Lyrical Concerto

リリースデータ

竹達彩奈3rdアルバム。2年ぶりのアルバム。前作以降の3シングル収録曲を6曲すべて収録。これまで多くの編曲を担当していた小林俊太郎が新曲に参加しておらず(演奏では「キミイロ モノローグ」にも参加しているがこれも既出曲)、制作陣が新しくなっている。前2作のようなJ-POPからのシンガーやバンドからの提供も控えめとなった。完全限定盤はシングル3曲と「ユメイロソレイユ」MVを収録したBlu-rayと2015年と2016年のバースデーイベントの模様を収録したBlu-rayの2枚が付属、初回盤はMV収録のDVD付属。

明らかに提供陣のネームバリュー的には予算が縮小したような感じではあるんだけど、提供陣に金かけて話題にしても売上が変わらない上に、前2作でもその筋からの新規のリスナーがついた形跡があまり無さそうだったのでまあこうなるよねっていう。1stと2ndで基本の制作陣は共通していたので制作チーム同じだと思っていたんだけど、元々1stアルバムだけ異様に豪華だったのは担当ディレクターがマニアックな音楽にこだわりがある人物だったとかで、2ndの時点で異動で離れてしまっていたという。小林俊太郎や沖井礼二らの楽曲制作者が割とそのまま残ったのに1stと2ndで妙に作風に差があったのはそのせいと思われ、3枚目である今作は前2作を踏まえてある程度今の竹達彩奈がやりたい方向を形にしたのかなと思う。

テーマは「二次元」とのことでジャケットなどの雰囲気は相変わらずラブリーだが、アルバムとしてはラブリー度がグッと抑えられ、全体に大人になった、成長した、落ち着いたといった形容がしっくりくるような佇まい。砂糖ドバドバだった前作から一転して今作はきりっと締まった適度な甘みだ。特に2nd〜5thシングルで見られていた甘すぎな歌い方や随所で挟まれるラブリーな掛け声はほぼ一掃され、シリアスな曲でかっこよく歌ったり、落ち着いた曲でしっとり歌う場面が増え、個人的にはさじ加減はだいぶ適度なところにまとまったと思う。そもそも普通にしているだけでかなりラブリーな雰囲気になる独特の声を持っているので、これでも十分にかわいい雰囲気が全体に漂う。

1stの異様なまでのマニアックなこだわりも薄れてしまい良くも悪くも普通のアイドル系声優のアルバムになってきた感じではあるんだけど一応1stの要素も多少は残されている(沖井礼二、小林俊太郎、シミズコウヘイ辺りを起用した楽曲では1stの風味が強い)。個人的には前作が砂糖ドバドバで厳しかったので大いに持ち直した印象の1作。

完全限定盤2Blu-ray付　　初回盤DVD付　　通常盤　

印象度★★★★☆

2016.12.23更新

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