日本の夏からこんにちは(初回盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 日本の夏からこんにちは | 前田亘輝 | 春畑道哉 | TUBE | |
2 | 夏が来る! | 前田亘輝 | 春畑道哉 | TUBE | 61stシングル 最高10位 売上1.4万枚 |
3 | 湘南バットボーイ | 前田亘輝 | 春畑道哉 | TUBE | |
4 | 知らんけど feat.寿君 | 前田亘輝 寿君 |
春畑道哉 | TUBE | |
5 | GOD'S BREATH | 前田亘輝 | 春畑道哉 | TUBE | |
6 | 潮風の中で | 前田亘輝 | 春畑道哉 | TUBE | 61stシングルC/W |
7 | 君がいるから | 前田亘輝 | 春畑道哉 | TUBE | |
8 | 自由への卒業 | 前田亘輝 | 春畑道哉 | TUBE | |
9 | 夏のDeja Vu | 前田亘輝 | 春畑道哉 | TUBE&佐藤晶 | |
10 | MY BLUE HEAVEN | 前田亘輝 | 春畑道哉 | TUBE | |
11 | いただきSummer | 前田亘輝 | 春畑道哉 | TUBE | |
12 | Route 567 | 前田亘輝 | 春畑道哉 | TUBE |
No | タイトル | 備考 |
TUBE RIDERS 17th.Meeting(2019.10.31.パシフィコ横浜) | ||
1 | オープニング | 開場時の観客の映像 |
2 | いただきSummer | 当時未発売新曲 |
3 | 傷だらけのHero | 14thアルバム『終わらない夏に』収録曲 |
4 | Forever Friends〜TUBE RIDERS THEME〜 | FC限定配布シングル 一般未発売曲 |
5 | 2020レコーディング風景 | 今作のレコーディングドキュメント映像 |
リリースデータ
2020年7月8日 | 初登場3位 | 売上2.5万枚 | Produced by TUBE | Sony Music Associated Records |
メンバー
Vocal | 前田亘輝 |
Guitar | 春畑道哉 |
Bass, | 角野秀行 |
Drums | 松本玲二 |
TUBE34thアルバム。MIX CDからは2週間、ミニアルバム『Sunny day』から3年1ヵ月、フルアルバムとしては5年ぶり。30周年の2015年以降は年1でのシングル、ミニアルバムという発売が続いたが2019年は新作発売が無く、新作発売が無い年はこれにて2013、2014年に続いて3年目となった。ただし2019年は「いただきSummer」がクノールタイアップCMに起用されTVでも新曲として数度披露していたものの何故か配信ですら発売されずに未発売のままとなっていて1年以上経過して今作に収録された。前作以降のシングルのうち2018年発売で最新作である「夏が来る!」とC/W「潮風の中で」の2曲のみ収録。2015年の「TONIGHT」「灯台」、2016年の「RIDE ON SUMMER」は未収録。また表記は無いが「夏が来る!」は4分20秒→4分7秒まで短縮され、アウトロのフェードアウト途中で次の曲へブツ切りで飛ぶ仕様、「潮風の中で」は冒頭の波音が長くなっているといった微細なミックス変更が施されている。
完全生産限定盤は2019年FCイベントでのライブ映像3曲と今作のレコーディング風景を収録したDVD+ジグソーパズル付属(分厚いボックスケース仕様)。
初回生産限定盤は2019年FCイベントでのライブ映像3曲と今作のレコーディング風景を収録したDVD付(通常の2枚組プラケース仕様)
通常盤はCDのみ。3種発売で完全な上位互換(CD+DVD+パズル→CD+DVD→CD)となる。入手したのは初回盤。
2009年の『Blue Splash』で制作陣を一新した際にビーイングのスタッフ、アレンジャーはDIMENSIONを除いて一掃されて参加しなくなっていたが今作は05〜08年以来(当時の肩書はプロダクションマネージャー)となるビーイングの新津健二(元FIELD OF VIEW)がディレクターとして参加した。ビーイングがチームで制作に復帰したわけではなく今作でのビーイング関係者の参加は新津健二のみである。
