CAFE JAPAN
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | ファミリー | 玉置浩二 | 玉置浩二 | 玉置浩二、安藤さと子 | |
2 | CAFE JAPAN | 玉置浩二、須藤晃 | 玉置浩二 | 玉置浩二、藤井丈司 | |
3 | 田園 | 玉置浩二、須藤晃 | 玉置浩二 | 玉置浩二、藤井丈司 | 11thシングル 最高2位 売上92.5万枚 |
4 | ヘイ!ヘイ! | 玉置浩二、須藤晃 | 玉置浩二 | 玉置浩二 | |
5 | STAR | 玉置浩二、須藤晃 | 玉置浩二 | 玉置浩二 | 9thシングル 最高90位 売上0.4万枚 |
6 | SPECIAL | 須藤晃 | 玉置浩二 | 玉置浩二、藤井丈司 | |
7 | フラッグ | 須藤晃 | 玉置浩二 | 玉置浩二 | |
8 | Honeybee | 玉置浩二、須藤晃 | 玉置浩二 | 玉置浩二 | |
9 | 愛を伝えて | 玉置浩二 | 玉置浩二 | 玉置浩二 | 10thシングルC/W |
10 | あの時代に… | 玉置浩二、須藤晃 | 玉置浩二 | 玉置浩二、安藤さと子 | |
11 | メロディー | 玉置浩二 | 玉置浩二 | 玉置浩二 | 10thシングル 最高49位 売上6.0万枚 |
リリースデータ
1996年9月13日 2018年8月15日(紙ジャケBlu-spec CD2) 2022年11月3日(LP) |
初登場5位、最高4位 - 初登場56位 |
売上43.4万枚 - 売上0.07万枚 |
Produced by 玉置浩二&須藤晃 | ソニー |
玉置浩二5thアルバム。ライブ盤『T』を挟んで1年9ヵ月ぶりのオリジナルアルバム。前作以降の3シングルとC/Wを1曲収録。「STAR」のC/W「正義の味方」は前作からのシングルカットだったため、3シングル収録曲のうち「田園」C/Wの「働こうよ」のみがアルバム未収録となった。売上は低迷しつつあり、「STAR」は危うく100位圏外になるほどだったが、「田園」は自身も出演したドラマ『コーチ』主題歌となり大ヒットを記録。初登場は23位だったが、5週目にトップ10入り、9,10週目に最高となる2位を記録し、最終的に100位以内30週ランクインし、うちトップ3に4週、トップ10に合計9週とロングヒットした。これにて安全地帯の「ワインレッドの心」を上回り、自身最大のヒット曲となった。これに引っ張られて今作も初登場で5位と前2作で逃していたトップ10復帰を果たし、2週目には4位へ浮上。「田園」の半分以下ではあったものの、ソロアルバムではダントツの最大ヒット作となった。また翌97年1月のドラマ『メロディ』では玉置が昔売れて今は落ちぶれている1発屋ミュージシャン桜木信太郎を演じ、桜木信太郎の唯一のヒット曲として劇中で扱われたのが「メロディー」だった(主題歌はスピッツの「スカーレット」)。このため「メロディー」は97年3〜4月にかけても再ヒットを記録した。ジャケットのアートワークは「田園」PVで展開していた多種多様なコスプレ仕様となっている。
2018年には前年の安全地帯に続いてソロでも全オリジナルアルバム13作が紙ジャケット再発された。1st2ndのみユニバーサルでSHM-CD仕様、3rd以降は全てソニーでBlu-spec CD 2仕様となる。2022年11月3日には当時レコードで発売されていなかった安全地帯5作と玉置浩二4作が初アナログ化で一斉発売された。
今作ではパーカッション、ドラム、ベース、ギターを全て自ら演奏(ベースは打ち込み、ドラムは未使用の曲もあり)。サポートは藤井丈司が参加している曲ではコンピュータープログラミングとキーボードを藤井丈司が担当、1,2,4,7,8,10,11には95年のツアーから参加していた安藤さと子がキーボードを担当している。「フラッグ」にはエレキギターで鈴木茂が参加しているがギターソロを弾いているのは玉置浩二本人。また「メロディー」の演奏は安全地帯の田中裕二、六土開正、矢萩渉が参加(武沢は94年に安全地帯を脱退していた)し、安藤さと子を加えた編成で実質的に安全地帯となっている(これもギターソロは矢萩ではなく玉置本人)。「ファミリー」の演奏クレジットの直下には「This Song is dedicated to フランキー堺」と書かれており、6月に亡くなったばかりのフランキー堺へ捧げる曲とされている。
個人的にJ-POPを聞き始め「CDTV」を見始めた頃にヒットしていた曲の1つが「田園」だったのでJ-POP始まりの曲の1つとして思い出深い。8〜9月辺りから毎週見るようになったので確かちょうどその頃にトップ3まで上がってきたピーク時だったように記憶している。俳優としての玉置浩二の印象も強く、ファーストインパクトがこの頃であり、当然"ポジティブな楽曲を歌う笑顔が素敵な陽気なおじさん"というイメージ。その流れでリアルタイムで今作を聞いたが、陽気なイメージ通りの楽しい楽曲が全体を引っ張っている印象で期待通り。「STAR」や「メロディー」などバラードも名曲ではあったが、やはり「田園」メインのイメージだった。安全地帯の事は全く知らなかったので、後で安全地帯時代やこれ以前を知った時は正直別人のように感じたのを記憶している。
ということは安全地帯の頃から聞いていた年上のリスナーはむしろ今作の方が別人…下手したら御乱心のようにも感じていたのでは。ソロになってからどんどん売れなくなってきていたので久々に玉置浩二を音楽で聞いた(俳優としては最近よく見ていたが曲はあまり知らなかった)という人も多い状況で「田園」PVや今作のアートワークでのコスプレ連発である。…しばらく見ない間にどうした…?というのが年上世代の実感だったのかもしれない。しかも「田園」のシングルジャケットは白髪交じりになったとはいえ玉置浩二だと分かるが、今作のジャケ写は仮装しすぎていて誰だか分からない。というかこれでは「田園」の玉置浩二のニューアルバムだとも分からないし、色々とヤバいアルバムにしか思えないのでこれでだいぶ売上損したんじゃないのか。
ここまでの流れで見ると前作でも見せていた陽気な側面をさらに押し出したような印象で、唐突に明るくなったわけではない。非常に自然な飛躍だと思うし、何より全体に勢いがみなぎっていて、それでいて聞かせるバラードでもしっかり聞かせる傑作アルバムだと思う。今作が始まりで基準点になったというのもあるけど、前作で流れを掴んできて90年代のヒットシーンに最も接近したのはやはり今作だと思うし、「田園」で知って聞いてみたリスナーを楽しませるには十分すぎる。多彩さを見せてきた流れでラスト3曲がバラードなのはやや地味だが、その流れでも「メロディー」は本当に泣ける名曲。さすがに当時小学6年生で"あの頃"を思うような歌詞は理解できなかったが、高校くらいではもう"あの頃"を思ってこの曲に感動するようになっていたし、大人になるほどに好きになっていった。
印象度★★★★★
2016.10.7更新