極東サンバ

No タイトル 作詞 作曲 備考
1 Human Rush 宮沢和史 宮沢和史  
2 風になりたい 宮沢和史 宮沢和史 16thシングル(カット) 最高19位 売上26.3万枚
3 TOKYO LOVE 宮沢和史 宮沢和史 16thシングルC/W(カット)
4 Far east samba 宮沢和史 宮沢和史  
5 帰ろうかな 宮沢和史 宮沢和史 15thシングル 最高9位 売上21.8万枚
6 carnaval-カルナヴァル- 宮沢和史 宮沢和史 14thシングル両A面曲
7 Poeta 宮沢和史 宮沢和史  
8 モータープール 宮沢和史 宮沢和史  
9 東京タワー 宮沢和史 宮沢和史  
10 It's Glorious 宮沢和史 宮沢和史  
11 berangkat-ブランカ- 宮沢和史 宮沢和史 14thシングル 最高10位 売上26.6万枚
12 10月 宮沢和史 宮沢和史  
13 それでも汽車は走る 宮沢和史 宮沢和史  
14 HAJA CORACAO ARCO-IRIS 宮沢和史  
Bonus Track(05年リマスター盤追加収録)
15 五分後 宮沢和史 宮沢和史 15thシングルC/W
16 Vento de Amor 宮沢和史 宮沢和史 ブラジル発売版『Samba do Extremo Oriente』収録曲
「風になりたい」のポルトガル語バージョン

DJ詞:CATAPILA(5)
Horn Arrangement:有沢健夫(1,3)、竹上良成(4,6,10
Strings Arrangement:JENNY CHIN(4,8,9,10,13)、河内重昭(12)
編曲:久保田麻琴,河合代介(15)

リリースデータ

1994年11月21日(通常盤)
1994年11月21日(限定盤)
2005年8月3日(リマスター盤)
2021年10月6日(アナログ盤)
初登場7位
初登場10位
-
初登場171位
売上27.2万枚
売上5.5万枚
-
売上0.02万枚
Produced by THE BOOM
CHITO CHANGO(1,2,3,4,10,12,14)、MORGAN FISHER(1,3,4,10)
R.J.W.(5)、久保田麻琴(9)
ソニー

メンバー

Vocal,Acoustic Guitar,Percussion 宮沢和史
Electric Guitar,Acoustic Guitar,Cavaquinho,Percussion,Chorus 小林孝至
Electric Bass,Acoustic Bass,Acoustic Guitar,Percussion,Chorus 山川浩正
Drums,Percussion,Chorus 栃木孝夫

THE BOOM6thアルバム。93年12月にリミックスアルバム『REMIX MAN』、94年春には宮沢がジャマイカのヤミ・ボロと組んでMIYA&YAMIとしてシングル「神様の宝石でできた島」とアルバム『LOVE IS DANGEROUS』を発売(このアルバムは05年のリマスターのラインナップにも含まれている)。THE BOOMとしては夏以降に新作リリースを再開した。シングル2作のA面3曲を収録。95年3月に「風になりたい」がシングルカットされ、ロングヒットを記録。売上以上の知名度を獲得し「島唄」に続く代表曲へと成長した。今作は巨大ジャケット、さまざまな写真家による東京の光景を収めた大型ブックレット仕様による5万枚の限定盤も発売されたが、5万枚は即完売状態となり(2週目77位まで落ちてそのまま圏外)、初登場時点から通常盤の方が上位にランクインした。今作がベスト盤も含めた全アルバムの中で最高ヒット作96年2月5日にはブラジルで『Samba do Extremo Oriente』というタイトルで発売された。

チト河内が率いるパーカッション隊CHITO CHANGO5名とピアノとキーボードを担当したMORGAN FISHERはメンバー4人に続くメインミュージシャン扱いとなっていて、ゲストミュージシャン枠ではいちいち記載されていない。ゲストミュージシャン枠に入っているものの、メンバー4人とCHITO CHANGO、MORGAN FISHERの写真が掲載されたページには有沢健夫、竹上良成、南流石も掲載されている。

05年にはEMI移籍以降も含む20世紀までの作品となる1st〜9th、ミニアルバム、リミックスアルバム2枚を1枚にセットにした全11作がデジタル・リマスタリング、ライナー付で一斉再発された(加えてMIYA&YAMI『LOVE IS DANGEROUS』もラインナップに入った)。これは「THE BOOM ニュー・プライス・シリーズ THE STORY〜呼吸する音楽〜」と題され、各2100円(当時)と廉価設定されていた。この際にオリジナルアルバム未収録だった「五分後」、ブラジル盤に収録されていた「Vento de Amor」がボーナストラックとして追加収録された。現在何故かソニー時代のリマスター盤の中では今作だけが品切れにならずに継続販売されている。

今作では沖縄の要素も無くなり、ブラジル音楽へ一直線。サンバやボサノヴァなどパーカッション溢れる楽曲が並びアルバムとしてもグッと統一感が出ている。今作制作の背景にはこの年の5月に宮沢が初めてブラジルを旅した事が影響しているとされており、半年後には今作が発売されているので沖縄の時のようにルーツだったわけではなく、旅先で触れた音楽に感銘を受けてそのままその衝動で楽曲を作っていったと思われる。現地に行って録音したり現地ミュージシャンを招くということをせずあえてブラジル音楽を日本人(日本にいる外人は招いている)の手で地球の反対側の東京で制作したということでタイトルが『極東サンバ』になったそうだ。今作では1st以来メンバー作が無いアルバムとなったが、メンバーは宮沢の旅に同行しているわけではないし、今作ではついにアレンジ表記も無くなってしまい、メンバーよりもCHITO CHANGOらサポート勢が奏でる楽器の方がメインになっているような状態だ。前作に続いてもう4人組バンドという枠組みには収まっていない。名曲「風になりたい」を筆頭に今作では前作にあったような実験性やとっちらかりっぷりが無い。ブラジル音楽はノリがよくて恐らく一般的にもかなり馴染みやすく、けっこうヒット性の高いアルバムだと思う。当時の体感があまりないので推測になってしまうものの、この時期のシングルは現在では「風になりたい」が格段に有名だが、他の2シングルもそこそこのロングヒットを記録しており、「島唄」を除けばこの時期が最もセールスのアベレージが高い

実際のところ、前半は「carnaval-カルナヴァル-」まではかなり聞きやすいけど新鮮さもあってワクワクした。ただ「Poeta」以降はかなりゆったりした作品が続く。各楽曲はどれもいい曲だと思えるんだけど、集中力が切れてくる後半以降にサンバというよりボサノヴァのノリに近いまったりした曲が連発されるのででちょっとダレてきてしまった。10,11曲程度で終わるアルバムならこれでも良かったんだろうけど…。このおかげで「berangkat-ブランカ-」が改めて名曲に思えるほどだったが(これもゆったりといえばゆったりなんだけど)、後半に「風になりたい」級とまでは言わずとももう少しサンバの楽しいノリの曲があっても良かったんじゃないかと思う。それでもワールドミュージック三部作(?)の中では1番方向性がまとまっていて聞きやすいので、サンバが嫌いじゃない限りはベスト盤の次に聞く最初のオリジナルアルバムとして選択するにはおススメ。

B0009V92KY05年リマスター盤  B00005G6QHオリジナル盤 

印象度★★★★☆

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