東京女子カフェ#1 a-bossa
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 原曲 |
1 | Bomb A Head!/小西彩乃(東京女子流) | 富樫明生 | 富樫明生 | 田上陽一 | m.c・A・T(93年) |
2 | LOVE 2000/新井ひとみ(東京女子流) | hitomi | 鎌田雅人 | 田上陽一 | hitomi(00年) |
3 | 夢見る少女じゃいられない/渡邉幸愛(Party Rockets) | 織田哲郎 | 織田哲郎 | 田上陽一 | 相川七瀬(95年) |
4 | Time goes by/高橋麻里(Dorothy Little Happy) | 五十嵐充 | 五十嵐充 | 田上陽一 | Every Little Thing(98年) |
5 | ニホンノミカタ-ネバダカラキマシタ-/小西彩乃(東京女子流) | エンドウサツヲ | DJ OZMA | TATOO | 矢島美容室(08年) |
6 | EZ DO DANCE/高橋麻里(Dorothy Little Happy) | 小室哲哉 | 小室哲哉 | 田上陽一 | TRF(93年) |
7 | Give me a shake/中江友梨(東京女子流) | えびね遊子 | 星野靖彦 | TATOO | MAX(97年) |
8 | 亜麻色の髪の乙女/新井ひとみ(東京女子流) | 橋本淳 | すぎやまこういち | 田上陽一 | ヴィレッジ・シンガーズ(68年)、島谷ひとみ(02年) |
9 | WOW WAR TONIGHT〜時には起こせよムーヴメント /白戸佳奈・早坂香美(Dorothy Little Happy) |
小室哲哉 | 小室哲哉 | 田上陽一 | H Jungle with t(95年) |
リリースデータ
2012年8月22日 | 300位圏外 | avex trax |
かわいい女の子がカフェミュージックを歌うライブ空間を作り出していくプロジェクト「東京女子カフェ」の1stカバーアルバム。元々は東京女子流が行っていたカフェでのミニライブの企画として各自がソロでカバー曲を歌うという通常のライブとは異なる方向性でやっていたのが発端となり、そこに他のアイドルも参加してのプロジェクトへと発展したという流れのようだ。90年代以降のエイベックスの有名なヒット曲をボサノヴァカバーしている。「亜麻色の髪の乙女」は原曲ではなく、この流れでは島谷ひとみの曲としての採用と思われる。当初のカフェライブでは東京女子流メンバー5人全員が参加していたが今作には主要な歌唱メンバー3人にとどまり、5人組のDorothy Little Happyからは3人、6人組のParty Rocketsからは1人のみと選抜されている。ただし「WOW WAR TONIGHT〜時には起こせよムーヴメント」には東京女子流メンバー5人全員、Dorothy Little Happy5人全員がコーラス参加している。Party Rocketsからはこの曲においても渡邉幸愛1人だけの参加となっている。#1とされていたが今作がO社チャート300位圏外という超コケに終わったためか、この企画はこれっきり立ち消えになってしまったようだ。
肝心の発起人である東京女子流サイドでは発売が告知されたのみで発売告知のニュースは新しいニュースにどんどん押し流され、発売時には目立たない位置に埋没していた。これといったプロモーションも無く、発売と同時期にカフェライブを行ったのみ。FacebookとTwitterを中心にして「東京女子カフェ」プロジェクトは進められているようだが、各グループのコアなファンにしか存在を認知されていない状況で、各グループファンが一斉にスルーしたのか今作はチャート圏外(初動349枚以下)という超マイナーカバー作品となってしまっている。内容に関しては本当にそのまんまボサノヴァカバーである。最も一般的にイメージされる「カフェ」「ボサノヴァ」でイメージされるアコースティックギターとシンプルなリズムによる穏やかな曲調、そのイメージそのままで多種多様なヒット曲が画一的にアレンジされている。アレンジが合っているのか合っていないのか、知らない曲のボサノヴァアレンジが9曲も続くと間違いなく飽きてくるんだけど、原曲が有名すぎてメロディーだけでも馴染みがありすぎるのでイマイチ判断できない。歌に定評のあるメンバーだけ選抜したようなので、どの曲もズッコケることなくゆったり聞けるし、ある程度の歌唱力があればボサノヴァ調というのはそれだけで大人っぽい味わいを演出できるのでその点では効果的だと思う。全曲ギターのみが生で、次に重要な位置を占めるパーカッションは実際のところ1,2,5,7でしか使用されておらず打ち込みの割合も多いようだが、この点でもボサノヴァ調はそこまで安っぽくならず、電子音が連発されるよりはアレンジが丁寧な印象が残る。最も声が大人びていて歌唱に安定感のある小西が何故2曲とも飛び道具みたいな曲を歌っているのかは謎だが、小西の落ち着いた声だからこそ「ボンバヘ」とか「パオパオパオポニョパオ」とか歌われても案外すんなり聞けるのであって、他のメンバーでは怪カバーになってしまうだろう。そういう意味を込めた選曲なのだろうか。
一方で元々東京女子流メンバー5人から始まった企画だし、ライブでは全員が歌っていたのにリーダー山邊未夢と庄司芽生が外されているのは何だかかわいそうに思う。Dorothy Little HappyとParty Rocketsからも一部しか参加していないので結局どのグループのファンに対しても中途半端になってしまっているような気がする。それだけシビアに歌える子だけで作った本気の作品ということなのかもしれないが、このレベルの知名度のアイドルでそういうことをやってもファン以外どころかファンですらスルーしてしまったわけで歌唱力のアピールに意味があるとは思えない。またやはりそこはエイベックスというべきなのか、紙ジャケでクレジット以外に歌詞カードも存在しない簡素な作りで9曲のミニアルバムに近い企画盤なのに2520円もする。インディーズでは無名ミュージシャンを集めたりしたハウスやらボッサやらパンクやらのJ-POPカバー企画なんて1500円〜2000円程度でけっこう出ているわけだし、とにかくいろいろと中途半端。
印象度★★★☆☆