HEART OF SUMMER
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | セイリング・ラヴ | 長戸秀介・織田哲郎 | 織田哲郎 | 長戸大幸 | 織田哲郎&9th IMAGE「スパーキング・ラブ -胸につのる想い-」の改題曲 |
2 | 渚でキッス | 前田亘輝 | 長戸大幸 | 長戸大幸 | |
3 | 涙のハーバーライト | 三浦徳子 | 鈴木キサブロー | チューブ | 1stシングルC/W(当時のレコード盤のみ) |
4 | ベストセラー・サマー | 三浦徳子 | 鈴木キサブロー | 武部聡志・ 鈴木キサブロー |
1stシングル 最高13位 売上11.4万枚 |
5 | ミッドナイト・ビーチ | 長戸大幸 | 中島正雄 | 長戸大幸 | |
6 | ピンナップ・サーファーガール | 前田亘輝 | 春畑道哉 | チューブ | |
7 | ONJUKU-OUHARA-TAITOU抜けて | 前田亘輝 | 前田亘輝 | チューブ | |
8 | オールサマー・ロング | 前田亘輝 | 前田亘輝 | チューブ | |
9 | デビル・ウーマン | 亜蘭知子 | 長戸大幸 | 長戸大幸 | |
10 | サンディー | 亜蘭知子 | 織田哲郎 | 長戸大幸 | 織田哲郎&9th IMAGE「Sandy」の改題曲 |
リリースデータ
1985年7月1日(LP) 1985年7月1日(CT) 1985年7月1日(CD) 1991年7月1日(SRCL再発) 2003年7月2日(AICL再発) |
最高29位 最高26位 100位圏外 - - |
売上2.7万枚 売上2.6万枚 - - - |
Produced by 長戸大幸 | CBSソニー CBSソニー CBSソニー Sony Records Sony Music Associated Records |
メンバー
Vocal | 前田亘輝 |
Guitar,Keyboard,Chorus | 春畑道哉 |
Bass,Chorus | 角野秀行 |
Drums | 松本玲二 |
The TUBE1stアルバム。85年6月1日にデビューし、1ヵ月で今作がリリースされた。デビュー当時はバンド名に"The"がついていた。1stシングルから2曲とも収録。さらに織田哲郎&9th IMAGEの改題カバーも2曲収録。当時からCDでも発売されているようだが(品番32DH-259)、CD普及前だったためLPとCTでのチャートイン記録しか残っていない。CBSソニーからソニーに変わったのを受けて91年7月に当時そこまでのCDが一斉に再発されており、品番がSRCLに改められた。さらにSony Music Associated Recordsへ移動したのに伴い03年7月にはそれまでの旧作が全てAICLの品番に改められて再発されている。そのためCDだけで3つの品番(85年発売32DH、91年発売SRCL、03年発売AICL)として今作が存在するが、一切のリマスタリングはされていないようで、単に規格番号が変更されたのみである。1stシングルに関してはEPのみの発売だったようで、89年に8センチCDで発売されているが、C/Wが2ndシングル「センチメンタルに首ったけ」に差し替えられている。
デビューの際に既にビーイングはサザンをヒントにした夏バンドという軸だけは定めていたようで、1stの時点で夏全開。ただ前田の声が非常に若くてハスキーなので別人のようだ。90年代以降のビーイングでは総合プロデューサーとしてクレジットされるだけで直接の作編曲には参加しない長戸大幸が積極的に作編曲に参加しているが、何が何でも自分で曲を書いてというスタンスではなかったようで、長戸が信頼していたという織田哲郎のカバーをやらせたり、当時のビーイングの総力を結集していたようだ。メンバーも負けじと曲は書いていたらしいが、まだ実力が追いつかずほとんど採用されなかったと後に語っている(02年発売のTUBE著「終わらない旅」より)。ただビーイングとしてもヒット実績がほとんど無く、自社内での楽曲をシングルに出すのに自信が無かったのか肝心のシングル曲だけ外部委託という形を取っている。
アルバム全体ではエロティックな「ベストセラー・サマー」はちょっと浮いている印象。他の曲はもっとさわやかなバンドポップが並んでいるので、何でこんな珍妙な曲をシングルにしたのか今となっては大いに謎だが、結果的にヒットしているので当時はそれが正解だったのだろう。「ベストセラー・サマー」に近い路線ばかりだと思っていたので、個人的には予想していたよりもさわやかでいい作品だと感じた。やはりこの中では織田哲郎の才能が光っていて今の感覚では今作で1番シングルっぽいのは「セイリング・ラヴ」だと思う。メンバーもこの初期の頃は特に織田哲郎の実力を前にすると自身の楽曲の未熟さを悟るしか無かったようだが、「ピンナップ・サーファーガール」では早くも90年代以降の定型パターン(作詞:前田、作曲:春畑、編曲:TUBE)で制作されている。この曲は確かに後に比べるとまだまだではあるけど、後追いで聞くとこの中ではかなりTUBEっぽいと感じる1曲で、原石のような曲だ。
ただいかんせん音が古い。80年代特有の妙に絞られたギターサウンド、ドラムばかりがドタドタと目立つせいで、スカスカに聞こえるサウンドもそうだが、音が極小貧弱。リマスターどころか音量調整すら恐らく85年当時から行っていないと思われる。この時期に活躍して今は現役を退いたソニーの人気アーティストはとっくにリマスター再発やらベスト乱発、BOX発売などのオンパレードだというのに、現役で活動し続けているTUBEが旧作をかろうじて廃盤にしないだけで放置したままというのは…。
印象度★★★☆☆
2020.6.1修正