ACROSS THE DREAMS

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 STAY DREAM 葛原豊 多々納好夫 加藤貴也 4thシングル(カット) 100位圏外
2 自由への翼 葛原豊 葛原豊 加藤貴也 3rdシングル 100位圏外
3 LOVE IS YOU 葛原豊 葛原豊 加藤貴也  
4 眩しいほど綺麗になったね 川島だりあ 川島だりあ 明石昌夫 1stシングル 最高18位 売上11.4万枚
5 PERFECT SKY 葛原豊,北原通誉,中居辰磨 多々納好夫 加藤貴也  
6 君がいたあの季節 葛原豊 本田孝信 寺島良一,加藤貴也 2ndシングル 最高59位 売上1.0万枚
7 RAIN 葛原豊,北原通誉 葛原豊 加藤貴也  
8 途切れそうな夢の中で 北原通誉 葛原豊 加藤貴也  
9 誰が君のそばにいても 小田佳奈子 本田孝信 堀江顕  
10 いつまでも笑顔の君で 葛原豊 立河吉彦 加藤貴也  

リリースデータ

1994年12月12日 100位圏外 Produced by B・M・F Sony Records(HUMAN BEE)

メンバー

Vocal 葛原豊
Guitar,Chorus 中居辰磨
Guitar,Chorus 北原通誉

TEARS唯一のアルバム。93年10月1日のデビュー作「眩しいほど綺麗になったね」は初登場32位から上昇し3週目に最高18位、100位以内11週のランクインで10万枚を突破したが、94年5月の「君がいたあの季節」はいきなり半年以上もリリースを開けたのがまずかったのか一気に1/10以上の大幅ダウンで1万割れとなり、「自由への翼」は100位圏外となり、今作も100位圏外となり一直線に売れなくなってしまった。どういうわけか翌年2月には「STAY DREAM」をシングルカットしたがこれも100位圏外。以後6月に「さよなら」、11月に「あの空を忘れない」、96年2月に「ふたりだけの地図」と3シングルを発売したが全て100位圏外、2ndアルバムを出すことなくそのまま自然消滅した。このため活動半ばの今作が唯一のアルバムとなり、5〜7thシングルはアルバム未収録のままとなった。

メンバーは当初はボーカル葛原豊を中心としていて確定していなかったようで、「眩しいほど綺麗になったね」のジャケットには3人写っているが、今作時点での3人ではない。北原通誉は最初からメンバーだったようだが、中居辰磨はデビュー直後のDEENメンバーとして加入してDEENのジャケットに姿を見せており、93年11月のシングル「永遠をあずけてくれ」に初めて名前がクレジットされていたので「眩しいほど綺麗になったね」リリース時はDEEN在籍であった。DEENの次のシングル「瞳そらさないで」が94年6月にリリースされた時点でギターは田川伸治に交代していて、しれっとメンバーチェンジしていた。94年5月の「君がいたあの季節」では現メンバー3人が写っていたため、94年になって中居辰磨はDEENからTEARSへ移動していたものと思われる。DEEN公式でも94年1月8日を田川伸治加入日としている。

当時のビーイングは自社を設立して態勢を整えつつあり自社レーベルへの移動を進めていたが、92年にソニーにHUMAN BEレーベルを設立していたようだが他にHUMAN BEで活動していたビーイング系がいたのかは資料に乏しく不明ですぐに消滅したようだ。いずれにせよ今作はソニーではあるが完全にビーイング制作でクレジットもほぼビーイング関係者や社名が並んでいる。メンバーは2人ともギターだが、キーボードとしてアレンジャーの加藤貴也が参加しているほか、メンバーが確定していなかったと思われる「眩しいほど綺麗になったね」ではギターとして鈴木英俊がクレジットされている。しかしどういうわけかギター2人でメンバーが決定したにも関わらず、他にもギターとしてDIMENSION増崎孝司(3,10)、ZYYG後藤康二(2,5,6)、アコースティックギターとして鈴木康志(1,5,6,7,8,9,10)、堀江顕(9)がゲストミュージシャン枠に堂々表記されている。

TEARSは知らなかったが、初期DEENギターの人が直後に参加していたバンドという事でバンド名は何となく見た事があったかもしれない程度。しかし情報はほとんど残っておらず中古でも見かけたことが無かったので長年すっかり忘れかけていたが、サイト20周年企画のマシュマロ投稿にて聞いてくれリクエストがあり(当然配信にも出ていないが21年11月にボーカルがセルフカバーした音源をYouTubeにアップした本人公式音源が存在)、当時のビーイングっぽいなぁと。正直それだけでさほど興味はなく改めて今作を探すつもりもなかったが、直後に100円で投げ売られている今作を偶然発見。このタイミングで目の前に出現したという事は何かの縁だろうという事で入手して聞いてみた次第。

演奏メンバー2人が2人ともギター、しかしメンバー2人の技量では足りなかったのかサポートギターを5人も起用するという異様にギターまみれのクレジットになっているだけあって、アコースティックギターとエレキギターを生かしたギター主体の爽やかな楽曲が並ぶ。葛原豊の歌声もハスキー気味の爽やかさで、当時のビーイングっぽいといえばまさにそのまま当時のビーイングっぽいんだけど、ひたすらなギターサウンドへの注力が特徴になっているのと、定番の織田哲郎、栗林誠一郎、明石昌夫、葉山たけし、池田大介といったビーイング主力作家陣のうち、「眩しいほど綺麗になったね」の編曲を明石昌夫が担当した程度で、他でも見かけるような名前も多々納好夫、川島だりあ、小田佳奈子くらい。本田孝信、立河吉彦、加藤貴也辺りは他ではそんなに見かけないメンツが並んでいるのでまあ当時のビーイング主力勢とは少し差別化された作風に仕上がりつつもそれでもビーイング制作なのでビーイングっぽいという今作の方向性も何となく分かる気がする。

アコースティックサウンドに注力しているという点で以前ベスト盤だけ聞いたRAZZ MA TAZZに通じる部分も少し感じたが総じて爽やかで聞きやすく雰囲気の良いアルバムだなという印象も同様だった。ミディアム〜バラード多めなので中盤以降は似たような雰囲気で飽きてくるところがあって1曲1曲でなかなか残ってこないというところも含めて爽やかなだけではヒットを続けるのは難しいところでもあるんだなと改めて思う。少なくとも「眩しいほど綺麗になったね」だけ突出していい曲とは思えず、他の曲もそれ以上に良かっただけに何故これだけチョイ当たり(当時基準)したのに続かなかったのか。雰囲気はいいし、メンバー主体でよりギターサウンドに磨きをかけていって伸びしろはあったとも思うだけにせめて2ndアルバムまでは何とか残してほしかった。3rdシングル以降全作100位圏外では厳しかったか…。

B00005G6NP 

印象度★★★☆☆

2022.5.19更新

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