TOKIO
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 | Lead Vocal |
1 | LOVE YOU ONLY | 工藤哲雄 | 都志見隆 | 西脇辰弥 | 1stシングル 最高3位 売上52.0万枚 | 長瀬・山口 |
2 | こんなに愛してるのに | 工藤哲雄 | 都志見隆 | 白井良明 | 国分 | |
3 | 恋のカリキュラマシーン | ローリー寺西 | ローリー寺西 | 白井良明 | すかんちのカバー | TOKIO |
4 | シェリー・アムール | 日比野そら | 青木秀樹 | 白井良明 | 城島・山口 | |
5 | 明日の君を守りたい〜YAMATO 2520〜 (アルバム・ヴァージョン) |
工藤哲雄 | 都志見隆 | 白井良明 | 2ndシングル(カット) 最高7位 売上16.8万枚 | TOKIO |
6 | ロマンチストは傷つかない | 唐珍化 | 青木秀樹 | 白井良明 | 松岡 | |
7 | 素顔のままでアイ・ラヴ・ユー | 工藤哲雄 | 都志見隆 | 西脇辰弥 | TOKIO | |
8 | 史上最大のクレイジー・ラヴ | 唐珍化 | 青木秀樹 | 白井良明 | 長瀬・山口 | |
9 | White X'mas Eve | 工藤哲雄 | 都志見隆 | 白井良明 | 長瀬 | |
10 | TOKIO 時代をよろしく! |
城島茂& 山田ひろし |
西脇辰弥 | 西脇辰弥 | 1stシングルC/W | 長瀬 |
リリースデータ
1994年11月21日 | 初登場8位 | 売上20.2万枚 | Produced&Directed by Shun Miyazumi | ソニー |
メンバー
Vocal | 長瀬智也 |
Guitar | 城島茂 |
Bass | 山口達也 |
Keyboards | 国分太一 |
Drums | 松岡昌宏 |
TOKIO1stアルバム。89年に城島・山口が城島茂バンドを結成し、それがジャニー喜多川社長によりTOKIO BANDとなるなど当初はグループ名もメンバーも流動的であったが、92年頃には長瀬以外の4人と小島啓の5人でTOKIOとなり、サポートとして長瀬が参加したりしなかったりしていた。94年になると1月に初のツアー(FIRST LIVE)を行い、5月には松竹座で1日10回公演を行った。しかしデビュー直前で小島啓が突如として事務所退所で脱退(芸能界引退)、サポートだった長瀬が正式メンバーに昇格してメンバー5人が確定。94年7月に日本武道館でCDデビューが発表され、8月にツアーを行い、9月21日にシングル「LOVE YOU ONLY」でデビューした。デビュー時の年齢は長瀬が15歳(11月誕生日のため今作発売時16歳)で城島は23歳(11月誕生日のため今作発売時24歳)だった。
「明日の君を守りたい〜YAMATO 2520〜」が最初からアルバム・ヴァージョンと表記されているが、12月にシングルカットされた(この時点でシングルカットが決定していたものと思われる)。「恋のカリキュラマシーン」はすかんちが85年にインディーズでリリースしていたLP『オジタスの謎』に収録されていた幻の楽曲で何故かTOKIOに提供されて復活した。シングルは「LOVE YOU ONLY」、アルバムでは今作が最高売上となる。初回盤はスリーブケース仕様。
一応今作が1番売れたアルバムで1番売れたシングルの「LOVE YOU ONLY」も収録されているのでTOKIOのオリジナルアルバムの中では手に取りやすい1作ではあるのだが…正直かなり時代錯誤感が漂う昭和のアイドル歌謡みたいな楽曲をとりあえずバンドサウンドにアレンジしたような楽曲が並ぶ。1994年ってこんな古くないよな?と思ってしまうくらい時代のズレを感じてしまうが、実際94年の他のヒット作と並べると今作は明らかに古い。ロックバンドだとMr.Children『Atomic Heart』、B'z『The 7th Blues』、LUNA SEA『MOTHER』、GLAYやL'Arc〜en〜Cielがデビューしたのが1994年である。それらと同年とは到底思えない。ジャニーズ内では既に先輩バンドの男闘呼組は解散、光GENJIも数年前が嘘のような失速状態で、苦戦していたSMAPがようやく初の1位を獲得して「がんばりましょう」という代表ヒットを放った時期。SMAPの方は結果が出なかった初期数年でジャニーズ主導からレコード会社主導の楽曲制作に切り替えて、新たな戦略で結果が出始めた時期だったが、TOKIOのこれはたぶんジャニーズ主導。わざとレトロな事をやっているというよりもジャニーズが80年代の感覚を引きずったまま94年まで来てしまったかのようだ…。
バンド形態のグループとしてデビューしているので律儀に一応全部バンドサウンドにアレンジされていて、あからさまにバンドではない打ち込みのダンスナンバーみたいなのは無いが、通常アイドルのアルバムで数曲入っている程度のバンドサウンドで構成せざるを得ないというのはアイドルのアルバムとしては楽曲の幅が限定されてしまっているので明らかに足枷になっている。男闘呼組がどんどん売れなくなってしまったのもあってか、ハードさなんて求めずにアイドル性を出していこうとしている感があり、全曲が君が好き系の直球キラキラなアイドルラブソング。そしてアイドルポップにするためにシンセで味付けしまくり。結局これライブでやるとなるとキーボードの国分は一体どのパートを演奏するのか…っていうくらいにキーボード・シンセ系の色々な音が1曲の中で出てくるし、結果とりあえずバンドサウンドにはなっているけどバンド感はあまり無い。
またなるべくメンバーが歌うような割り振りになっていて長瀬をメインボーカルとして扱いながらも単独で歌っている箇所はかなり少なく複数で歌っているように聞こえるのがほとんど。ボーカルの割り振りに関しては早い段階でもっと長瀬を中心とした編成になるし、曲によってメインボーカルを変えるとか、曲によってメンバーのパートがあったりなかったりと、曲ごとに考えている感じになるんだけど、今作はこれまたなんかとりあえずなるべくみんな歌わせておこう、みたいな。長瀬がまだ15歳だったので変声期前後で声が安定していなかったとか、長瀬の正式加入がデビュー直前な上に1番年下でいきなり先輩差し置いてメインで歌いまくるのはどうなのか、という加入時期の問題もあったのかもしれない。
そして楽曲がキラッキラの80年代アイドルソング路線にも関わらず、ジャケットやブックレット写真は笑顔皆無でにらみつけているかのような写真のみで構成。先輩のSMAPが不自然な笑顔120%全開でジャケット、ブックレットを埋め尽くしていたのとは対照的だが、何故写真だけ男闘呼組の硬派路線を踏襲したのか…。見た目と内容が激しくかみ合っていない。このデビュー時こそ勢いで行けたけどその後のTOKIOが苦戦を強いられたのも仕方なかったのかなと思う。
またバンドTOKIOのデビュー作としてではなく、若き日のTOKIOが歌うレトロなアイドル歌謡ポップアルバムとして聞けばまあなかなか他では聞けない作風のレアな1作かもしれない。
印象度★★☆☆☆
2019.11.21修正