回り、案の定な感じだった。今作を何故最高傑作と発言したのかはその作り込み具合での手ごたえによるところが大きいのではないかと思う。インタビュー等では衝動を重視して1発録りを多用した前作に対して、今作は1発録りはしておらず、今作のバンドメンバーでもある同世代の池窪浩一と一緒にアレンジをこれまでよりも作り込んだと語っている。今まではサウンドプロデュースに浅田信一が入っていたものの、今回はいわばセルフプロデュースに近い状況(セルフプロデュースである表記は無いけど)で今まで以上にアレンジ面に関与して深くこだわって制作したのは明白で、そうなれば今までよりも本人の手ごたえが大きいのも当然。そういった事から最高傑作だと自信を持って発言したんじゃないのかな、というのが個人的な見方だ。

で、実際のところ細かく作り込んだというのが衝動を凌駕するかというと衝動の方がいい事もあり、前作の方が溢れんばかりの勢いもあって強い衝撃を感じた。特に高橋優は前作辺りからあまり掲げなくなったけど「リアルタイムシンガーソングライター」として"今思った事を今歌う"というキャッチを掲げていたので、あまり緻密に作りこんでしまうとリアルタイム感が薄れるんじゃないかという事もあった。特に最初に2回くらい聞いた時は勢いが感じられなくてどうもイマイチだったんだけど、さらに聞いていくうちに段々印象が良くなってきた。衝動では前作に劣るけど、作り込みでは前作以上であるという点が何度か聞き込む事で見えてきた。現代社会を皮肉り色々問題提起しつつその明確な答えは無いんだけど、各楽曲で歌われている人々は現代を明日に向かって生きている人々であり、そういった部分に希望を感じられるアルバムだなと思う。前作がどっちかというと自己をさらけ出す感じだったのに対して、今作はもっと広く世界を見渡して自分自身も含めてリスナーに語りかけているというかそんな感じもする。そういった面は確かに進化した部分だし、最高傑作とまで掲げたのも最初に聞いた時よりは納得できるようになった。特に前作をどう捉えているかで、最高傑作かそうでないかの評価が分かれる1作なのかも。最終的に前作を越えるほどではないけど、2番目には好きな1作にはなった。

初回盤DVDにはスタジオライブ5曲と合間に今作に対するインタビューを収録。スタジオライブは映像としてはライブ感が溢れていて迫力満点なんだけど、動き回るわりにはCD通りに歌うボーカルにしてもエレキギターが1人しかいないのに、ソロを弾いている部分など思いっきりエレキの音が重なっていたり、「明日への星」ではストリングスが鳴っていたりする演奏にしても音が整いすぎているため、目をつぶって音だけ聞いているとあまりCD音源との違いが感じられず(CD音源自体が元々バンドサウンドを前に出していて迫力があるというのもある)、スタジオライブ風に撮影したPVだと言われたら納得してしまいそうなほどCDと違いが分からない音になっている。ていうかこれ本当にスタジオライブの音源?

ライブではメンバーだけでは出せないギターやストリングス、ブラスなどの音を同期することは日常茶飯事とはいえ、こういったじっくり自宅で鑑賞するようなスタジオライブ映像で鳴らないはずの音が聞こえるのは少し萎える。もう少しライブっぽい荒々しいボーカルや、足りない音は別の楽器で埋めるなりしたライブアレンジにした方がCDとの違いが出て面白かったと思う。

B00KY24SNE初回盤DVD付  B00KY24SMU通常盤 

印象度★★★★☆

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