ミニアルバム『Sunny day』で編曲がTUBE名義に戻ってだいぶTUBEらしさを取り戻しつつあったが、さらに久々となった今作はTUBEらしさを完全に取り戻した日本の夏・TUBEここにありを示した安定の1作。タイトル曲「日本の夏からこんにちは」はまさかの音頭。過去に「湘南盆踊り」なんて曲もやった事があるとはいえ、表題曲/リード曲でこれを堂々とやり、ふざけきったコスプレMVまで作ったのはなかなか笑撃的だった。おふざけもかなりやってきていたが表にはあまり出していなかったので、有名ヒットシングルしか知らないリスナーにはかなりの衝撃があったと思われるが、どういうわけかもう1つMVを作ったのが「いただきSummer」ではなくコラボ曲の「知らんけど feat.寿君」。寿君による関西弁ラップが挟まれるかなりの異色曲かつここに来て過去にない新鮮な方向性となったが、MV作ってのリード曲がこの振り切った2曲、ジャケ写は浴衣姿だし、相当変なアルバムなのではないかと思ってしまうところだがそれ以外は徹底して王道。爽やかなポップサマーチューンやロックナンバー、バラードがバランス良く並んだこれぞTUBEな内容。これにより攻めと安定が共存して直近の作品の中でもかなり印象に残る1作になった。
真新しさはあまりないが、『Sunny day』からも3年、フルアルバムは5年ぶりな上に前述のようにフルアルバムとしての前2作『SUMMER ADDICTION』(2012)、『Your TUBE+MyTUBE』(2015)は外部に編曲を任せていてTUBEでアレンジしていなかった(『Your TUBE』は提供で最早演奏すらほとんどしていなかった)。『SUMMER ADDICTION』までは毎年出し続けていたので徐々に疲弊もマンネリも否めなかったし、『My TUBE』は綺麗にまとめすぎた感があった。今回はド王道ではあるが、新作のリリースペース自体もかなり落としたのと、ミニアルバムでセルフ復活を経たとはいえ編曲:TUBEでフルアルバム制作は実に9年ぶりとなるため、ある程度はリフレッシュされた感もある。無理に走り続けて毎年出さずとも間隔を開ければまだまだいいアルバムは作れそうだ。たださすがに次も5年後…となると普通に還暦越えになってしまうし、2,3年に1枚くらいのペースが理想的かな…。
制作途中で緊急事態宣言による中断があったそうだが曲自体はほぼそれ以前に作られていた楽曲と思われる。この夏予定していたライブを想定したような雰囲気もあるが、ラストの「Route 567」はまさにこの瞬間をリアルタイムで記録した1曲。当初全く異なる「ファミリーアルバム」という歌詞だったそうなので、家族愛を歌っていた「灯台」なんかにも通じるバラードナンバーになっていたものと思われるが、4月に歌詞を書き直してこの形になったという。567というのは5=コがやや強引ながら語呂合わせでコロナを意味していて緊急事態宣言下の様子、そしていつか取り戻せることを信じる希望で締められている。この曲が大勢の観客の前で歌われる時がこのアルバムの本当の締めになるのかもしれない。
DVD
昨年のFCイベントの映像を説明のテロップもつけながら編集したもの。楽曲自体は3曲しか入っていないが(「傷だらけのHero」は90年代の曲なのでキー下げで低くなっている)、FC限定曲の「Forever
Friends」収録はレアだと思う。ていうかFC限定で一般発売してないのにさらっと収録してしまっていいのか。
個人的に思わぬ注目だったのはレコーディング風景映像。収録終盤に緊急事態宣言になったためその前までの模様が収録されていて寿君を交えての「知らんけど feat.寿君」のレコーディング風景がメインとなっているがそれよりも序盤からスタジオに出入りしていて、後半はTUBEメンバー+寿君と一緒にサウンドチェックをしている男性スタッフの姿は元FIELD OF VIEW新津健二。その姿を見るのは2012年のBEING LEGEND出演時以来であるが…あまりの変わってなさに驚愕した。元々02年の解散ライブのMCでも新津は昔から変わってないとネタにされるくらいだったが、2012年も変わってなくて2020年もまだ変わってない。ボーカル浅岡雄也でさえもここにきて急激に丸くなってかなり人相が変わっただけにこの変わらなさは驚異的だ…。
FIELD OF VIEW25周年展開では新津健二は姿を見せておらず、Twitterでやっていたカルトクイズにクイズを提供する形で関わるのみだっただけにまさかTUBEの作品に12年ぶりに復帰してディレクターとしてドキュメント映像に映りこむ形で元気な姿を見せてくるとはなぁ…。
印象度★★★★☆
2020.8.29更新